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修羅の極致――毛利勝永、血煙の最終定理

茶臼山の斜面は、もはや土の色が見えぬほどに、徳川兵の骸と折れた槍で埋め尽くされていました。その地獄の最前線で、一際凄まじい「死の旋風」を巻き起こしていたのが毛利勝永です。


「豊臣に毛利勝永ありと、地獄の門番に伝えておけいッ!」


勝永の振るう大太刀は、もはや武器の域を超え、荒ぶる神の火柱と化していました。


絶技:鎧通しの剛剣

勝永は、押し寄せる藤堂高虎の精鋭五人を同時に相手にしていました。一人が槍を突き出す。勝永はそれを半身でかわすと、逆に槍の柄を左手で掴み、強引に引き寄せました。 「甘いわッ!」 引き寄せた勢いを利用し、大太刀を逆手に一閃。重厚な南蛮胴の「合わせ目」を正確に切り裂き、敵の心臓を鎧ごと叩き割ります。返り血が勝永の顔面を真っ赤に染めますが、彼は瞬き一つせず、返り刀で背後の刺客の首を飛ばしました。


死中に生を見出す「修羅の舞」

勝永の身体には、すでに数本の矢が突き刺さり、左肩からは鉛玉による鮮血が絶え間なく溢れ出しています。だが、彼は痛みを感じる神経を、戦いへの昂ぶりで焼き切っていました。 「見よ! 徳川の雑兵ども! これが、真に命を懸けた者の力よ!」 勝永は、迫りくる騎馬武者の馬の足を一蹴りで砕くと、落馬した武者の胸に大太刀を垂直に突き立てました。地を這うような低い姿勢から、跳躍しての一回転斬り。周囲にいた徳川兵たちは、何が起きたのか理解できぬまま、自らの内臓が地面にこぼれ落ちるのを目にすることとなりました。


秀頼への道標:血塗られた開拓者

勝永の奮戦は、単なる殺戮ではありませんでした。彼の剣は、常に豊臣秀頼が進むべき「最短距離」を切り拓いていました。 「殿……! 行かれよ、家康の首まではあとわずか!」 勝永が放つ圧倒的な殺気は、十五万の徳川軍の連携を恐怖で麻痺させました。彼が一人で百人を斬り伏せるたびに、徳川の陣形には巨大な「裂け目」が生じます。その裂け目こそが、秀頼と幸村、そして松島源内が家康の喉元へ飛び込むための「勝利の回廊」となったのです。


執念の咆哮

「我、百の傷を負えど、一歩も退かず!」 勝永は、もはや視界が血で霞む中、家康の本陣を指差して笑いました。その姿は、徳川兵の目には「戦神」そのものとして焼き付いたのです。


勝永が命を削り出した突撃により、藤堂高虎の軍勢は完全に崩壊。ついに秀頼を遮る壁は、家康の目の前にある数名の旗本衆のみとなりました

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