18.戦国時代にやって来た
※視点の切り替えは「/」で行っています
鈴音の時代に到着したのはいいが、何だこれは――武装した兵士が鈴音の周りを取り囲んでいる。
もしかして、俺ら来る事見越してこんな物々しい警護させてんの? あの親父どんだけ警戒してんの?
「おいとま請い。嫁側でお別れ会する。それで翌日夫側のお迎え。
今回の場合は相手の屋敷。それで初夜。ここでゲームーバー。お休み……」
「諦めんの早えぇよっ、初夜までに止めなきゃならんのだろうっ」
「あっはっは、あの親父も急ぎに急いだなー。相手も大慌てだ」
「では私たちもやることしに行きましょうか~」
「終わったら一か月ぐらい寝させて……Zzz」
「おう、お前らっ気張って来いよっ!!」
ってか、気張って来いって何が――え、作戦とか何も聞いてないし。
あんた達と乗り込んで鈴音を助けてなんだかんだして幸せなキスして終了じゃないの?
そこの忍者『お前何も知らねぇの?ぷっ』って顔してんじゃねぇよっ
お前に言われるとすっげぇ腹立つんだよ!!
……って狐共もういないぇっ!?
「じゃ、達者でな――おーいっここに居たぞぉーッ!!」
「なっ――てめぇ!?」
お前も妹と同じで内通者かこの野郎っ――あ、待て逃げるなおいっ鼻へし折ってやるから待てっ!!
……ちょ、何この周囲の槍。これで黒ひげ危機一髪やるの?
当たりは首ポーン? ねぇ、そこの偉そうなオッサン教えてよ、ねぇねぇ――。
「下手な事をすれば首ポーンだ」
「一発で当たりになるからおとなしくしてます……」
と言うかこの時代にもそんなゲームあんのか?
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すまぬ……すまぬ……本当はお前と一緒に捕まるはずだったんだ……。
そこで俺が縄を抜けて、宴ぶち壊しのどさくさにお前があのねーちゃんを救い出すって作戦だったんだ……。
だって下手すりゃ死んじゃうからさ、な、わかるだろ?
誰だって死にたくないんだ、俺は楽して生きて人生終われたらいいんだよ。
ってか、誰が好き好んで他人の婚活に命かけてまで手助けするってんだ、
合コンかそれ相応の報酬を――って、PSポータブルのバッテリー充電してねぇじゃん。
鈴音んとこでコンセント使わせてもらうか。
んで充電中に別ゲーして……あぁ忙しくてかなわんなぁ。
「あぁ、どっこいしょ……ついでにスマホ充電もしとくか」
腹も減ったし、宴会中なら余りもんもあんだろ。
/
あのポンコツ忍者まで裏切るとは思わなかった……。
いや、ある程度は想像してたけどさ、ここって場面でやってくれると思うじゃん?
皆に注目されながら物置らしき所にぶち込まれてしまっていた。
この時代からすれば全く想像できないいでたちなんだだから当然か。
鈴音もあちらで初めて現代の服を見た時は興味深そうにしげしげと眺めていたな……あの時から全て始まったんだよな……。
鈴音……正直今の儀式だけでも胸が張り裂けそうだった。
今のあいつはどんな気持ちで、どんな顔でそれを行っているのか……そう思っただけで胸が痛む。
親戚の集まりのような席の中で父親と向かい合う、白無垢を着て酒を飲んでる鈴音の姿がチラっと見えただけだ。
それだけでも心苦しい。
「にびは居なかったな……」
「いるのじゃー……」
あぁこの気の抜けた声も懐かしいな。
あまりのショックで幻聴が聞こえているのか……。
「ここじゃ、ほれキュートな鼠がおるだろ?」
「薄汚いのしか見えない」
ピン九姉さんに鈴音の姿を見せてもらった時もそうだったけど、
空気が汚れていないせいなのかこの時代の月明かりって結構明るいんだな。
蛍の光を集めて勉強する話もにわかに信じられがたかったが、意外と出来るのかもしれないな。
生きて帰れたらやってみようか、またあの時みたいにキャンプして……。
この鼠を助けてネズミの王国に連れて行ってもらうのもいいな。
あれ見たら鈴音は驚くだろうな――。
「涙を流しておらんで童を見よと言うのじゃっ!!」
「へっ――マジでにび……なのか? 鼠に化けてるのか?」
「いや……何故じゃか分からぬが途中で術が切れたようでの。
童のトパーズが割れるわ、鈴音は連れ戻されるわで落ち込んでいたら
お主らの姿が見え、隙を見てハムタくんの身体を借りてここに来たのじゃ」
なのだとか言うのだろうか?
