2章 決心 暗闇の中で
気づくと俺は真っ暗闇の世界に一人いた。あの鳥のような怪物の世界なのだろうか。誰もいない、そして何もない。先を見てもただひたすらに暗闇が続く。そんな場所に送られて俺は新たな人生送れるのか?と思うことはなく、怖い。怖い。怖い。そんな恐怖に満ちた感情が込み上げてくる。
うずくまり、耳を閉じ、目を閉じる。ただひたすら時が過ぎることを待っていた。たとえ時が過ぎても何もないことをわかっていた。でも、こうすることしかできなかった。 光希と別れた悔しさ、そしてこの世界への恐怖がそうさせたのだった。
「侑斗ーッ!、侑斗ーッ!!!」
光希が叫んでいるのだろうか。俺を呼ぶ声が聞こえる。
何度も何度も。声が枯れても、光希は止めはしなかった。目を開くと、俺が吸い込まれたこの世界への入り口は消えており、光希は伏せて泣いていた。自分のせいで大切な人を失った悲しさ、悔しさは決してこの一瞬で忘れるようなものではなかった。
俺は初めて女子を泣かせてしまった。それも1番大切な人を。
その姿が見ていられなくなった俺は再び目を閉じ、現実から逃げるのであった。
気がついた頃には、先程見た真っ暗闇の世界に戻っていた。
俺は泣かせてしまった光希のもとに帰り、謝らなければならない。だから俺は、動くことにした。ただ前に前に進む。戻れる確率が0.1%いやそれより低いかもしれない。そして今、俺が前に進んでいるのかも俺にはわからないが、それでも______。
しばらく歩き続けた。だが何もない。諦めようとした時、キラリと光る何かを見つけた。それはガラスの破片のようなものだった。
これが現世に戻るための鍵になるかもしれない。その喜びでそのガラス片を勢い余って思い切り握りしめた。
「 ッーーー。」
声にならないほどの痛みが、俺を襲う。
これほどの自業自得を味わったのは初めてだった。
ぶわっと吹き出る血で、ガラス片が赤く染まる。刹那、赤き光で魔法陣(そう言っても本物は見たことないのだが)が開かれ俺は、赤き光に吸い込まれたのであった。
はいどうも、艶姫です。「絶望と勇気と決心と 逆転物語」第2話どうだったでしょうか?
今回は、夢を見て、その夢が光希(現実)のことで、そこからの心境の変化や必ず戻るという決意を読者に伝える大事な場面として書きたい。その様な気持ちで書かせていただきました。ここか
余談ですが、投稿日は友人に絶交しよう。そう言われてかなり精神面がやられている状態で書きました。なのでかなり影響を受けている表現になっているかと思います。男友達と、幼馴染ではかなり違うものがあると思いますが、侑斗の気持ちが痛いほど伝わってきました。
次回からは物語が動き始まります。新キャラの登場もあるということで張り切っていこうと思います!それでは!