とある刑務所の仕事場で
「あちゃぁ…こりゃ深いですね…針縫わないと治らないですよ…」
「えっ針?刺すの?指に?え?」
「自分で選んだ結果がこれだぞ…」
「こんなんになる予定なかったんですけど!?」
約30分前、檻の狭間にて
「今日から仕事をする。」
「えっ仕事!?刑務所って入ったらずっと暇なんじゃないの!?」
「死刑囚も少しは世のため人のために働かないと
いけないらしいんだよ。だから、これ。」
ソロワーは鉄格子の隙間から一枚の紙を渡した。
「ん?なにこれ…『君にあってる職場はどこだ??
探せ!就職活動応援キャンペーン』…???」
「案内ですね。ちなみに職は2種類しかないです。」
「いや少な…えっと、肉体系と繊細系…か。」
「魔王の幹部さんはもちろん肉体k」「やっぱ私はマジシャン
だし繊細な仕事よね!」
いや、、そう来たかー…
正直、このリュランって人が本当に魔王幹部でクッソ強い
のかっていうのを肉体系の労働を通して確認したかったのだが、
マジシャンとなると話は変わってくるのか…
「…わかった。繊細系の方の仕事をやろう。」
「やったー!私の華麗な手捌きを見せてやるわ!」
「申請してくるんで、ちょっと待っててくださいね。」
「…これ、なに?」
「え、ミシンですけど」
「みしん?」
仕事場、「裁縫室」にて、ソロワーは繊細なことが得意らしい
リュランさんにぴったりであろう労働内容を
選んだつもりだった。だがしかし…
いやいや嘘だろ…?繊細なリュランさんがまさかの
ミシンを知らないだと…!?近代的じゃないなぁ…?
「…これは、布とかを自動で縫い合わせてくれる最新器具なんです。」
「えっ…自動?自動って言った?」
「はい…あ、でも布を自分で動かす必要はありますけどね。
縫うこと自体は自動でやってくれる代物ですよ。」
「」
…出てくる言葉がないようです。何年時代に
遅れてるのやら…
「とりあえず自分が手本を見せますから、来てください。」
ソロワーはそういうとリュランの手首を掴んだのだが…
その時…
「ひゃっ!?」
「えっあっごめんなさい…痛かったですか」
「いや、その、違うけど、少しびっくりして…」
ん?妙だな?…なんか照れてる?あの魔王幹部が?
ここでソロワーの心にに謎の火がついた。
「ならいいんですが、ほら、行きますよ」
「は、はい…」
ソロワーはリュランの手首を掴んだままグイグイ
引っ張っていく。…てかこいつ足の力抜いてるだろ…
ほぼ自分で歩いてないな…
その後、なんだかんだあってソロワーがミシンの使い方を
教えたのだが…教えてる間、ほぼずっと顔を赤らめていた。
いや、まさかこうゆうのに弱い系なの?…不思議。
で、今これ。
「いったい…!」
「もうちょっと我慢してね…」
今、リュランは救護室で手当を受けている最中である。
そしてソロワーは角の椅子に腰掛けている。
ソロワー完璧に教えたはずのミシンの使い方を
まず糸をつけるところから一瞬で忘れていた。
そしてソロワーが糸をつけてあげたのだが、その後の動作も
一切覚えておらず、「こうなったら適当だぁ!」といい
思いっきり布を前に押し出した瞬間、手首の横らへんを
2回…グサっと…今思い出したらゾワゾワする…あんな
ミシンのミスり方見たことなかっから…
「よしおっけい!」
そんなことを考えているうちに処置が終わったようだ。
そしてソロワーが声をかける。
「…で、リュランさん。裁縫、もっかいやりますか?」
「いやいいです絶対にやりません…!絶対に!」
流石にトラウマになるか…
その後、おとなしく檻の中に戻り肉体系の
仕事にすることを決めたのち、申請をしようとしたのだが…
その申請の紙を取りに行っている最中のことだった。
「おい、新人が生意気だな。」
「お前こそ、体型だけのデカブツめ」
一般牢獄の広場。24時間空いている少し広めの交流
スペースだ。廊下からはほぼガラス張りで、防音でも
ないため、すごい声や物音が漏れたり、暴れているのが
すぐわかるようになっていたりする。
そして、そこで2人の囚人が揉めている。
赤い髪の女性と、すんごいゴツい体型の褐色男だ。
「あんた、どうせしょぼい刑でここに入れられたんだろ。」
「あぁ?お前こそどうかは知らんが、俺は少なくとも
懲役4年だ。」
「はっwたったの4年?私は18年の超大御所さ!」
「18…?」
案外取っ組み合いなどなくかなり平和な会話だった。
…けど、そこが不可解なんだよな…
この刑務所、異常に悪質な囚人がいない。
偶然そうなっている可能性もあるが、この前パソコンの
資料を見てみたが、過去に医療費が発生するようなケガが
怒った取っ組み合いはなかったとされている。
ここにくる前(派遣される前)に聞いた話でも、
特別取っ組み合いが多い場所ではないことは確認済みだ。
それならいいのだが、ここまで少ないのは逆に謎だ。
なにかこの刑務所には裏…謎があるのか?




