【異境の体育館】
「うわっ何このボールの数」
峰ヶ崎は言った
『たしかにこの量は…』
正門ルートチーム神代、峰ヶ崎、香川は体育館に来ていた
そしてその体育館に敷き詰めるように床一面にバスケットボールが落ちていたというよりも逆に整理されていたような形になっていた
『ま、まぁとりあえず全体を回ってみるか…』
「そうね、調べなくちゃいけないんだし」
『それじゃあ…まずは更衣室から調べたほうが…』
「どっちの?」
『もちろんそりゃあ夢の女子更衣―――』
「男子から調べようか?ん?」
指をバキボキ鳴らして峰ヶ崎が言う
『はい…』
神代は従うだけだった
そしてバスケットゴールの下を通りかかった時
「わっ」
バスケットボールの上を歩いていたせいか躓いたのか峰ヶ崎が声を上げる
それを聞いて神代は『大丈夫ですか?先輩』と声をかけようとしたが
そこに峰ヶ崎 美緒はいなかった
『先輩?………』
「さっきまでここにいたよ…ね?」
『あぁ…』
神代は頷きながらそう言っていると神代達の上にあったバスケットゴールから一枚のメモがヒラヒラと落ちてきた
『?何だこれ?』
神代はそのメモ用紙を拾った
そこにはこう書かれていた
【異境の体育館】
〔体育館のバスケットゴールの下で転ぶと消える〕
汚く読みづらい字でそう書かれていた
『ってことは…峰ヶ崎先輩はこの怪異に巻き込まれた?』
そして峰ヶ崎は二度と彼らの目の前に現れることはなかった