給食グルメ
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
「起立!気を付け!礼!」
「終わります!」
授業が終わると、僕は教科書と筆箱を素早く机にしまい、誰よりも早く教室の扉を開けて給食室へ向かった。
僕の名前は秋山拓海。元気いっぱいの1年1組所属の中学一年生だ。
今、僕が給食室に向かっているのは、もちろん給食準備係だからでもある。でも一番の理由は……今日の給食がいつもと違うからだ。
今日の献立は、これだ。
ごはん
鶏の唐揚げ
ゆかり和え
大根となめこの味噌汁
そう。今日は、間違いなく嫌いな人はいない、夢のような給食の日――唐揚げの日だ。
給食室に到着し、配膳台をしっかり握ると、こぼさないように慎重かつ素早く教室へ戻る。
トレイを広げ、エプロンと頭巾を装着したら、いよいよ唐揚げを皿に盛る。熱々の唐揚げから立ち上る湯気、衣の香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
「ぐぅ~ ぐぅ~。」
思わず腹が鳴った。恥ずかしさを振り切り、僕は慎重に、でも手早く唐揚げを一つひとつ皿に並べていく。
「拓海、今日もやっぱり早いね!」
声をかけてきたのは、同じく給食準備係の高橋リナ。彼女も手際よく副菜のゆかり和えを皿に分けている。
「だって、唐揚げの日は気合入れないと!」
僕は笑顔で答えた。
教室中にはすでに友達の笑い声やざわめきが響き、唐揚げの香りが教室全体を包んでいる。みんなの顔が自然とほころぶのを見て、僕の胸も熱くなる。
「拓海くん、手伝おうか?」
佐藤くんがエプロンを手にして声をかけてくる。
「大丈夫!俺の担当は唐揚げだ!」
得意げに答え、最後の一個を皿に盛り終えると、教室中から歓声が上がった。
「やった!唐揚げだ!」
「めっちゃ美味しそう!」
エプロンと頭巾を外して片付けると、僕は席に着き、目の前の唐揚げに視線を釘付けにした。みんなの嬉しそうな表情を見ながら、心の中でガッツポーズ。
全員が席に着き、給食当番が声を上げた。
「いただきます!」
箸で唐揚げをそっと持ち上げ、一口かじる。
「うわっ、熱っ……でも、うまっ!」
外はサクッと香ばしく、中からジュワッと肉汁が溢れる。衣の香ばしさと鶏肉の旨味が口いっぱいに広がって、思わず笑顔になった。
副菜のゆかり和えを一口。ゆかりの塩気とほのかな酸味が、唐揚げの濃い味をさっぱり中和してくれる。野菜のシャキシャキ感が心地よく、唐揚げと交互に食べると箸が止まらない。
大根となめこの味噌汁は熱々で、体の奥までじんわり温まる。唐揚げの脂っこさもこれでやわらぐ。大根は柔らかく、なめこのとろみが口の中でまろやかに広がる。
もちろんごはんも欠かせない。白いごはんと唐揚げの黄金コンビは、食べれば食べるほど箸が進む。
口の中いっぱいに広がる唐揚げの旨味を噛みしめながら、僕は自然と笑顔になった。
「やっぱり、唐揚げは最高だ……!」
クラスのみんなも夢中で食べている。今日の給食は、唐揚げの香ばしさとジューシーさでクラス全員の笑顔を作る、特別な日だ。
一口ごとに幸せを感じながら、僕は今日の給食を存分に楽しんだ。唐揚げの日は、やっぱり特別だ。
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