怪しい視線
ターニャ視点だよ
てくてくとキラリの後ろを歩く。
…さっきの講堂で一つ怪しい視線があった。気配を探ったが、沢山人が居たので姿までは確認できなかった。
《透視》を使ってもよかったが魔法を使うと目の色が変わってしまうため、キラリに迷惑かけちゃうと思いやめた。
嫉妬や驚きの視線じゃない。何かを企んでいるような視線…
あれは一体…?
「ターニャ、着いたよ。ここが私の部屋。」
黄色のネームプレートがかかった扉を開けると…
「わぁぁ…!」
私の知らない世界が広がっていた。
整った机に、なんか上にヒラヒラしたのが付いているフカフカのベッドに本棚にタンス…
これが人間の生活している部屋…!
目をキラキラさせて眺めているとキラリにちょいちょいと手招きされる。
そこへ行くと…
「ここはね私がこの部屋の中で一番気に入ってるの。」
「…綺麗!」
シャッと開かれたカーテンの先には自然広がる外の景色があった。
空は青く、木々は青々と茂っている。
身を乗り出して眺めていると
「気に入ってくれた?」
「うん!キラリの部屋、好き!」
優しい声音で私に尋ねてくるキラリ。なんだかお母さんみたい。
ぽかぽかの日差しが差し込む部屋で私とキラリは他愛のないお喋りを交わした。
ターニャちゃんただものじゃないね。
きっとすごい強いよ。だってSS級だもん。