03 プロローグ㊦
なんか、プロローグが3つになってしまった…
そして俺は、牢屋に入れられた。
「謹慎って、部屋でじゃねえのかよ……」
俺は代表者に言われてここに連れられてきたが、まさか牢屋に入れられるとは思いもしなかった。
「とりあえず、“盗っ人“さんの話を聞くと、『俺は既に【商人】のスキルを持っている。それは、以前から手に入っていた』ってことだよな。でも、俺は今までにそんなスキルを取得した覚えはない。つまり、無意識に手に入っていた?」
おかしい。スキルを取得できるのは、「銀貨を支払い手に入れる」、もしくは「それまでの行為に対応して手に入れる」のどちらかだ。
「俺は、一体どうやって…?」
頭にぐるぐると考えが浮かぶが、それを否定する。
「おい、お前。一体どうやってスキルを手に入れたかは知らねえが、お前は危険だと俺たちは踏んでる」
「なんでですか?確かにおかしいです。が、こんなところに監禁されるのはおかしいです!」
「監禁じゃねえ、謹慎だ。それと、危険だと思った理由はある」
「なんですか、それは!?」
「神話、伝説上に同じようなことが記されていたんだ」
「神話、伝説上ですか?」
確か聞いた話では、伝説上に「大罪スキル」があるとか。
「ああ、過去にお前と同じようなことはなかったか、って調べて行く内にな。そして、見つかったんだ」
「なるほど」
「神話のうちでは、【源龍】という存在がそのようなことになっていたと記されていた」
「つまり、それと同じようなことだと?」
「いや、それだけじゃねえ。伝説上では、ちっと違くなるが、『大罪スキル』以外をもつ奴が全ての大罪スキルを集めてスキルを全取得した、とかいうのまである。つまり、こういう事象は大昔にあったってことだ」
ほほう……ずいぶんと昔なんだな。
「最後だ。お前は、ここを追い出してどこかに行ってもらう。ここにいると迷惑だからな」
「わかりました」
しょうがないか。ただでさえ昔のことだ。今の状況ではどうしようもないってことか。
「じゃあな、革命王子」
「フフッ」
なんだ、その“革命王子“って。
思わず笑ってしまったじゃないか。
「来れたら、また来ます。合言葉として、《革命王子》を胸に」
「ああ、また来いよな」
そして俺は、生まれた町から出ることになった。
なんで出るのかわからないけど、この歳になって、スキルをくれる人に言われた通りにしなくちゃダメらしい。
親にもそう言われたしな。
「ってことで、なんか住むとこ探しますか」
とりあえずは住みかが無いと話にならない。
食は2次優先かな。
「手頃に洞窟でも良いかあ」
どうせ一時の間だし。
「………」
ひとつあったわ。
しかも、ご丁寧に綺麗ピッカピカ。
「こりゃ、なんかが住んでるとしか思えないな」
小鬼辺りかもしれない。
もしかしたら、中鬼かも。
「とりあえず、中を……『グキャッギャギャ!』……ゴブリンかな」
どうやら、ここはゴブリンの住みかだったらしいな。
「だが、俺がいただく。俺の衣食住安定のために」
そして、戦いが始まった。
いや、それは戦いでは無かった。
ただの、ゴブリンに対する蹂躙劇だったのだ。
圧倒的、差。
戦闘を経験したことがないはずなのに、まるで慣れているかのように蹂躙する。
これこそが、スキル。いや、過去の人間の異能の力。
これが、「ヴィ%@**?#$」のもつ異能の真髄。
過去の人間の異能を全部受け継ぐ。
隠された事柄であった。
「あんまり強くねえなあ」
スキルの力、いや、過去の人間たちの力だというのに。
「まあ、良いか。いくら強くなくたって、こっちだって初心者だったからな。ちっとは疲れたわ」
そういって、彼はそこに横たわる。
精神的疲労だろう。
そして、彼は睡魔を受け入れた。
朝、起きたら。
こんなことはありませんでした?
「…………………はあ!?」
小さな【龍】になってました。
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