為替レート
サキさんは見た目は16、7に見えるけど怖いから聞けない。
「これが鈴木に渡す身分証だ。こいつを見せれば日本の総理だろうがアメリカ大統領だろうがロシアのハゲだろうが土下座だ土下座」
そう言ってアメリカ映画でよく見るシェリフが付けてるバッジを渡された。
「あとこれ、当分世話になるから渡しとく」
どこから出したか分かんないけど、いきなり目の前にドサッと札束が置かれた。
多分300万くらいあると思う。
「あの~いくらなんでも多過ぎではないかと」
「気にすんな、経費にしたって安いもんよ」
「すごいお金持ち何ですねサキさん」
「ああ、地球じゃな」
「ちなみにサキさんはどちらから来られたんですか」
サキさんは天井に向けて人差し指を向けた。
2階じゃないですよね、二階には看護士のオバチャン住んでるし。
「詳しくは言えネーヨ」
「サキさんはバウンティーハンターなんですよね。結構稼ぐんですか」
「ん~まあソコソコ、そうだな協会加盟のあたいの会社から基本給が15万sd保証で後は歩合制さ。均すと月30万sd。苦労してるぜ」
多分宇宙では月給30万円くらいか、大した稼ぎじゃないんだ。
歩合制っていってたからあんまり優秀なバウンティーハンターじゃないかもなー。
目の前にあるお金もなんとなく怪しいと思った。
「地球だと1ヶ月30万も手取りあると結構な稼ぎなんですが、いちおう俺も宇宙バウンティーハンター協会加盟会社のサキさん専属臨時職員になったわけですし、報酬はおいくらほど頂けるんでしょうか」
「臨時職員だから期待しないでくれよ、そうだな1日1千sdってとこかな」
「その~sdって何ですか」
「通貨単位さ。そうだなこっちの1000円があたしらんとこじゃ1円みたいなもんかな」
1千sd・・・日本円で100万円。
1000倍のレートって。お金の価値が違いすぎる。
じゃあ俺の車の借り上げ料500万円ってサキさん的には5千円なわけだ。
安くないか。
それに目の前にある300万円、サキさん的には3千円。
ナニソレ安過ぎダヨネ。
しかも俺のアシスタント代1日1千sd、サキさん的には1000円なわけだ。
俺はグッとこらえてサキさんの前に立った。
すっと腰を落として俺は仁王立ちのサキ様に向かって土下座した。
「サキ様、わたくしの全身全霊をかけて精一杯協力させて頂きます」
顔を上げると得意げなサキ様と白いパンツが見えた。
そこはゲームと同じでこだわってたんだと思った。