いやそれよりも身体を借りてってどう言う事なんだ。
「分からぬが出来たのだ。
元々視界を借りておるだけだったのだが、出来るかと思うてやってみたのなのだー」
「……」
「……もうしないのじゃ」
「うん」
「まぁ、縄を切ってやるから待っておれ」
ハムタ君の前歯で縄を切ってもらい、
内部の情報をうかがう事ができたのだが鈴音にはがっつり術がかかっているらしく
それを解くには、かけた本人か七姉さんが解くしかないようだ――。
もう一人いるらしいが、その人に頼むと莫大な請求がくるので候補には入れないとの事だった。
だがどうした物か……七姉さんがどうにかすると言っていたけど、三尾だったっけ?
それがどんな人か知らないし、六姉さんも忍者どもも今晩中にやっつけないといけない。
やる事が多すぎてどうして良いかわからない……。
だが仕事も同じだ、いくら多くとも個の集合体なのだ、一つずつ解決していけば終わらせることができる。
「信じたくない話なのじゃ……六姉様が仕組んだ事なんて……。
あの人は悪狐で無愛想であるが、優しい人のはずなのじゃ……。
七姉様に怒られて一人で泣いておったらよくこっそり手作りの飴やお菓子なぞくれたのじゃ……
あれはとても美味しかったのじゃ……」
「きっと何か考えあっての事だろう……楽観すぎるのは良くないが、悪く考えない方がいい。
それと三尾ってどんな人だ? 答えにくかったら良いが」
「あの人はえぇと――あれ、あ、あぁそうじゃ……
人嫌いな方での普段も狐の姿で引きこもって滅多に出てこぬ方じゃ。祈願に来ようとする者の記憶を消して近づけさせぬし。
我々姉妹にも来て欲しくなくてこうして記憶を消すのじゃが……。
思い出しながら探させる遊びをよくしておったが、あそこまでガッツリは消さぬ方じゃったはず……」
「そうなのか……でもあの人が関わっているなら」
「あ、あれ――今誰の話しておったんじゃっけ……」
これはにびがくるくるぱーなのでなく、三尾の能力のせいだと思いたい。
「え、ちょっちょっと何でっ!?」
「ど、どうした?」
「すすっ、鈴音の迎えがもう来ておるっ……ま、前倒しにしすぎじゃろ!!」
問題が更に追加されて雪崩を起こした気分だ……とりあえず迎えを阻止しなければっ!!
外から聞こえてくる声からすると――こ、今晩中に初夜も済ますだと!?
戦が近いからって端折りすぎだ。あれ、この時期ってもう終わってたっけ……?
