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『顔なし姫』が望む幸せ

リリアンヌのリガルド国行きが決定してからは、毎日がめまぐるしく過ぎていった。

リリアンヌがこなしていた公務の引き継ぎや連れて行く侍女・従僕の編成、国内外への通知など忙しい日々を送った。公の場に顔を出す機会も増え、リリアンヌは少しずつ外の世界に慣れ始めていた。しかし、せわしなく日々が過ぎるのに比例してオーウェンとも会えない日々が続いた。彼もリリアンヌを受け入れるにあたり仕事が増えてしまったのだろう。王宮で彼を見かけても、彼はいつも難しい顔で文官達と何かを話している。リリアンヌにはそれを見守ることしか出来なかった。

忙しく日々が過ぎ、とうとう出立を明日に控えた夜。その来訪者は突然やってきた。

「リリィ様、リガルド鄕の妹君様がお見えなのですが・・・・・・」

「えっ?」

もうすぐ夕焼けも己の裾を引き夜の帳が下ろされる時刻。突然の来訪にリリアンヌは驚きながらも通すよう伝える。

セリーヌの案内でやってきたオーウェンの妹だという女性は、部屋に入るなり美しい所作で礼を取った。

「お初にお目にかかります、リリアンヌ王女殿下。私、オーウェン・リガルドの義妹ドロシー・リガルドと申します」

――あら?この方もオーウェン様と共に馬を駆り二日でイシュトシュタインに辿り着いたと聞いていたのだけど・・・・・・

燃えるような豊かな赤毛は丁寧に巻かれ、彼女が微笑むのにあわせてふわりと揺れる。透き通るような白い肌に子猫のような金緑の瞳。紺のしっとりとしたドレスに身を包んだ彼女は、どこからどう見ても儚い深層の令嬢だ。

「初めまして、ドロシー様。今回の事件では妹君であるドロシー様にも多くのご協力を頂いて本当に有り難うございました。こちらから挨拶に伺うべき所を、申し訳ありません」

彼女はリリアンヌが直接会ってお礼を言いたかった人の一人だった。国を発つための準備が忙しく、時間だけが過ぎてしまったが。

「いえ、王女殿下のお力になることができ嬉しく思っていますわ。特にあのお義兄さまを変えて下さった王女殿下にはこちらからお礼を言いたいくらいで」

「え?」

「いえこちらの話ですわ。それはそうと、あの会談の後お義兄さまとはお話しされました?」

「い、いえ」

食い気味質問にリリアンヌがたじろぎながら答えると、ドロシーは盛大にため息をついて見せた。

「で・す・わ・よ・ねぇ。あのお義兄さまがそんな頭が回るはずありませんものねぇ・・・・・・はぁ」

あまりにも落胆の色を見せるので、彼女が何故だか可哀想になってくる。

「あの、なんだかごめんなさい。紅茶がお好きだと聞いているのだけど、それを飲んで元気を出して」

丁度茶器を持ってきたセリーヌが視界に入ってそう声をかけると急に目を輝かせた。

「頂きますわ!」

居住まいを正し、先ほどまでの大人っぽい雰囲気が一転うずうずと頬を高揚させ子供らしい表情を見せるドロシー。妹がいたらこんな感じなのかしら、とほっこり思い微笑むと、リリアンヌは手ずからドロシーのカップへ琥珀の液体を注ぎ込む。ふわりと立ち昇る湯気と豊かな香り。目の前に座るドロシーが猫のような丸い目をさらに丸くして瞳を輝かせた。

「素敵な深い香り…!」

「ふふ、イシュトシュタインでも希少な茶葉ですわ。少し熱めの湯で淹れるととても香りが引き立つのが特徴です」

どうぞと勧めると、ドロシーはカップを大切そうに持ち上げ、ゆったりと香りを楽しむように目を伏せる。そして一口含むと、それは幸せそうに目を細めた。頬を薔薇色に染め、幸せそうに口元を綻ばせる。

