休日の過ごしかた ③
注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。
ご了承下さい。
……瞳が延々と、真希ちゃんにがんを飛ばしてる……。
いや、隣の金髪の女性だろうか。あの容姿だと、日本人じゃ無いのかしら。
……うーん、一応、写真でも撮っておこうか。
だけど気付きそうだなぁ……真希ちゃんよく分からないところで勘が良いからなぁ。
「……やっぱり、尾行かな」
「これは部活動とすれば、大義名分はこっちにある」
何だか亜美と瞳が物騒な話をしている。
「最悪あの女を縛り上げてさらって――」
「それはさすがにダメ」
「……分かってるわよ。犯罪者になるし」
「本気の目だったよさっきの……」
「しないしない。最悪住所特定して毎日手紙を投函するだけ」
「それも犯罪じゃないかなぁ」
教員を誘拐した貴方が言えること?
すると白ちゃんが「やっぱり尾行をするほうが良いですよ」と書いた。
おっと、ストッパーが私しかいないようだ。私が善意の、最後の関門だ。……しかし、今の私には、あの女性の正体のほうが気になる。
「……よし、尾行するか」
私の一言に、全員に僅かながらに存在していたであろう善意の呵責がなくなった。
しかしこれは、決して私の責任ではない。これは真希ちゃんの責任ということで良いだろう。
昼食の味は、驚くくらいに美味しかった。ただやっぱり集中出来ない。
すると、真希ちゃんと金髪の女性はコーヒーを飲み終わったのか、喫茶店を後にした。
私たちはすぐに会計を済ませ、物陰に隠れながら二人の後を尾行した。
どうにもあの金髪の女性、顔が見えない。見えそうになったら人が突然割り込んだり、鳥が羽撃いたり、誰かが転んで投げ飛ばされたたこ焼きで隠れたり。
あらゆる偶然で女性の顔が見えない。何とももどかしい。
瞳も段々と煩わしく思い始めたのか、歯ぎしりをしている。
「誰なんだあの野郎……!」
「落ち着け瞳。ここで動いたら勘の良い真希ちゃんに気づかれる」
「……分かってる。だけど正体を突き止めたら……」
「何もしないこと。あくまで私たちは、あの人の正体を突き止めるだけ」
「じゃあこの怒りはどうすれば」
「真希ちゃんにでもぶつけて」
亜美は胸の中から出した双眼鏡で金髪の女性を見ていたが、やはり顔は見えないらしい。
「うーん……ダメ。多分神様があの人の顔を見えないようにしてる」
「そんなことあるぅ?」
「だってぇ全然見えないんだよ。そりゃ、前から見れば良いかもしれないけどさ、それだと真希ちゃんにバレるよ?」
「……ワンチャン反射とかで何とか……」
すると、一番後ろにいた白ちゃんが、今までで聞いたことがないほどの大きさの悲鳴をあげた。
とっさに振り返ると、怯えている白ちゃんの隣に、タカハシ先生がいた。何だかやけにニヤニヤとしている。
「どうも皆さん。尾行ですか?」
その聞き方はどうなんだ。
どうやら先生は真希ちゃんとその隣にいる女性に気づいているらしく、バレないようにちらちらとそちらを見ている。
「まあ良いですよ。青春ですよ、これも。何せ……私も気になるので! 一緒に尾行しましょう!!」
教員がそれで良いのか!? 教員がストーカーを容認するなよ!?
「いやーちょうど次のネタがなくて困ってたんですよ」
だからそのために教え子尾行するなよ!?
そういってタカハシ先生は手帳とペン片手に、私たちと一緒に行動した。
さて、どうしたものか。先生がいると、何か緊張してふざけられない。特に白ちゃんは話したこともない先生がいるから緊張しまくりで震えてるし……。
……それにしても、あの二人。どこに向かってるんだろ。ぜんぜん検討がつかない。
この方向って何かあったっけ……駅? 電車乗ってどっか行こうとしてるのかな?
予想どおりではあった。二人は駅に向かった。尾行はまだ続く。
バレないように隣の車両に、バレないようにそこから観察する。降りたのは五つ先の駅だった。
さあ、こっからどこに行くのか。
何せ東京23区。行き先なんてそこら中に存在する。
そして、やっぱり女性の顔は見えない。輪郭は美人そうだし、おっぱいでっかいから引く手数多だろう。
すると、二人はとあるビルの前で足を止めた。ビルと言っても高層では無く、一桁階数の何の変哲もない普通のビル。何かの事務所とか、店とか。ようはそんな感じのビル。
至ってありふれたビルに入った。
「……さすがに、用事もないのにここに入るのはムリか」
「そうですね……出待ちが一番良さそうです」
タカハシ先生の意見は正しい。けど二人で入って何をしてるんだ? エッチなことか? けどそういう仲には見えなかったしなぁ。
ふと向こうを見ると、見覚えがある男子が二人。私たちと同じくビルを見上げながら、二人で喋っている。
あれは、農さんと洸平さん。あの方向から来たってことは……金髪の女性の顔を見たか?
「亜美、捕まえて」
「ラジャー」
亜美は一瞬で私の言葉の真意を捉え、胸から麻縄を取り出し、一直線に農さんと洸平さんに向かって走った。
二人に気づかれないまま、その体を拘束し、近くの路地裏に引きずりこんだ。
私たちもすぐにそこへ向かうと、主に農さんがギャーギャーと騒いでいた。
「何だ急に! 俺たちに乱暴する気だろ! エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!!」
洸平さんはやけに冷静だ。あいかわらずの笑顔を浮かべながら、亜美を見ていた。
「何か、理由があるんだろう? ああ、さっき真希さんを見たよ。何だかキレイな人と一緒に――」
「そうそう、その人のこと」
亜美は二人の拘束を解き、ある程度の事情を話した。
「はぁーなるほどな。ほうほう、なるほど。俺も気になってる」
「さっき入っていったけど……顔は見えなかったね」
「俺は別のところ見てたから知らんぞ」
「別のところってどこだい? 農くん?」
「聞くな」
「とにかく、顔は見えなかったよ。偶然真希さんと重なってね」
ふーむ……やっぱり見えないか。
真希ちゃん、普通に霊感アリの不思議ちゃんだからなぁ……神秘的な人と関わってても不思議じゃないっていうか……。
「あんたたちも、このビルが何かは知らない?」
瞳がそう聞くと、洸平さんは首を横に振った。しかし、農さんは頭を何度か平手で叩いたかと思えば、はっとした表情に変わった。
「あー知ってる知ってる。とある界隈では有名だ。どんな幽霊でも必ずぶっ殺す最強霊媒師の事務所だ」
「なにそれ知らないんだけど」
「そりゃわざわざ調べないと知らないだろそんな怪しい話し」
それはそうだけど……。
「費用はそれなり。平均月収くらいは請求される」
「割高じゃない?」
「そこまでは知らん。というかこういうときの相場なんて知るわけないだろ」
「……んじゃ農さん」
「……距離感を感じるな」
「んじゃ農。その人に会ったことはある?」
「写真だけなら。美人だったぞ。白い手袋にいつも片目を隠してる」
……白い手袋に、片目を隠してる……? それでいて美人……? 心当たりがあるぞ……?
ひょっとして、私たち、その人のこと知ってる……?
最後まで読んで頂き、有り難う御座います。
ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。
すごい見たことがある人。無関係じゃありませんよ。
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