神界での日常 1
前話から引き続き読んでくださっている方には心からの感謝を。
「いい?セレーナ。ここはこうして、ここはこうするのよ。わかった?」
「うん。あ、でも何でここはこういうふうになるの?」
「ああ、ここはね……」
ここは神界。創世神とその使徒の天使たちが住まう場所。あ、でも私は違うよ?理由はよくわかんないんだけど私はふつうの人間で、でもちょっと違う人間で、だから大人になるまでここで暮らさないといけないんだって。
「はい。今日はここまで。明日はいろいろな国の食べ物についてのお話をするわね」
「わあ~。すっごく楽しみ!じゃあまた後でね。ユナ」
「ええ。また夕食の時に」
そう言うとユナは私の部屋から出て行った。ユナは私のお世話係の一人で、文字とか算数とか淑女のマナーとかいろーんなことを教えてくれるの。正直ちょっと面倒だなって思うこととかもあるけど、ユナは教えるのが上手でやってみると意外と楽しかったりする。たまに不思議な昔話とかも教えてくれてそういうときはワクワクするしね。
コンコンとドアをノックする音がする。たぶんティカが来たのかな?
「セレーナ!今日は魔法を実践してみようと思うから、そとにいくよ!」
「わあっやった!うまくいくかな?」
「大丈夫だよ。セレーナはセンスあるし。」
ティカもお世話係の一人で基本的に魔法について教えてくれる。今までは座学や魔力制御ばっかりだったから、いよいよ実践ということで気持ちがふわふわしながら神殿の廊下を歩く。この神殿は神界に住んでいる神と天使たちの住まい。とっても大きくて、柱も天井も調度品も白一色でまとまっていて、ただ絨毯だけが真っ赤で、どこの部屋でもそれは一緒なんだ。
それから私とティカは外で二時間ほど魔法の訓練をした。とりあえず全属性魔法の初級魔法は発現することができた。人にはそれぞれの魔法の適正度というのがあって、それは初級、下級、中級、上級と4段階ある。(無論全くない人も大勢いる)これは生まれつきのもので、適正度以上の魔法はどんなに努力しても発現できない。ちなみに私はすべて上級適性で、しかも火水風土の基本4属性と使い手がほとんどいない光と闇も使える。この光と闇の属性は属性魔法以外の魔法…ユニーク魔法よりも希少なので巷では幻の魔法と呼ばれているんだって。