空
青天、蒼穹。
今日の空は、いつにも増して晴れ渡っています。
思わず吸い込まれそうなほどの、青。
遠くは淡い水色。
少し近づくと澄んだ薄青。
真上は太陽に照らされて、黄金が煌いています。
昔、空にどのような言葉を思い浮かべるか? と、育ててくださった神官の方から問われたことがありました。
当時の私は空を見上げ、色々な言葉を思い浮かべたものです。
青、天、雲、虹、などの、単純なもの。
雄大、高み、などの、連想させるもの。
癒し、慈愛、浄化、などの、与えられるもの。
優しさ、信頼、誠実、などの、感情と呼べるもの。
そうして当時導き出した私の答えは、憧憬、と言う感情でした。
空は、いつの時も私たちの頭上で、私たちを見守っています。
子どもも、大人も、傷ついた者も、死に逝く者も、皆等しく。
静かに見つめ、そしてその青さ、輝きで、多くの者たちを癒すのです。
病める心には安らぎを。
凍える体には温もりを。
それはまさしく、私たちが生きている方々に与える、祝福に他ならない。
あの問いがあった日から、もう何十年も過ぎた今でも。
私はなお、空に憧憬を抱いています。
私も、空のように在りたい、と思うのです。
高みである必要はありません。
ただ、空が降りそそがせているほどの、祝福を。
空に負けないくらいの祝福を、多くの生者におくりたいのです。