「香りに負けない深い味ですわ…初めて飲む紅茶です」

「お口に合って良かったですわ。茶葉を集めて飲み比べたり、美味しい飲み方や合わせ方を考えるのが趣味なのです。また機会があれば、お茶会をしませんか?お勧めのお茶を沢山用意いたしますわ」

「まああ!なんて夢のようなお誘い・・・・・・!毎日でも大使館にお邪魔させて頂きますわ!」

子どものようにはしゃぐ様子に傍に控えていたセリーヌもくすり笑い、茶菓子も勧める。それにも目を輝かせて頬張る彼女はとても可愛らしく、リリアンヌは温かい気持ちでその様子を見守っていた。しかし一通りの紅茶談義を終え注がれた紅茶を全て飲み終えた所で突然ドロシーがはっとした表情となる。慌てたようにカップをソーサーに戻すと、意を決したように口を開いた。

「・・・・・・あの。お義兄様とリリアンヌ様はどのような関係なのですか?」

「どう、とは?」

突然の質問にどきりとする。彼のことを考えると、切なくて、胸がきゅっとなる。そして、今一番会いたいひとだ。しかしその思いは誰にも明かしていなかった。

「お義兄様が女性の事であんなにも必死になったのは初めてなのです。お義兄様は美女と一晩閉じ込められても手を出さない鉄壁の理性をお持ちと噂されるくらいでしたから、久しぶりに顔を合わせて驚きましたの。もう、王女殿下のことしか考えていないのですもの」

ボイル侯爵の縁談を受けたという知らせに、オーウェンの顔は一気に蒼白になったという。女王になるつもりではとドロシーが告げると、憤りを隠さず即座に否定したらしい。知らない所での彼の様子に自然と頬に熱が集まってくる。

「あのお義兄様をどうやって虜にしたのか。私、とっても気になっていましたの」

身を乗り出して尋ねてくるドロシーに、少し身を引きながらリリアンヌは答えた。

「・・・・・・・オーウェン様とは、あの方がイシュトシュタインを発たれる前の夜に一度だけ顔を合わせただけなのです。それまでは、他の縁談者の方と同様衝立を挟んで顔を見せずお話ししました」

「えっ、それだけ?」

「ええ。ですがオーウェン様は今までの縁談者とは全く違う方でした。顔を見せない私を咎めることなく、楽しいお話を沢山して下さって。とても誠実で、心の綺麗な方で・・・・・・」

オーウェンを褒める言葉が次々と浮かび、だんだん恥ずかしくなってくる。

「オーウェン様とは、ただそうしてお話をしました。そして離宮の火事の時も、今回の事件でも、あの方は私を命の危険を侵してまで救って下さった恩のある方ですわ」

彼のような人と出会えたことは奇跡だったと感じている。生きる意味を、外の世界を教えてくれたオーウェン。後にも先にもオーウェンのような心優しい人には出会えないだろうと思えるほどに。

「こころ、ですか・・・・・・」

そう呟くと、ドロシーは納得したように何度も頷く。その様子にリリアンヌは首を傾げていると、ドロシーはにっこりと微笑んで見せた。

「王女殿下のようなお方と出会えたお義兄さまは、本当に幸せ者ですわね」

「え?」

「・・・・・・お義兄さまは、恋愛の方面に少し気難しいのです。お義兄様のお母様・・・・・・元首の前妻にあたる方ですが、この方がとても自由奔放な方で。さる商家のお嬢様で対面や見た目ばかりを気にする方だったそうです。ほとんど家に寄りつかず、お義兄様は乳母に育てられました」

初耳だった。思えばオーウェンの身の上などリリアンヌはほとんど知らない。彼が抱えている事情も、何も知らないのだ。

「毎日遊び歩き、ある時突然の事故で彼女はお亡くなりになりました。お義兄様は、決して泣かなかったそうですわ。それからでしょうか・・・・・・お義兄様が、一段と女性を避けるようになったのは」

