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始まりは、口上触れる、日ノ本世(1)
今より千と三百も
年月巡る前の事。
日本は奈良と呼ぶ時代。
西、彼方より運ばれて
楽器はこの地へ降り立った。
それから二つの時流れ
模倣が故にその楽器
広く世間に知れ渡り
その音響かせ飯を食ふ、そんな仕事もあり候。
名をば広く轟かす、平家の終わり物語。
今でも知らるる、その話。
人ぞ彼女の生誕詩。
「時来たり、空往く陽炎、妖の、駆けて奏でる、日ノ本か」
-日ノ本
「日ノ本や、遺し哀しみ、先歩く、感ず宝音、悔いは遺らず」
-芳一
「四季が来て、変わるお前の、音と姿、一生懸けて、それを手中に」
-旭
日ノ本楽器を奏でませう!