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地下の陣法――淀屋橋・鉄路の指令

淀屋橋駅の地下ホーム。暗闇と鉄の匂いが充満する中、家康を守る特殊部隊の銃撃が響き渡る。だが、豊臣方の武将たちは決して闇雲に突っ込みはしなかった。


「……慌てるな。敵の筒(銃)は直線上しか貫かぬ。地形を読め」


真田幸村の冷静な声が、駅構内に響く。幸村は自ら槍を振るうのではなく、十数人の精鋭足軽たちに、現代の**「工事用防護盾」**を整然と構えさせ、亀甲の陣を組ませていた。


「左翼、三番隊! あの自動改札の陰を起点に、火縄を交互に放て。敵のリロード(弾倉交換)の合間を縫い、一歩も引くな!」 幸村の緻密な時間管理により、火縄銃の欠点である連射性能の低さが、組織的な連射によって補われていく。


一方、立花宗茂はホームの柱に身を隠し、伝令の兵たちに鋭い指示を飛ばしていた。 「伝令! 毛利勢と連携し、敵の背後の『換気ダクト』を制圧せよ。風の流れを読み、上から煙を流し込め。敵の目を潰すのだ!」 宗茂は、現代の地下施設特有の**「空気の流れ」**を瞬時に理解していた。彼の指示を受けた別働隊が、駅の空調設備を利用して、発煙筒の煙を特殊部隊の陣地へと流し込んでいく。


「……秀元殿、準備はよいか」 「承知。我が弓隊、暗闇の中の『熱』を射抜かん」 毛利秀元は、後方の安全圏から、弓の名手たちに特殊な指示を出していた。 「狙うは兵ではない。奴らが持つ『ライフル』の機関部、あるいは『ゴーグル』の隙間だ。一斉に放つ必要はない。一矢一殺、確実に敵の『武器』を無力化せよ」 秀元の指揮下にある弓隊は、暗闇の中で敵のタクティカルライトの光を逆手に取り、正確無比な狙撃で特殊部隊の視神経を破壊していった。


ナオトは、彼らの指揮能力の高さに戦慄した。 「……すごい。現代兵器を相手に、戦国の戦術をアジャスト(適応)させてる……」


「ナオト殿、ぼさっとするな! 伝令だ!」 後藤又兵衛がナオトの肩を叩く。又兵衛は最前線の兵たちの士気を管理し、崩れそうになる防衛線をその威厳だけで繋ぎ止めていた。 「家康の首は、あの変電所の奥だ。我らが道を作る。貴殿は、その『知恵の道具』をもって、天海の術を断ち切れ!」


司令官たちの連携

幸村が指を鳴らすと、真田隊の足軽が現代の消火器を一斉に噴射し、目晦ましの霧を作る。 そこへ宗茂が命じた立花隊の抜刀隊が、霧の中から音もなく現れ、視界を奪われた特殊部隊を沈黙させる。 最後に秀元が、変電所の非常用配電盤を矢で正確に射抜き、ショートさせることで敵の電子機器を完全に沈黙させた。


「……今だ! 突入せよ!」


幸村、宗茂、秀元の三将が同時に軍扇を振った。 現代の軍隊すら凌駕する、組織的で冷徹なまでの「包囲網」。 指揮官たちの知略によって、地下の迷宮は、徳川軍にとっての逃げ場のない檻へと変わった。


ナオトは、名将たちに守られながら、ついに家康と天海が待つ変電所の最深部へと足を踏み入れた。

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