元首の嫡男であり、異例の出世で騎士団副団長まで上り詰めた青年だ。人柄も良く国民からも慕われており当然縁談も多かったが、オーウェンは頑なに拒否していたという。

「見た目や権力、財力に群がる者達をお義兄様は一番嫌っておいででしたわ。今回の件も、そのようなものに振り回され続けた王女殿下を黙って見過ごせなかったのでしょう」

「そんな過去が、おありだったのですね・・・・・・・」

胸の奥がまたきゅっと締め付けられる。彼に会いたい。会って、見た目ばかりで判断する者ばかりじゃないと伝えたい。私は、貴方の――

「優しい心が、好きなのに」

思わず呟いてしまったあと、はっとして口を押さえる。すると目の前のドロシーも傍に控えていたセリーヌも息を合わせたようににんまりと笑った。

「・・・・・・今の、聞きました?」

「ええ、ドロシー様。このセリーヌ、この耳ではっきりと聞きました」

「えっ、あの、待って違うのです!私は」

顔を真っ赤にして慌てて否定する。助けて貰った身でその上好きなどと、おこがましすぎる。もう穴があったら入りたい気持ちで弁明しようとしていると、ドロシーがふと真剣な表情に戻った。

「王女殿下。――いえ、リリアンヌ様」

ドロシーはリリアンヌの手を両手でしっかりと包み込む。

「お義兄様にはきっと、貴女のような方が必要なのです。どうか、貴女の気持ちを伝えてあげて下さい」

「でも、私など・・・・・・」

「お義兄様は、リリアンヌ様の幸せを願っていますわ」

だから。

「貴女が幸せだと思うことを、お義兄様に伝えてみて下さいな」

そう言って微笑んだドロシーの表情は、血は繋がっていないはずのオーウェンによく似た温かさがあった。



* * *




月と星々の光だけがあたりを照らす宵闇の中、リリアンヌは一人歩を進めた。

南の庭の外れにある四阿へ伸びる一本道。向かう場所まで道を違えぬようにか、両側を縁取る陽の光を待ち望み少し頭を垂れた花々で埋め尽くされていた。夜の花々の様子は初めて見るが、いつも咲き綻んでいる者達が急に萎れて見えて少し寂しい。

――早く、会いたい。

この道の先にきっと待っている。月の光と暗闇が見せる寂しい夜の一面は彼の人への思いを募らせた。リリアンヌは羽織っただけの外套の前を掻き合わせると、足を運ぶ速度を少し速めた。

ドロシーに南の四阿へ行くよう告げられ、リリアンヌはほのかな期待を胸に秘め部屋を飛び出した。夜の風は少し冷たかったけれど、そんなことは些末なことに感じるくらい彼に会いたい思いは大きかった。

「・・・・・・ここ、かしら」

暗闇の中に浮かぶ白亜の四阿。屋根が見えてきたことにほっとしながら、視線を巡らせ人の姿を探した。長身の、すらりと伸びた彼の姿はすぐに見つけることが出来た。

「――・・・・・・」

しかし、すぐに声をかけることに戸惑った。遠くを見つめる、月明かりに照らされた彼の横顔。いつも優しい琥珀色の瞳は少し細められていて。顔も見せない少女を命がけで救い、生きる希望を与えてくれたひと。ただ名前を呼ぶだけなのに、こんなにも鼓動が高鳴る。

「オーウェン、さま」

一音一音、大切に。宝物みたいな単語を口にする。すると思い人はすぐにこちらへ振り向いた。

「リリアンヌ様」

ふわりと。あまり表情が変わらない彼の、口元を綻ばせた笑顔。

――ああ、これが。

『愛しい』という気持ちなのだ。

胸がきゅんと締め付けられ呼吸がままならない。それでも彼の笑顔を見られたことが嬉しくて、彼の傍へと急ぐ。

「こんな夜更けに、こんな所まで・・・・・・すみません」

申し訳なさそうに首を傾げる彼に、リリアンヌは慌てて首を横に振る。

「いいえ。・・・・・・私も、お会いしたかったから」

「・・・・・・少し、歩きませんか」

お手を、と差し出された左手。緊張しながら手を乗せると、夜風が冷たい中待っていたはずの彼の手はとても熱くて。思わず彼の顔を振り仰ぐと、視線を四阿の外へ逸らした横顔が暗い中でもはっきりと分かるくらいに赤く染まっていた。

