とある刑務所の一部屋で
この国の死刑囚の過ごし方は一味違う。
普死刑囚には犯した罪相応の地獄を見せるのが
普通らしいが、ここでは別の解釈で「もっと生きたかったな」
と思わせる過ごし方をさせている。
「…」
「君にはこの人のパートナーとなってもらう。」
冷たい机の上に置かれた紙には、オレンジ髪の女性の写真と、
その人が犯した罪、年齢、仕事、その他個人情報諸々などが
書かれていた。
そして、俺はこいつの最後の日まで___1年をこいつと共に過ごす。
この刑務所では、死刑囚一人一人に刑務官が1人配属される。
その刑務官は大体アルバイトなどで選ばれることが多いが、
俺は別の刑務所から派遣されて(追い出されて)ここに来た。
そして死刑囚はその刑務官と普通に話してもいいし、
一緒に仕事をしてもいい。なんなら一緒に遊ぶ奴らも
いるとのこと。そして、その楽しい時間を1年に制限する。
そして1年後、彼らはこの世を去るが、その時に思うことは
主に二択、「楽しめて死ねるのラッキー」か、
「…もうちょっとこの世界にいたかったな。」の二択だ。
そして刑務官の目的は1つ。死刑囚に後者を思わせること。
その面では、他の刑務所よりも難しい要素であるかもしれない。
「配属は明日からだ、今日はもう帰れ。」
「わかりました…」
俺は即座に荷物をまとめて部屋を出た。
「…明日から大変になりそう。」
なぜそう思ったのか、それは最初にもらった紙を見るとわかる。
職業の欄、2つ書いてある。
『職業:元魔王軍、マジシャン』
この紙を見た瞬間呆れたが、今更考えてもしょうがない。
明日からこいつと共に「楽しまなければいけない」のだから。




