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白
大変ご無沙汰しておりました。
短い言の葉ですが、皆様に少しでも、癒しが訪れますように……。
穢れの無い――白は、よく、そう言い表されます。
確かに、純真で、無垢で、綺麗で……と、そういった言の葉や感情が当てはまるのは、私にも分かるものがあります。
けれども。
もっともっと、多くの思いが、そのまっさらな色には宿されているようにも――感じるのです。
たとえば、眩さ。
瞼をひらいた瞳に射し込む、白き陽光の鮮烈さ。
たとえば、癒し。
病む処に降り注ぐ、優しく温かな、白光の治癒魔法。
そう……たとえるのなら。
いつの日か空より舞い落ちてきた、あの魔力を宿した白羽のように。
威厳と、希望を、併せ持つような。
すべてを心地よく染めて行く、祝福に似た力さえ、宿しているのではないかと。
私は、そう思うのです。
――願わくば、どうか。
私たちがおくる言の葉のすべてに、この白のような力が、宿されていますように。
私たちの祝福がすべて、等しく。
白き癒しと、希望の力に、満ちていますように――。