オーウェンに導かれるまま、来た道とは違う道を歩いて行く。どこに向かっているのか、リリアンヌには見当が付かなかった。

「・・・・・・?」

「着きました。・・・・・・これを」

彼が指を差す方に視線を移すと、そこには白い光を浴び、一段と輝く花の姿があった。こぼれ落ちそうな光の灯火。触れれば消えてしまいそうな、儚い花。

「この花は?」

「月下美人、というそうです。月の下でしか咲かない、夜の花」

「とても綺麗・・・・・・」

「夜、城を見回っていた時に見つけたんです。貴女に、見せたくて」

こんな時間に呼び出してしまいました、と照れたようにはにかむオーウェン。リリアンヌは握りあった手にきゅっと力を入れる。

「嬉しいです・・・・・・何もかも、本当に有り難うございます」

すると、オーウェンがそっと指の腹でリリアンヌの目元をこすった。何故、と問おうとすると、すぐに理由に気がついた。自分は、涙を流していたのだ。

「勝手にリガルド国行きを提案したことを、少し後悔していました」

「え?」

「王の間で、貴女はとても不安そうな顔をしていました。貴女の気持ちを確認すべきだったんです。国を離れたことのない貴女が、不安になるのも当然です」

「オーウェン様・・・・・・」

ひとつ、またひとつと流れる涙を、オーウェンは丁寧に拭ってくれる。負傷した右腕はやっと動かせるようになったのか、どこか動きがぎこちない。

「でも、貴女を継承権争いから守るにはこの方法しか思いつかなかったんです。それに・・・・・・貴女に、俺の国を見せてあげたかった。世界を見せてあげたかった」

まだ衝立を挟んで話をしていた頃。リリアンヌはふと、この国から出たことがないと話したことがある。外の世界を見てみたい、とも。それは、心のどこかでここから連れ出して欲しいという願いの表れだったのかも知れない。オーウェンは、生きることを諦めていたあの頃のリリアンヌの願いを叶えようとしてくれている。

「前日に、俺は陛下の所へ行きました。貴女のこれからについて話をするために。・・・・・・貴女が女王を望まないとはっきり口にしたら、彼女を自由にして下さいと」

「私を自由に?」

「貴女が望むように、生きる道を選べるように。ただ、あまり多くを選ばせて差し上げられなかったけれど」

申し訳なさそうに俯く彼に、リリアンヌは慌てて彼の袖を握る。違う。彼は、リリアンヌが一番望む道を与えてくれた。

「・・・・・・私は、貴方の傍に居たい」

「えっ・・・・・・?」

オーウェンが目を丸くしてこちらを見る。琥珀色の瞳に映る自分は、目を潤ませ、ゆでだこのように真っ赤だ。心臓が大きく音を立てて、握った手から伝わってしまうのではないかと心配になる。恥ずかしい。苦しい。でも、伝えたい。

「私はオーウェン様に『生きる意味』を教えて頂きました。貴方が語ってくれた世界を見てみたい。誰かのためではなく、自分のために生きてみたいと思えました。・・・・・・全て、オーウェン様のおかげです」

