第六話 「いっちゃん、国民学校に入る」
皆様、おはようございます。
昭和19年4月。
いよいよ「いっちゃん」が国民学校の一年生になりました。
憧れのピカピカの一年生……ですが、世の中は戦争の影が色濃くなり、食糧事情も厳しくなっていきます。
そんな中、六人姉妹をからかう近所の「ガキ大将」が出現。
いっちゃんを守るために立ち上がったのは、やはり頼れる、あのお姉ちゃんでした。
『サイタ サイタ、サクラガ サイタ・・・』
福山に来てから二年が過ぎた昭和19年4月、私は福山東国民学校の1年生になった。
明姉は5年生、伝姉は3年生になった。
私は、やっと憧れの1年生になったが、食糧は統制によって、どんどん少なくなってきて、ひもじい思いをすることが増えていた。
末っ子の香代子に至っては母の栄養不足で乳があまり出ず、かなり痩せていた。
近所のガキ大将が、
「や〜い、や〜い、アキ、ツタ、イツ、チサ、ミキ、カヨ、み〜んなやせっぽちのオンボロ上山〜」
と六姉妹の容姿をからかった。
そんな時には、伝姉が
「なにぃ、お前の方がよっぽど、クソガキじゃろが!」
と言って反撃してくれた。
普段は家族のことを面白おかしくしゃべる伝姉だが、こういう時は頼りになる。
「やっぱり伝姉は家族思いなんじゃ」
と私が言うと
「当たり前じゃ。うちはいっつも家族のことを思うとる」
と伝姉。
「それにしては、いっつもうちをからかうよねぇ?」
「そりゃ、いっちゃんがかわいいけぇよ。……顔はへちゃじゃけど」
「何言うんね。うちとおんなじ顔して」
「いいや、うちは、いっちゃんとは違うで。 見て、このべっぴんさん」
「もう〜! 伝姉は、すぐそんなこと言う〜。」
でも、そんな伝姉が私は大好きだった。
(つづく)
第六話をお読みいただき、ありがとうございました。
「やせっぽちのオンボロ上山〜」なんて、今なら泣いてしまいそうな言葉ですが、伝姉の威勢のいい反撃には胸がすく思いです。
「うちとおんなじ顔して」と言い返すいっちゃんと、どこまでもマイペースな伝姉。 喧嘩をしながらも、そこには確かな姉妹の愛がありました。
明日もお楽しみに。




