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真希くんと猫

注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。


ご了承下さい。

 真希くんは歩いていた。ぶっちゃけ理由は特に無いのだが、休みの日に何もしないのは少々気が引くのだ。


 趣味であるトレーディングカードゲームで道行く人々に勝負をしかけてもいいのだが、あいにく真希くんはデッキを持って来ていない。


「……眠い」


 真希くんは目を擦りながらそう言った。


 すると、真希くんが歩いている道の向こう側に、真っ黒な猫が寝そべっている姿が見えた。その瞬間、真希くんの目はかっと開き、そのまま常人離れした身体能力で走り出した。


「ネコ! にゃんこ! 黒にゃんこつまりは真っ黒にゃんこネコ!!」


 猫は逃げ出そうとしたが、彼のウサイン・ボルトを上回る脚力に追い付かれ、そのまま両手で抱えられてしまった。


「やあやあにゃんこくん。ちゃん? どっち? おー、にゃんこちゃんだねぇ。僕から逃げられるとは思わないでねぇー?」


 そのまま真希くんは猫の腹に顔を埋めた。


「あーくちゃいくちゃい。野良猫ちゃんだねぇ。にゃーにゃーにゃー」


 猫は抗おうと四肢を動かしているが、絶対的な上位者である彼に逆らうことも出来ずに為すすべなど無かった。


「にゃにゃにゃーにゃ。にゃにゃにゃ」

「何やってるの真希くん……」


 背から聞こえたのは、真希くんが少々特別な感情を抱いている涼夏の声だった。すぐに振り返ると、少々鋭い目つきで見ている涼夏がいた。


「……見てた?」

「……まあ、うん」

「……いつから?」

「『やあやあにゃんこちゃん』から」

「結構最初からッ……!!」


 そのまま真希くんは猫を抱えたまま、その場で蹲った。


 表情は見えないが、きっとりんごの様に真っ赤に染まっているのだろう。目立つアホ毛は大きく動いており、他を寄せ付けない様に威嚇していた。


「……このまま、春の風に吹かれて桜となって散りたい」

「急に文才になった……。それで、何やってるの真希くん」

「何って……何もしてないけど……涼夏ちゃんは何やってるのさ」

「私? ……まぁー……その、何だろう……。……あんまり似合わないかもしれないけどさ、新作のシェイクのために。ほら、最近話題の。案外私こう言うのを追いかけるの」

「あー……あれ? ピンク色の。さくらんぼ味の」

「そうあれ。飲んだことあるの?」

「うん。まあ、好みが別れる味だった」

「それってつまりビミョーってことなんじゃ……」


 真希くんは私の前で苦笑いを見せた。少々顔が火照っている。


 成程、恥ずかしかったらしい。


 さて、そんな成り行きで、私と真希くんの行き先は同じになってしまった。


「僕としてはね、実は嬉しいんだよ」

「何が?」

「涼夏ちゃんと出会えたことが」


 何だこのイケメン。惚れてやるぞ?


「まあ……ちょっと恥ずかしい姿は見られたけど……」

「……猫が好きなの?」

「……昔は、動物に近づくと避けられたりしたんだよね。その反動か、こんなに動物好きになっちゃった」

「ふーん。何か動物に嫌われる何かがあったのかな」

「……まあ、あったんでしょうね。僕はきっと、呪われて産まれたので」


 そういっている真希くんの顔は、どこか暗かった。だが、一度の瞬きの後には、その暗い表情はぱっと明るい微笑みに戻っていた。


 気のせいだろうか。


「猫はね、神様なんだよ」


 真希くんは急にそんなことをいい始めた。ついに頭でも狂ってしまったのだろうか。


「にゃんこだからにゃんこにゃんこ。つまりそれはにゃんこであり神なのです」

「……ちょっと意味が分からないわ」

「にゃんこにゃんこにゃんこにゃんこ」

「ま、真希くん?」

「にゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこにゃんこ」

「辞めてェ!! にゃんこのゲシュタルト崩壊が起こる!!」

「にゃんこ」


 この子日常生活でもこんなんなの!?


 ふと真希くんの背後を見ると、少しずつ野良猫が列をなして着いて来ている。そういえば真希くん、たまに猫を連れて来て学校に来てたな……。


「……そういえば、何で真希くんは、私に話しかけてくれたの? 最初に話しかけたよね?」

「まあ……色々あってね」


 真希くんはそうやって話をごまかす。何か私にあるのだろうか? さては私に一目惚れか? ……まっさかぁ!! ヤリ捨てては新しく誑かして女殴ってそうな真希くんが私なんかに惚れるわけナイナイ。


「……今なんかスゴく失礼なことを考えませんでした?」

「……いや、何も」

「……女殴ってそうとか思ってません?」

「……ハハ……ハ……ハハハ」


 ……余計なことは考えないでおこう。全て見透かされて大変なことになる。


 もう一度真希くんの背後を見ると、どんどん猫が集まって来た。どっかの恩返しでこんな光景見たことある。


 そのまま数匹の猫が真希くんの体によじ登り、にゃーにゃーにゃー鳴き始めた。


「おーどうしたんだいにゃんこちゃん。にゃーにゃーにゃー」


 何と微笑ましい光景だろうか。イケメンが猫と戯れている。


 頭の上に一匹、両肩に三匹、足に抱きついているのが一匹。何だこの光景。写真撮っておこ。顔はきちんと隠してSNSにも上げておこう。


「……何で撮ってるんですか?」

「バズるから」

「カッコよく撮って下さいよ?」

「それは勿論」


 全く、これだから真希くんへの興味が尽きない。


 そんなこんなで、真希くんと一緒に目的地に到着した。まさか休みの日にまで真希くんと一緒になるとは思わなかったが。


 ……友達がいないとか言うなよ。亜美は用事があって来れなかっただけだし。友達がいないわけじゃないもん。ちょうどよく真希くんがいたもん。


 私と真希くんは、同じ春限定ラブリーさくらんぼシェイクを頼んだ。


「真希くんも同じの頼むの?」

「どうせなら一緒に楽しんだほうがいいじゃないですか」


 んだこのイケメン。瓶に詰めて飾ってやろうか。


 太いストローで吸いこんでみると、真希くんのいう通りちょっと……ビミョー……。


 酸味が強すぎる。果物は甘みと酸味のバランスで良質なものになるというのに、これはさくらんぼの甘味を無視して酸味だけを摘出している。


 いやまあ、不味いわけではないのだ。ただ、甘みをほのかにしか感じない。


 ただ、隣で猫と戯れながら飲んでいる真希くんは、満面の笑みだった。そんなにおいしい? いや、微妙っていってたからそんなわけがない。


 ……まあ、絶世の美人を眺めながら飲食をすれば、例えイギリス料理でもなかなかの絶品になる。こんな微妙なものでも、真希くんの顔を見ればおいしくなる……か? それでも微妙じゃないか?


「また来ましょうね、涼夏ちゃん」

「……そうね」


 真希くんはくしゃりと笑った。

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


真希くんが涼夏に抱いている感情は恋愛感情ではありません。


いいねや評価をお願いします……自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……

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