神界での日常 3
若干わかりにくい表現を修正しています。
みんなご飯を食べ終わった後は、私室に戻ったり仕事場に戻ったりといろいろだ。人ではないのだからわざわざ睡眠をとる必要もないから、夜更かしも普通にしてるんだって。本当はご飯も食べなくていいんだけど、創世神が自分たちもやってみたいとか言って人間の真似をしているらしい。この神殿の中にあるいろんな生活用品はそうやって作られたんだってユナが苦笑いしながら言ってた。
私はそれからゆっくりお風呂に入って寝る準備をして、電気を消してベッドにもぐりこんだ。はあ。今日はやっぱり初めて魔法を使ったっていうワクワクとかドキドキとかで胸がいっぱいでなかなか眠れそうにないな。たまにユナが主人公がたくさん冒険をするお話をしてくれた時によくこんなふうになるの。私の世界は神殿の中と外だけだけど、だからこそいつもとは違う何かがありそうな予感がしたり、まるで夢の世界に自分が囚われてしまうような、そんな気分になったりするからだと思うんだけど。
だけど、だけどね……、
「……お父様……。お母様……。私の弟、妹たち…」
……やっぱり思い出しちゃうんだよね。ユナがときどき見せてくれる人間世界にいる家族たちのこと。今だってこんなに楽しいことばかりだし友達だっているのに、ふっと湧き上がってはこんな…くらい気持ちになっちゃうの。どうしてかな。
「えーい!!」
私はどんよりなってしまった気分を吹き飛ばしたくて、ベッドの上でゴロゴロ転がってみる。
その時コンコンとドアをノックする音。こんな時間に来るのは……。
「やあ!セレーナ元気にしてたかい?」
「シエータ!もうお仕事終わったの?終わらせないで来ちゃったらユナに怒られるんじゃない?」
「うん、まあそれはそうなんだけどねえ。初めて魔法使ったって聞いたからさ、セレーナは眠れてないんじゃないかなって思ったんだよ。」
「む。そんなことないもん。」
「ふふっそうかい?」
この人はシエータスザード。なんとこの世界の創世神なんだよ。正直全然凄そうじゃないんだけど、でも私たちがこうしているのは全部この人のおかげらしいから、やっぱりすごい人なんだと思う。他の人はこんな時間にここに来ることはないけど、シエータはたまに抜け出してくるから、その度にユナに怒られている。(この時のユナはニコニコ笑ってるけどすごく怖くて、私は一番怒らせたらいけない人なんじゃないかなと思う)
私はシエータと一緒にベッドの端に座って、今日あったことと教えてもらったことをたくさん話した。