あぁどうする、どうする……どのタイミングで出ていく――。
/
さて、こいつをどうしてくれようか――。
目の前に吊るされた三本の尾を持つ狐、妾の妹であるが今はそう思わぬ。
「妾がお主の潜伏先が分からぬと思うたか三尾よ――。そして妾に敵うと思うたか?」
「……ふんっ」
「罰を与える前に聞く――なぜかのような……にびを、にびを裏切る真似をした!!」
「……にびには悪いと思ってる。けど、この時でないと無理だと思った」
「何がじゃっ!!」
「……あなたがあの子を苦しめ続けたから」
苦しめた? それが何と関係しておるのだ。
「あの子は皆に愛され好かれて育ってきた、皆あの子が大好きだった。
……ただ一人だけ愛してないのがいた……あの子が本当に愛して欲しいと思っている人の愛を受けられていない。
……ねぇ、分かってる? あの子が時々一人で泣いてたの――何で泣いてたか、あなたはそれを知ってて与えなかった」
「……」
「……あの子は母に愛されるのを望んでいた。母親は己が母である事を隠し、我々の母に代わりを頼んだ。
……母も愛したがあの子は完全には満たされない。あの子はオサキ――九尾の子。でしょ……玉藻前」
「……」
「オサキは九尾の子と言う一部の偏見を持った人に恐れられた……。
心を痛め、遂にはあの子は己の身を呪い我が身を呪い、天や母様に私を消してくれと懇願した……。
誰もが不憫に思った……そしてある日、尾を二本失ったあなたが、美しい純白の尾を二本つけたオサキ
……新たに生まれ変わったにびがいた」
「だから何じゃと言うのだ」
「……あの子の尾は白から栗毛に変わり、完全に"にび"となった。けど僅かにオサキの記憶が残っていた。
……私たちは試したかった。あなたはあの子の為にどこまでするのか、己の嘘を明かせるのかと。
……この水晶の珠を割れば鈴音の記憶は蘇る。けど、にびのある記憶も蘇る――」
嗚呼、そういう事――か。
かのような物無くとも鈴音の術は解けるのじゃが、ここまでしたからには何か大きな事がある
他に理由があるかと思えば全くくだらぬ……何も分かっておらぬ者が言いたい放題言ってくれるわ。
確かににびは妾の娘じゃ、妾はかつての悪事により人に討たれた石となった。
それが、人の手によって割られた際、飛び散ったのが子として産まれたのじゃ。
傷が癒えるまで私は眠り続けねばならず、あの子を守ってやる事が出来なかった……。
今すぐにでもこの手で抱きしめてやろうと何度思うたか……。
だが天狐にそれを止められた。それにオサキは妾の憎悪も持っており非常に不安定じゃった……。
あの子もそれに気づいておった。だから優しい心根のあの子は消せと言うたのだ。
しかし、あの子の力は妾以上じゃ、暴走しては止められぬ。
だから天孤・空狐に手を借りてオサキの尾を切り力を消滅させた……。
我が胸で己を失う苦痛に泣くオサキを見て止めよと言いたかった。
そして……空っぽになったあの子に妾の尾と名を与えた……。
『二尾』として空狐の子の一人として生きる道を与え、妾はあの子の姉として見守ってきた。
代償として味覚と力の半分を失ってしもうたがの。ああ、力はにびに行ったか。
「はぁ、くだらぬ――妾の尾を与えたというのにどんくさくドジばかり。
そりゃ褒めるより叱る方が多くなるに決まっておろう。
空狐も妾ありきであの指示を出したのじゃろ、全く……」
「……は?」
「は? ではないわ、こんな回りくどく他者を巻き込むな。
一歩間違えれば土砂崩れ起こすのじゃぞ、それを分・か・っ・て・お・る・の・か・のー?」
「……これらは六尾が全部計画しました。私はただ記憶消してそう言えと言われました。私も被害者です」
「知らぬ、妾の敵に回る立場をとっただけで有罪じゃ。
それに、オサキの誕生日にやったトパーズまで割る事になったのじゃからな」
「……ちょ、やめてっそれホントやめて、お願いっ私他に何も知らない、あの石に守護の術かかってたのも知らない、
六尾は他に企んでるぽかったけど聞かなかったっ、これホント――!!」
さっきまでの威勢はどこに行ったのやら……ま、どんなに謝っても許しはせぬが。
――っ、全く水晶のかけらで切ったのか手が血がおるわ……はて、この割れておる水晶は何じゃったかの?
/
「申し訳ありませぬ、火急に済まさねばならなくなり――」
「いやいや、我々としても早い方が有難い。孫の顔が早く見たい物です」
「若君はまだ若うございますのでご休息も上手くいきますやら……」
にびは戻ったが、どうするべきだ……
出るのを渋る様子を見せるとか何とか言ってるけど、あの親父の様子だと今すぐに追い出しそうだぞ……。
鈴音がもう出ると言うが、仕方ない一か八か力づくでも鈴音を止めて……
刺されてでも鈴音をこの家から出さないようにするか。
よし――。
『鈴音っ待つのじゃ――っ』
『何奴っ!!』
『す、鈴音っ童じゃ――童が分からぬかっ!! お主を向こうへ、四百年先の世へやった狐じゃっ!!
