第十二話(最終話後半)『救いに来た勇者』
第十二話(最終話後半)『救いに来た勇者』
空高く大きく翼を広げて飛ぶ大きな鳥、ノアはハーピーに変身し辺りの景色を眺めていた。
遠くに大きな緑の山とその反対側には大きな海が見えた!きっとあそこの海辺に面したとこにアイスバーグの港があるんだね!随分遠いかも!
そして視線を下すと見たことのないようなとても大きな町の中心に巨大な建物があった。
これがさっきのお城なんだね!ボク達が出た部屋はいくつかの塔のうちの一つでだったみたい。
うう…!でも体がすごく冷えるなあ…!
「すごいねえ!これがアイスバーグのお城、なんか、すご、…大きい!ハ、ハックション!でもここすごい寒いね…!」
「ノア高度を下してください!高すぎですよ!それに制限時間もあるんすからね!?…まあどうやらこの前とは違ってそのバカ面から正気を持っているのがわかって安心しましたけど、てか汚ねえっすよ」
「うぅ!、手がこれだから上手く鼻水ふけないんだってぇ!」
だがその風景を堪能していたがカエサルにそう怒られて高度を下げる。
確かスミスおじいさんが言ってたのは飛び立った当から見て月の方とは逆方向にに立ってる塔に行けって言ってたっけ?
いくつもあるから分かりづらいよぉ…。
「ノア、あの前にある鐘のある塔のことじゃないっすか!?」
ある程度高度を下げて辺りをきょろきょろしているとカエサルが見つけたようだ。
ボクは顔をそちらに向けると丁度目の前に他の塔とは違い一切窓のついていないがてっぺんから少し離れた位置に鐘のついた一番高い塔が見えた!
もしかしてあれかな?
「でも、じいさんあの最上って言ってたけど窓が全くないから入りようがないっすねえ、これはつんだか…」
そう言ったカエサルの声は低かった。折角目的の塔を見つけたが入る手段がない、確かにこれはどうしようもないね…
と思っていたら不意にあるものが目に入りあることをひらめくと、ニコッと笑ってボクはカエサルにこう言った。
「…カエサルの力ってなった事ないものでも見てイメージすれば本当になんにでもなれるんだよね?」
~
紅狐は、さっそうと城外を走り回り騎士から逃げていた。
どうやらこちらと違う訪問者が先に侵入していたらしい。
不意にあとを追いかける騎士が立ち止まり口々に声をあげ、上を見上げているのに気が付いた。
「!?これは一体…!」
紅狐が顔をあげた途端、凄まじい音とともに大きな鐘が塔の先端に激突し粉塵をあげているのが見えた!
思わず口が少し開き尻尾が逆立ったがすぐにニコッと不敵な表情を浮かべて呟く。
「ふふ…だけどこれはまた面白いことになってるじゃん…!」
彼女はそのまま機嫌良さそうに笑いながら頭の後ろに手を組んだ。
~
「この大馬鹿野郎!でもよくやった!」
カエサルはその鈍器のような体でボクの背中をたたくと賛辞の言葉をあげた
「カエサル!ボクを殺す気!?」
背中をさすった後カエサルに怒鳴る。ボクの変身は解けていた。確かにカエサルの言う通り無理をした。まず、ボクはハーピーで加速し、その後ぶつかる手前であの時計台の鐘に変身して頑丈な体であの塔の壁を壊して中に入ったのだ!
まあ、凄い運が良い事に体は全くの無傷だった、カエサルに殴られたとこ以外はね!
スミスおじさんの言う通り鐘から離れた塔の先端の中身には部屋があった。目をこすると一人の少女と目が合う。
黒い髪を真上に近い位置に後ろに縛りぱっつんとした前髪から覗く目は藍色の美しい瞳をしている、そしてその整った顔立ちや体格を見るととても幼く年は10、11くらいと行ったところかな。
きょとんとしてこちらをじっと見る姿は小動物に近いものを感じさせられる
そしてその姿と見合う見たことのないくらい綺麗な服、これはご主人様のお土産の絵で見たことがある!
もしかしたらこの子はアイスバーグのお姫様なのかな!
そう思いニコッと笑うと元気よく本で読んだ碧眼の勇者が姫を助けた時と同じ台詞でそのお姫様に話しかけた。
そして後ろから差す白い月の光に気づきその満月を指さしながら
「あ、君が捕われの姫なんだね!こんな狭いとこなんかにいないで外に出ないかい!?」
「…。」
捕われの姫はその言葉に対し震えると先ほどまできょとんとしていたが急に震えだし涙を流し始めた!
え!?ボクなんか変なこと言っちゃったのかな!?
「あれ?なぜ泣いているの?」
とりあえずその子に聞いてみたけどよくよく考えてみればまあ、あんな入り方したら確かに怖がって泣いちゃうよねえ、特にこんな小さい子だもん。
そうちょっとどうしようかと困っているとお姫様は口を開いて小さいかわいらしい声でこう言った
「外に、出たくて…。」
ボクは思わずニコッと笑った、やっぱりこの子もボクと同じなんだ!外に憧れを持っていたんだ!
「じゃあ、行こ!捕われの姫様っ!あ、忘れてたボクの名前は…!」
名前を言い忘れてるのに気が付いてごまかして笑った後、その捕われの姫に近づき彼女に手を差し出して言う。
「ノアだよ!」
捕われの姫はその名前を聞くと初めてニコッと笑いかけた。その笑顔はお姫様というよりはその年相応の可愛らしさがあった。そして白く透き通った肌の見える手でその手をつかんで今度ははっきりとした声でこう言った。
「私はエルリア、私ずっと、待ってたの…!外へ連れて行ってくれるあなたのような人を!」
捕われの姫、いやエルリアの涙が恐ろしさによる涙ではなく嬉しさや感動の涙であるとボクは分かると、その手をそのままこちらへ優しく引き手を離した後再びハーピーへと姿を変えて彼女に背を向ける、エルリアは最初びっくりして少し後ずさりしたが無言でうなずくとその背中にしっかりと抱きついた。
それを確認したノアは地面を一気に蹴ると目の前に見える大きな満月に向かって飛び出した!
そして顔の近くに見えるエルリアと目が合った。その目には涙はなくただ美しい宝石のように輝いていた。
エルリアはこちらを見て頬を赤く染める。そしてボクはニコッと笑いかけこう言った。
一章最終話を投稿させていただきました!
読んでくださった読者方々、応援してくださった方に心から感謝の言葉を述べたいと思います!
今回のお話ですが初めてヒロインのエルリアの名前が明かされます。
そして同じ出来事ですがプロローグのエルリアからの視点とノアから視点を対比させて書かせていただきました。
最終回と言いますがまだルテンの剣はまた投稿させていただく予定です!
しかしストックが追い付いてしまいそうなので再び貯まり次第再び投稿したいなと考えております。
今回の章はまだ冒険の準備段階に近い感じで次章からは世界を周る冒険譚のような物語を書ければなと思っています!
ここまで読んでくさりありがとうございました!
最後に2,3カ月後もしくは早ければそれ以内に次章を投稿させていただきたいなと思います!
人物紹介に関しては追ってまとめさせていただきたいなと考えております(遅




