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引きこもり勇者がダンジョンマスターになったら  作者: ニンニク07
第二章 魔王襲来編
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初めてのお客さん

 ポイントを支払うことで手に入るオブジェクトの一つに四十インチくらいのモニター(500ポイント)があり、ガチャを回す前に一台だけ購入した。元の世界の番組などは見れないが、代わりにダンジョン内のすべての場所と、ダンジョンの外(恐らく、塔の半径三キロほど)をリアルタイムで見ることができる。


 カメラは購入していないのに、どうやって映像を撮っているのだろうかと思ったが、そのあたりは分からないので、とりあえず保留にした。ちなみに、音声も拾える。


 モニターを最上階の拠点にしているログハウスのリビングに設置し、同じくポイントで購入したソファー(200ポイント)に腰かけて、外部の様子を監視する。


 まあ、人気の全くない森の中に作ったので、始めはすぐに人が来るとは思っていなかったが、その予想は外れ、翌日には塔の一階にあるダンジョンの入り口である扉の前に商人らしき者達が数人現れた。


「先週、この森の近くを通った時にはこんなデッカイ塔なんてなかったよな」


 商人の一人が発したこの言葉で、間違いに気づいた。このダンジョンが地下にあったならば、そう簡単に見つからなかっただろうが、百メートル近い建造物が突然、森の中にぽっつんと建っていたら、ある程度、遠くにいても見つけることは容易だろう。


 この商人達が最初のお客かと期待したが、残念ながら商人達は塔の入口の扉は開け、すぐに閉めてしまった。


「おい、今ゴブリンやオークがいたぞ!」

「俺も見た。もしかして、魔王が作るというモンスタースポットか?」

「じゃあ、これはセレンを襲う魔王アドラメレクの仕業か」

「こうしちゃおれん、早くセレンの街に知らせなければ」


 そう言い残し、商人達は大急ぎで塔から離れてしまう。


 商人達が去った後、僕の頭の中は大混乱だった。クラスメイト達から逃れるために王国のはずれまで来たのに、魔王の作った要塞か何かと勘違いされてしまったからだ。そういえば、セレンにいた時に魔王がどうかと言っていたのを聞いたような気がするが、久しぶりの人混みにビビって大して気に留めていなかったな。


「セレンの街で、ある程度情報を集めるべきだったか」


 セレンにいた時に、何もしなかった自分を恨んだが、もう遅い。じきにこの塔に調査隊として冒険者が来るだろう。その時どう対応すべきか、僕はその日は一日中、調査隊が着た時にどうすれば友好関係を結べるかを考えた。


 そして、翌日、予想よりも早く、武装した男達が入口に現れた。


「お頭、ここが入り口らしいですぜ!」

「おお、近くで見ると中々立派な建物だ。俺達、山賊団のアジトにしてしまおうぜ!」

「じきにセレンの調査隊が来ると思われますので、早いとこ攻略しましょう!」


 男達は三十人ほどで、最初は商人の報告を受けたセレンの調査隊かと思ったが、その身なりと言動から、どうやら山賊のようだ。


「山賊ならもし殺してしまっても文句は言われないだろう。それどころか感謝されるかも」


 すでに勇者と魔王が敵の状態なので、これ以上いたずらに敵を増やしたくないが、相手が山賊なら、無理に友好関係を築く必要はないだろう。僕は最上階のモニターの前でそう判断し、初めて侵入者の戦いぶりを見物することにした。


区切りが良かったので章を設定しました。一章は短いですが、二章は長くなると思います。ほとんど初投稿に近いので、読みづらい部分やおかしな部分もあるかと思いますが、温かい目で読んでいただければ幸いです。今後ともよろしくお願いします。

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