のう、お主は本当にこれで良いのか、本当にお主の中におる者を忘れておるのか……?
共に暮らし想い合った者を忘れたか? 買い物に行った、夜の学校にも行った、キャンプにも行った、弘嗣の母に会うた……
他にも多くの事があったのを、皆で笑い合ったのを忘れたか? 頼む――思い出して……思い出してくれっ……。』
『こ、こ奴っ狐じゃっ尾裂狐じゃ!? き、斬れっ斬り捨てぇ!!』
『鈴音様っこの御堂がお守りしますっ急ぎお籠へっ!!』
多くの人が屋敷の中をバタバタと駆け回る音が聞こえる。
鈴音も止ないと……だが、先ににびを助けなきゃ……怒られても構わない、あいつが死んだりなんかしたらそれこそ――。
物置を出た時、鈴音が家を出で籠に乗ったのだろう、出立との声が聞こえた――くそっ……だがにびをっ
「おい、弘嗣――俺の縄を切れっ!!」
「何でお前が捕まってんだよっ!!」
物置を出たらすぐにポンコツ忍者が転がっていた……逃げたんじゃなかったのか。
俺を助けるためにやって来――
「コンセント探してたら見つかっちまったんだよ!!」
「この時代にあるかそんなもんっ!!」
やはりこいつは死ぬべきだ――。
「よし、縄を解いたら狐の嬢ちゃんを助けてやるっ!!」
「なっ……えぇいっ考えてる暇なんてないっ――よしっ本当に助けられるんだなっ?」
「おう、任せとけっ。俺のポータブルゲーム機にスマホ奪った奴をぶん殴って取り返したいからなあっ!!」
「そっちが本音だろっ――!?」
不安要素満載だがここは忍者を信じるしかない……。。
鈴音が向かった方は……車輪と馬の足跡からしてあっちか!!
待っていろ鈴音っ――今行くからなっ!!
/
「な、何ぞこの妙ちくりんな忍は――ぐあっ」
「てっ鉄砲じゃっ――鉄砲を持っておるぞ!?」
「下がれっ下がれーっ退く事覚えろカス共ーっ」
鉄砲ってもエアガンだけどな!! ちょっと違法改造されたのだから当たったら超痛てぇぞ!!
いやあやっぱAUGはいいなぁ、A1のフロントグリップのが好きだがこのA3の方が色々取っ付けやすいしな。
隠しておいて正解だった、ああーこの抵抗できない奴らを一方的に駆逐していくの超気持ちいいーーッ
「オラオラオラーーッ、俺のゲーム機はどこだぁっ!!」
『――痛だっ、わわ童の尻尾にも当たっておるのじゃっ!!』
尻尾のせいでヒットボックスデカいんだろうが、そんなの知ったこっちゃねぇっ!!
ま、どこに居るか分からねぇが、結果的に狐っ子を助けられたんだし、俺の私物取り返したらとっととおサラバするか!!
……何だ、そこの部屋に俺の私物あんじゃーん。
「そうはさせませぬ――」
あー……そう言えば、敵に妹がいたんだっけー?
