3章 勇気 俺の記憶の故と新たな決意
小鳥のさえずり。風に揺れる草木。花の爽やかな香り。気づくと俺はそんな場所にいた。
普段は目覚めが悪い俺だが、今日という日は爽やかな1日の始まりだった。
「ここは___。」
俺はベッドの上にいた。窓は開いており、涼しい風が俺を包み込む。
「あっ…あの…」
目の前にいたのは、腰ほどまであるロングヘアーを三つ編みにしている少女だった。
どこかで見たことがある。だが、思い出せない。
過去の事を探ろうとすると、頭がズキズキする。
「あなたは私の家の前で倒れていて…どうすればいいかわからなくって…。あっちなみに私はリティアと言います。あなたは…?」
俺の名前。名前?
「……俺は…誰だ?」
「え?」
思い出そうと必死に過去をあさる、だが結局わかることは無かった。過去の事を何も思い出せない。思い出そうとするとその分の痛みが頭に走る。
「ゔっ!?…あああ゛あああ゛あ゛あぁぁ!……はぁはぁ…」
「大丈夫ですか?今、水持ってきます!!」
急ぎ足でリティアが水を汲んでくる。
「プはぁ!!!はぁはぁ……分かんない…何も思い出せない…何なんだよォォああ゛ああぁぁ!!!」
「まさか…あなた…記憶を……?」
ガリガリと頭を掻く。それでも何も、何も思い出せない。
「昔、亡くなった兄から聞いたんですけどね、この世界には、魔獣トトと呼ばれる生物の伝説があります。その怪物は、鳥のような見た目の生き物で、対象を飲み込みその記憶を喰らい生きるそうです。もしかしてあなたも…」
水のおかわりを渡した、リティアと名乗った少女は、伝説について話すが、当の俺本人には届いていなかった。とにかくまず、昔のこと考えるよりも、生きることが大切だ。
「リティアって言ったっけ」
「はい、どうしました?」
でも、こんなこと言っていいのか?話し始めてから気がついた。
「?」
俺は決心を決めて、言う事にした。
「しばらくこの家に泊めてくれない…か?」
「ぇっ?えぇぇぇぇぇぇええええ!?!?」
「いや、ダメなんだったらべ…」
よく見るとリティアの意識はなくなりかけていた。
はいどうも、艶姫でっす!!
投稿少し遅くなってすいません!!!
今回は、新キャラ、リティアとの出会い編でしたがどうだったでしょうか。上手に書けてると嬉しいんですが…。
侑斗の記憶が無くなり、叫ぶ、そのシーンはいつもより時間をかけて、書いてみました。このシーンを書くときは本人になりきったつもりで書いたのでかなり精神的に持っていかれています笑
さて、次回の話になりますが、次回は、リティアとのお出かけ物語になります!楽しみにしてくださいね!それでは!おやすみなさい。