7章 願い 二人の思い
「おはようございます、ユートさん」
とてとてとリティアの家の居間へと向かい、
「おはよう、もう朝ごはんできてるんだ」
挨拶をし、朝食を食べる。1ヶ月が過ぎてもまだこんな日常を相変わらず過ごしていた俺は、罪悪感に満たされていた。
毎日毎日リティアの世話になってばかりで…そんな生活に耐えられなくなった俺は、ついにリティアの家を離れることにした。
次の日、俺はいつもより早く目覚めた。それも、日が明けていない、空が暗い時間に。
リティアには置き手紙のみを残して、リティアの家から走る。吹き出る涙を抑え、少しでも離れようと懸命に走った。
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「…ふぁ」
いつもより早く目覚めたリティアは素性はよくわかっていないが、どことなく亡くなった兄に近い少年のために朝食を作ろうとした。
だが、それは一瞬にして止める事となる。
急いで走る時になる砂の音、嫌な予感がしたリティアは少年の部屋の扉を開ける。そこには誰の姿もなく、ベッドの上には手紙が置いてあった。リティアは手紙をひろう。そこに書かれていたのは、
今までありがとう。助かったよ。
その二言だけであった。リティアはその場に膝をつき泣き叫ぶのであった。
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深い森の中で俺は迷っていた。まるで、1ヶ月前にいたあの世界のように。
「見てくれたかな、あの手紙。」
そんなことを呟き、また涙を流す。1ヶ月も一緒に過ごしていたのに、あんな酷い別れ方をしたのを悔やんではいた。
だが、現世に帰らないといけない。つまり、いずれこのように別れるのであれば、これも良いんじゃないか。今は自分にそう言い聞かせてただただ離れるのであった。
やがて深い森を抜け、大路へと出た。だが、俺が風景を見る前に目に入ったのは、息を切らせ、着物を汚していたリティアであった。
「この、馬鹿ッー!!!」
いつもは優しい言葉遣いのリティアが少し厳しい口調で俺に抱きついた。
それはそれに対しただただ謝り続けた。そして事情を話した。それでもリティアが許してくれることはなかった。
この苦しい思いを俺は一生忘れはしないと心に決めたのであった。
はーいどうも、艶姫です。
最近疲れがたまり続編が書く時間が減ってきているので少しの間休みをもらおうと思います。
休みを取り次第、バンバン書いていくのでよろしくお願いしまーす!!!
それでは、おやすみなさい…。