狐っ娘はどっかにバックれてるしー、俺ピンチだしー。
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ポンコツが暴れまわる直前――童は凄くピンチじゃった。
周囲には刀を構えたおっかないオッサン達、焼き払って逃げる事も出来るが誰も傷つけたくなかったのじゃ……。
鈴音も元に戻らぬまま御車に乗せられてしもうた……このままでは間に合わぬ。
止めるにはもうやるしかない――そう思った時、周りの空気が冷たくなったのじゃ……。
武器を持った物は皆震え上がって腰を抜かした、ポンコツがエアガンを乱射したからではない、
あ奴はまだ向こうで撃ちまくっておる。
では誰か……いつも厳しくて怖いけど、童が困ったときにはいつもいてくれたあの人――。
怒れば目が赤く光り、無理難題を押し付けてくるおっかない人――。
でも……最後にはちゃんと褒めてくれた大好きな人――。
「遅くなったのう、にび」
「な、七姉様っ――」
いつもより目が真っ赤でピリピリしてて、歩くたびザシュッザシュッと音がしそうなぐらいおっかない状態だった。
でも……でも……童は駆け寄って七姉様に抱きついていた――。
「うっ……ひぐっ……ご、ごめんなさいっ……わ、童のっ童のせいでっ鈴音がっ……」
「お前のせいではない――お前はよくやった……おお、よしよし……」
嬉しかった。『よくやった』と言われた事が……どの姉様達に褒められる事よりも嬉しかった。
そして七姉様はとても暖かくて優しかった――ずっと欲しかったのが手に入った、そんな気がした……。
ずっと、ずっとこうしていたいと思っていた……のじゃが
「助かった――痛だっ、わわ童の尻尾にも当たっておるのじゃっ!!」
あのポンコツが乱射した弾が尻尾にベチベチ当たってぶち壊しじゃった。
何か妹がやって来たけど、童に助ける気はないからの――存分にシバかれよ。
それよりも、今は七姉様の懐かしいような温もりを堪能していたい。
しばらくして姉様は『鈴音を助けに行くのじゃが、そなたも行くか?』と言ってきた。
そんなの決まっておるのじゃっ――。
……ところで、どうしてあちこちにモルタルがついておるのですか?
/
悪路の中、馬を飛ばしておるせいか籠の中は特に揺れておった――。
直前まで父上と酒を酌み交わしておったせいか気持ち悪い……。
横には横井家の侍女が侍っておるが、
はてどこかで見た事があるような……見た事があると言わば先の狐とか言うのもそうであったな。
いやその前に、賊を捕えたとの報が入り、ちらりと見えた妙ないでたちのここでは似つかしき姿の男――何か引っかかる。
あれから好きな酒があまり飲めぬようになってしもうた……。
しかし、あとしばらくでご休息か……ついに私も嫁に行くのかと実感してしまう。
武士であるのをいつ止めたのか、いつ嫁に行く気になったのか分からぬが……。
殿方はどのような方であろうか……まだ若いと申しておったが。ああ、かのようなあのような事が……くふふ
――ってあれ、何ゆえ先ほどの男の顔に……。
ええい、違うっ顔はもっと知らぬがこう――ああ、何ゆえに同じ顔になるっ、しかも得体の知れぬ所であるしっ
「……それが本当の願い……」
「はっ……?」
「……心の奥底にあるもの……」
「い、一体何を……」
「…………全て思い通りにまるとは限らない……誰もかれも……それも人生………。
……三尾がこうも容易く敗れるとは想定外……私もかけてて正解だった……。
……思い通りなるのは誰か……ふふっ……私だけ……」
何を一人でブツブツ言っておるのであろうか……不気味な女子ぞ……。
それに外もやけに騒がしい『御堂殿っ、大変でございますっ!!』と伝令が来ておるようだが――
あ、あれっ――?
~今回の登場人物~
三尾
人と関わるのが嫌いで、記憶を消して人を近づけさせないようにしている。
何に悩んでいたか忘れてしまうので結果的に上手くいっている。
ゲームやパズル好き。ずっと引きこもってゲームしている。
体毛:黒毛 性格:根暗
尾裂狐(オサキ・二尾・にび)
にびの過去の姿。
「大人の姿を見れば腰抜かす」との言葉通りの美人。だが七姉さんにそっくり。
過去の記憶が若干残っている為、大人の姿もおぼろげながらも覚えている。
口調は親の影響。
玉藻前(九尾・七姉さん・本物)
七姉さんの本当の姿。尾を失った娘のオサキに尾を与えて今の七本になった。
娘を見守りたいので本当の七尾(今の九尾)と入れ替わっている。
七尾自身は尾はそのまま、直視すると目が痛くなるので誰も数えない。
九尾が殺生石となり、砕けた破片から犬神・牛蒡種・尾裂狐が生まれた。
殺生石は栃木県にある。




