第一話『古びた剣』
第一話『古びた剣』
「起きて下さい、ノア。」
窓から光が差す部屋の中、ベットに横たわる子供にメイドが声をかける。
返事はない。
メイドは光の無い無機質な目でそのノアと呼ばれた子供見るとその子の頬をつねる。
「痛い、イタタ!ソフィア姉さんなにするの!痛いじゃない!」
同じくこの家に使える使用人のノアは頬を抑えながら涙目で実の姉に抗議する。
「全く…今日はご主人様がお隣の国のアイスバーグからこのイースト国に帰ってきました。
…、さあ早く支度をして私を手伝ってください。もうご主人様は帰ってきましたよ。」
ソフィアはノアと同じ色の腰までかかる長い髪をふるうとドアノブに手をかけた。
「まって!姉さん!」
「なんですか?」
「ご主人様が帰って来たってことは外の国から帰って来たってことでしょ!?ボク、興味があったんだよ!
お話もそうだけどお土産とかあったら欲しいな!」
「…。」
ソフィアはそれに対し何も返事をせずに部屋の外に出る。
はあ…ボクってすごくテキパキと仕事をする姉さんと比べると何の特技もないしこうやってついつい寝坊しちゃうし仕事もできなくて失敗ばかりだなあ…。だからあんまり姉さんも相手にしてくれないしボクだけ外に出してもらえないのかなあ。ボクは小さい頃大きな事故で生まれてからの記憶がなくて姉さんと二人身寄りのないところをご主人様に拾って育ててくれたお礼をしたいんだけどねえ。
でもねボクだって誇れる点はあるよ!
みんなに比べて感情豊かで明るいってご主人様は言うんだ!
でも逆に相変わらず姉さん無表情で人形みたいだなあ…前から思ってはいたんだけれどもここに仕えているメイドさん達みんなもお姉さんと同じような雰囲気なんだ。
そう言えば、ご主人様はとても優しいんだけどボクやメイドさん達を一切外に出してくれない。でも最近時々メイドさんがいなくなっちゃうんだよね。
ご主人様以外の屋敷の屋敷の人もなんか本に出てくる人たちみたいな人間味がないっていうかなんか不気味な雰囲気を前から感じてたけど最近はなんか顕著に感じるんだ…。
「でもそれよりご主人様のお土産楽しみだなぁ…!、ん?なんか姉さん落とした?」
外の国に出たことのないノアは身軽にベットから飛び降り床に落ちたものを拾う。
紙のようなものだろうか。ひっくり返すと何か文が書いてあるようだ。
【ソウコ、ツミ、モノ、レイルス】
と途切れ途切れに暗号のような分が書いてある。最初と最後の文字の意味はノアにはわかった。
ソウコはこの館につながってる倉庫のこと、レイルスはご主人様の名前だ。
ツミとモノ…?
「あ、分かった!倉庫にお土産を積み込んだのかも、だってご主人様自分でまずあそこに毎回置いてるもんね。そういえば、ここの窓から屋根伝いに行けば倉庫に降りれるんだよね、どうせなら先に見てみよっかな!」
動きやすい服を手に取るとカーテンを一気に開き窓を開けるとベットの下から運動靴を取り出した。
「姉さんにここにいるなら、あんまり男の格好をするなとは言われてるけれどそうは言われてもねえ。」
一気に寝巻きから薄い半袖のシャツと半ズボンを履いて、皮でできた丈夫な靴を履くとあたりを見回しながら窓から明るい陽射しの照る外へと体を乗り出した。
「へへん!ここの穴から中に入ってあらかじめいじっといた荷物を足場に中に入ることができるのだ!
我ながらこれはよく見つけたものだね。…けほけほ、姉さんに怒られたときとかよくここに隠れていたけれど相変わらずここは薄暗いし埃っぽいなぁ…。」
ノアはひそひそ声で独り言を言いながらやっとのことで足を床につける。
(ええと、どこだろう?目新しいもの、目新しいものっと)
こうして先にお土産が気になって先に目を通すことはこれが初めてではなく、ご主人様が外国に行った後に
ほとんど毎回行っている行為であった。
しかしパッと見まわして見たものの目立ったものがない。
「おかしいなぁ、いつもなら大きい袋に入った荷物がいくつもいくつもあるのに、仕方ないあんましここにいるとバレちゃいそうだから戻ろっかな、…っ痛!」
このまま戻ろうと思った途端何かに躓いた。
悪態をつきつつ膝をつき、丁度荷物と荷物の細い道を膝のあたりで妨げるようにおかれた細長い白い包みをつかむ。
「ん?こんなの下に落ちてたっけ?あれ?なんか書いてある?」
【 ハイスイコウ 】
「何の意味だろう?まあいいや!」
ノアは気になり包みを巻いている紐を解いて縛られていたその紙切れを下に置いて包みを開くとと錆びついたボロボロの剣が出てきた。
「なにこれ?なんか刃が欠けててもうかなりの年季が入ってるみたい。うーん、どんな素材でできてるんだろ
すごく軽い…あ、この柄にある青い宝石、きれい!ボク結構石とか好きなんだよね。
もしかしてご主人様これを今回ボクにお土産として持って来たのかな!!」
そうして思わぬ収穫にはしゃいでると外から足音が聞こえる。…ソフィア姉さんかな?とノアは思ったがすぐにそれは彼女のものではないということがわかった。
足音からすると複数人、そして甲冑が動く時になる金属音。ここからすると家の警備だろうか?
そこまで悪いことしたかなと思ったが不意に倉庫の扉が乱暴に開き大人数の鎧を着た人たちが入って来た。
警備のものではない、どうやら王国から派遣された兵士か…?すると一番前に立った女騎士が声を張り上げた。
「レイルス家の使用人ノア!王国から国宝窃盗罪の容疑で逮捕状が出ている!!」
次回の更新に至っては先ほど述べました通り3,4日に2話目を投稿したいなと考えております
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