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聖女と王子が恋に落ちた結果

作者: 井上さん
掲載日:2026/06/23

短いです

「お前とは婚約破棄だ!」


 婚約者の王子が私に言った。


「本当に良いのですか?」


 私が言うと


「勿論」


 ドヤ顔王子が言うと、隣にいる聖女がドヤ顔した。


「聖女が何であるかご存知ですよね」


 私は一応確認した。


「勿論」


 本当かな?聖女は神の妻になる存在。人とは結婚できない。

それでも聖女と結婚するということは…


「本当に良いのですね?」


 人と結婚したら、聖女がどうなるか知らないんだろうなぁ…


 今まで何度も私が『聖女は神の妻となる存在。むやみに近付いてはいけません』と言ったのに


 右耳から〜右耳から〜右耳から来たものを〜それを左耳に受け流しちゃったんだろうなぁ…


「くどいぞ!醜い嫉妬はよせ!お前は愛されなかったのだ。愛された聖女に嫉妬するな」


 王子が叫んだ。うるさい。


「さようでございますか。婚約破棄承りました」


「ふん!それで良い」


 即刻、私との婚約破棄と、聖女と王子の新たな婚約がなされた。






「新たな聖女が選ばれました」


 突然、神官に言われて、王子と聖女は驚いた。


「は!?どういう事だ?」


「聖女…元聖女様は、王子と婚約されたので、聖女ではなくなりましたので、新たな聖女が選ばれました」


「どういう事だ?!」


 王子には分からなかった。


「王子…聖女は神の妻です。人間と結婚したら、神の妻になれぬではありませんか」


「「は!?」」


 聖女にも王子にも意味が分からなかった。


「元聖女様は、神の妻になる予定だったのに、王子と婚約したので、聖女ではなくなり、代わりに、新しい神の妻が選ばれたのです」


「え…?では…」


 王子は、隣の婚約者を見た。


「その方は聖女ではありません」


「そんな…」


 王子と元聖女は、愕然とした。


「で…では…新しい聖女は…?」


「王子の元婚約者様です」


「は!?」


「王子や元聖女に、何度も注意なさっておられた。その責任感と、注意という誰もが嫌がる役割をきちんとこなされた。それを、神がお認めになられたのです」


 神官が目を伏せた。


「では、私は改めて婚約する。私は聖女と結婚するのだ!」


 王子が言った。


「なりません!」


「何故だ!?」


「神の妻を2度も奪うおつもりですか?神をも恐れぬ所業…どんな罰がくだるか…」


 神官がしかめっ面で言った。


「はぁ?」


「貴方は、その元聖女と一生添い遂げなければなりません」


「嫌だ!聖女じゃないならいらない!」


 王子は地団駄を踏んだ。


「はぁ?私を愛してるって言ったじゃない!」


 元聖女が叫んだ。


「それは聖女だったからだ!」


「何ですって?」


「聖女じゃないならいらない」


「酷いわ!」


「うるさい!」


「王妃になる為にがんばったのに!」


 言い合いをする2人に、神官は言った。


「あぁ…王子は、婚約破棄をして、わざわざ聖女と婚約されたので、王位継承権を剥奪されています。国王にはなりません」


「何だと!?」


「ただの王族の男と、元聖女です」


「私は国王となるのだ!どの国も、聖女と結婚した者が国王となっているだろう!」


「我が国では違います。何故王子教育を受けたのに、ご存知無いのですか?」


 神官が、正論で王子を殴った。


「何だと!?」


「とにかく、もし新たな聖女に近付こうとしたら、どうなるか分かりませんよ」


「ふん!」







「聖女〜私と結婚しろ〜!」


「聖女は私よ〜!」


 新たな聖女である私に走り寄る王子と元聖女。



ピシャ〜ン!! 



 2人に雷が落ち、2人は消えた。


「2度も神の妻を奪おうとするからですよ」


 神官は冷たく言った。

私は黙って頷いた。



 聖女と王子が恋に落ちた結果、聖女と王子は消えた(物理的に)。

読んでいただきありがとうございます

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― 新着の感想 ―
元王子と元聖女の教育はどうなっていたんですかね〈常識が怪しい
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