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一人暮らしの会長

注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。


ご了承下さい。

 生徒会長、"渥美毬花(あつみまりか)"は、悩んでいた。


「……なぜ、ここが……?」


 インターホンのカメラが映している映像には、確実に真希ちゃんが映っている。彼女はそれに悩んでいた。


 彼女は一人暮らしをしており、真面目な性格だからか、そうそう人に住所を教えていない。


 もちろん、この、五常真希にもだ。


 にも関わらず、カメラ越しに、真希ちゃんがいる。その不可解さに、頭を悩ませていた。


「……出て、みるか? いやいや、しかし……まあ、彼女なら、悪事を企んでいるとかではないだろうが……」


 そう言って、彼女はドアを開けた。


「あ、やっと開けてくれましたね」

「……どうも、まず聞きたいのだが……」

「ここが分かった理由ですか? ちょっと情報通の知り合いがいるんですよ」

「その友人本当に大丈夫か? ……まあ良い、上がりたまえ」


 紙袋を片手に真希ちゃんは生徒会長が住んでいるマンションの一室に上がった。


「どうぞこれ。お土産です」


 そう言って真希ちゃんは紙袋を生徒会長に渡した。


 遠慮がちに受け取った彼女だが、その紙袋の口にほんの少しだけ視線を落とした。


「これは?」

「ああ、手作りのクッキーと、チョコムースと、えーと……何でしたっけ。あぁ、そうだ。バナナケーキです」

「わざわざ作ったのか?」

「ええ、まあ。伯父さんから、ちょっと色々聞いたので、それを聞きに来たんです。失礼な話にもなるかもしれないので」

「……ハーブティーでも入れよう。少し、長い話になりそうだ」

「あ、でも本命は遊びに来たですからね?」


 毬花はキッチンへ向かい、真希ちゃんをリビングで待っているように言った。


 その顔はどこか真剣なもので、毬花はレモングラスのハーブティーを用意した。


「あ、良い匂い。レモンですか?」

「惜しい。レモングラス、イネ科オガルカヤ属の多年生植物だ。レモンの匂いに似ているが、別物だ」

「へぇ……何時も紅茶ばっかり飲んでるのでハーブティーには疎くて」


 真希ちゃんは自分で作ったクッキーを机の上に置き、クッキーと共にハーブティーを飲んだ。


「……まず、ずっと聞きたいことがあったのだが……。……君は、その、つまりだ。あの人の息子なのか?」

「多分、会長が思ってる人の、妹の、娘です。今は息子じゃありません。今は女のコなので」

「あぁ、成程。そうだったのか。……そうか、そうだったのか」


 会長は静かにハーブティーを飲み干すと、少々頬を赤くさせ、俯いた。


「……うん、何だ、その。……伯父さんは、何と言っていた」

「……『昔はお兄さんと結婚するんだぁ! って泣いてたんだぞ』って笑いながら言ってました」

「……そうか。ああ、成程、そうか。……はっず……」

「……そう言えば、名前、知りませんでしたね」

「……渥美毬花。毬花さんを呼ぶと良い」

「面倒臭いので会長のままにしますね」


 会長はクッキーを一枚口に入れた。


「……その、何だ。分かるか? この、初恋の人との再会の気不味さ」

「まあ、経験はありますけど。甘酸っぱくて良い思い出じゃないですか」

「あの人が四十超えだなんて知らなかったんだ! 出会った時は二十代、再会しても三十代とか……そういう年齢だと!! 四十超え! 何か……何か駄目だろ!! 明らかに!!」

「あの人四捨五入したら五十代ですよ」

「ほらもう! 駄目だろ! 四捨五入で五十代と高校生の!! いや当時は小学生だったが!!」

「それに既婚者ですよ」

「まあ、子供のころの約束なんて、簡単に反故にされるものだ。それに関しては納得している。今、思い返してみると、少しアレだなと思っているだけだ」


 会長はクッキーを二枚同時に口に入れて噛み砕き、入れ直したハーブティーで喉の奥に流しこんだ。


「……まあ、一目見た時から、君が親戚か何かは知っていたのだが……似過ぎてる」

「名字違うのによく分かりましたね」

「いや、だから、似過ぎているんだ。君とあの人は」


 会長はどこか忙しない様子のまま、ゆらりゆらりと体を揺らしている。


「まあ、今もそういう気持ちが無いかと言えば、無いことは無いことも無いのだが……」

「四捨五入して五十代で既婚者の人ですよ?」

「……そうだよなぁ……。……あの人に言っておいてくれ。名前くらい教えろと」

「そういえば、私も知らないんですよね。あの人の名前。名字は、奥さんの名字から分かるんですけど……」

「……あの人、名乗った記憶はあるが、その名前を覚えられない。何なのだあれは」

「さあ……? あの世代の人、ちょっと変な人が多いので」

「とんでも無い偏見だな」

「あ、じゃあこれ私の周囲だけかな。伯父さんの交友関係が狂ってるだけかな」


 入れ直したハーブティーを、二人同時に一気に飲み干した。


「……生徒会長として、流石に四捨五入五十代既婚者若作り若人誑かし女装癖おじさんにうつつを抜かすのは、ダメだな」

「すっごい悪口じゃありませんでした? さっきの」

「事実をつらつらと述べただけだ。何の問題もない。元々恋心と言うのも少しおかしな感情だが……。まあ、何となく、吹っ切れた」

「そうですか。なら良かった」

「再会してちょっとびっくりしただけだ。あっちもすぐに気付いていなかった。当たり前だ。もう十年以上も前の話だ」

「失恋だ……」

「いや、違うぞ。しかしそうだな……適切な語彙が見つからない。便宜上失恋が一番正しいのだろうが……心情はもう少し複雑というか、意外とさっぱりとしているというか……何だろうな、あの……一番の親友が、他の友達と遊んでいる姿を見ている……そんな、感じか?」

「ちょっと分からないですね……」

「私も分からない。だから妙にすっきりとしているのかもしれないな」


 会長は、一枚のクッキーを手に取り、それをまじまじと見つめた。


「……一応聞いておくが、これは本当に君が?」

「あ、バレました? 実は伯父さんが作りました」

「ああ、どうりで懐かしい味がするわけだ」

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


こう言う心理描写やったことが無いので。


すっごい楽しい。書くのがすごい楽しいですよ、心理描写。複雑であればある程楽しくなる。


いいねや評価をお願いします……自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……

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