「そんな。俺はただ、貴女に幸せになって欲しかっただけで」

「・・・・・・そんなことを言ってくれたのは貴方だけですわ」

握った手を両手で包み込み、そっと頬に引き寄せる。

「大使でも、どんな形でも良いのです。私は、オーウェン様の傍で色んな世界を見てみたい」

「リリアンヌ、さま」

「・・・・・・好き、です。オーウェン様」

二人の間に沈黙が落ちる。それは一瞬のようで、とても長くて。リリアンヌは聞こえなかったのだろうかと焦り、もう一度口を開く。

「私、オーウェン様のことが――・・・・・・っ」

その瞬間、リリアンヌは力強い腕の中に居た。頬に当たる少し固い軍服の生地。耳に伝わる早い鼓動。香ったのは、いつも安心させてくれたオーウェンの香り。

「貴女という人は・・・・・・っ」

ぎゅ、と抱きしめられる腕に力がこもる。

「どうしてそう、可愛らしいことばかり言うんだ・・・・・・俺は、どうしたら良いか分からなくなる」

掻き抱くような抱擁は少し苦しかった。でも、その苦しさが心地よい。おずおずと背中に手を回すと、オーウェンの身体がびくりと強ばる。しかし少しして、オーウェンはふっと力を抜きリリアンヌの髪に顔を埋めた。

「俺は、他の王子や貴族のような優雅さも権力もない。美しくもない。ただ戦うだけしか出来ない、貴女への贈り物ひとつも満足に考えられない男です。何故、俺なんか」

「私は、オーウェン様の外見や権力に惹かれたわけではありませんわ」

思いが彼の心の奥に伝わるように。リリアンヌはオーウェンの胸にそっと頬をすり寄せて囁いた。

「命を賭して私を救って下さった、生きろと言って下さった優しさと心の強さ。最後まで私を信じて下さった、誠実さ。私はそんなオーウェン・リガルドという方を好きになったのです」

もちろん戦う凛としたお姿もとっても素敵ですけれど、と付け加える。するとオーウェンはリリアンヌの肩に手を置き、ゆっくりと身体を離した。

「・・・・・・俺も」

「はい」

「・・・・・・貴女の、綺麗で聡明な心に、惹かれました。誰かのために必死で生きている姿を見ているのが辛くて、どうにか救い出したかった」

優しい彼の手が、リリアンヌの頬を包む。伝わってくる熱が、鼓動が重なって1つになっていく。

「俺も貴女が好きです、リリアンヌ様」

「・・・・・・私、リガルド国のこと、沢山勉強します。貴方を支えられるくらいに、立派な大使になれるよう頑張りますから・・・・・・」

「いや、俺の方こそ。貴女のような聡明で美しい方に並び立てるような男になれるよう、頑張らないと・・・・・・」

それからはお互いがお互いを褒め合うような形になって、思わず二人で吹き出した。

幸福で心が満ちて、体中がぽかぽかと暖かい。リリアンは心から溢れる想いを、そのままそっと唇に乗せた。

「・・・・・・大好きです、オーウェン様」

満面の笑みを浮かべて告げた言葉に、オーウェンは一瞬動きを止めた。どうしたのだろうと首を傾げると、オーウェンの手がリリアンヌの細い頤に添えられた。

「・・・・・・貴女だけは誰にも、渡しません」

そう言って微笑んだ彼の顔がゆっくりと近づいて、リリアンヌの顔に影を落とす。

応えを瞼に秘めて、リリアンヌはそっと瞼を閉じた。

月光が照らす月下美人の咲く庭で。伸びた影が、ゆっくりと重なっていく。



――誰にも顔を見せなかった顔なし姫は、運命の騎士によって呪いを解かれ、幸せに暮らしました。



そんな童話がイシュトシュタインとリガルド両国で流行するのは、あと少し先のお話。










最後まで読んで頂き、有り難うございます。『顔なし姫』、いかがでしたでしょうか。

体面とか権力とか容姿とか、そんなものに惑わされることなく惹かれ合う二人。

初々しくてこちらが赤面しそうになりながらも、書き上げることが出来てほっとしています。・・・・・・実は、この二人のその後のお話も、あったりします。まだまだぎこちない二人の後日談も、追々皆様にお届けできればと思っています。

では、またどこかの後書きでお会いできることを祈って。

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