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真希くんと化学準備室

注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。


ご了承下さい。

「……何で着いてくるの?」

「はぁ? 私がいたら邪魔ってこと?」

「……お前と言うより――」


 私は今、瞳と第一化学室へ向かっている。何でこいつが着いて来るのかは、まあ今はどうでもいいだろう。


 問題は、瞳を囲う取り巻き共。こいつらが、私に怨嗟の視線を向けている。


 こいつらがいなければ、まあまあまあまあ、瞳ともある程度、仲良く接することが……出来るわけねぇだろ。


 初対面がアレだぞアレ。ムリムリ。


「今日空いてる? どっか行かない?」

「……え、何で友達みたいに接するの?」

「え?」

「え?」

「え?」


 瞳は呆気にとられた表情を浮かべると、その次には涙を浮かべてうずくまってしまった。


「何でそんなガラスのハートなの!?」


 すると、取り巻きである数人に女子が私と取り囲んだ。


 結果としては全員投げ飛ばしたから問題無いが、やっぱり瞳と仲良くなれる気がしない。


 化学の授業が終わり、教室に帰ろうとしたが、真希くんが見当たらない。


 移動する時も、真希くんは「先に行ってて」と言った。実際滑り込みセーフで化学室に入っていた。


「……涼夏、真希くん、おかしくない?」

「あ、やっぱりそう思う? 何か……いや、あの子いつもおかしいような?」

「……それは、まあ……」


 瞳は少しだけ納得した素振りを見せたが、やはり真希くんファンクラブ会員第一号。心配そうな表情へと変わる。


 ……結構、似合わない表情だ。やっぱり怒ってる顔のほうがそれっぽい。


 学校が終わるころには、真希くんの影も形も見当たらない。部室でも見当たらない。真希くんならいつも部室の布団で寝てるのに。


 亜美に聞いても分からないと言う。ふーむ、心配だ。


「……これは、さては!」


 亜美がそう叫んだかと思えば、亜美は胸に手を入れ、そこからサングラスを取り出した。


 それをかけたかと思えば、また大きく叫んだ。


「事件だ!」

「判断が速い」

「じゃあ何だって言うの涼夏」

「……ほら、何か……。……こう、秘密兵器開発とか……」

「それはそれで事件じゃない?」

「えーいうるさい。じゃあ何だってのよ」

「色々候補はあるでしょ。とにかく、何かおかしいのは事実。これは、調査するしかないでしょ?」

「まあ……気にはなるけど……」


 ……あんまり気乗りはしない。けど瞳はやけにやる気に満ちあふれている。どんだけ真希くんが好きなのよ。


 よって、ほとんど亜美と瞳の先導で、真希くんの行方を探すことになったのだ。


 まず、帰宅していないか生徒昇降口で確認する。まだ真希くんの靴は残っている。


「つまり、まだこの学校に潜んでいるッ!」


 亜美と瞳はそのまま全力で走り出した。子供かあいつら。


「じゃあどこにいるのか……野郎ども!」


 瞳が腕を上げると、今まで潜んでいた瞳の取り巻きがアリの大群のようにぞろぞろと現れた。


「学校中を探し回って五常真希を探せェ! 生け捕りだァ!」


 大決戦前の兵士のような咆哮が響いたかと思えば、その大群は一斉に散らばった。


 この団結力は、ただのファンクラブにしては統率が取れすぎている。兵隊上がり? 日本だから自衛隊か。


 そして、大群が散ってから三十分後。


「「「「「何の成果も! 得られませんでしたァ!!」」」」」


 そう言って大群は瞳の前で土下座をしていた。それだけで廊下が埋め尽くされている。


 それにしても、真希くんは学校内にいない? じゃあどこに?


「……生徒立入禁止の場所は?」


 私がぽつりと呟くと、二人は一直線に職員室へ向かった。


 うん、まあ、生徒立入禁止に近い場所ではあるけど、一直線に向かう場所がそこか。


 しかし、職員室に、当たり前ではあるが、真希くんの姿はなかった。そこに偶然職員室に戻ってきたタカハシ先生とばったりと立ち会わせた。


「真希さんですか? さっき化学室に入っていきましたよ? いつ持ってきたのか2Lペットボトルの水とか持って」


 向かう先は決まった。化学室だ。


 亜美と瞳は、うってかわって大人しくなり、化学室の扉の横に身を隠し、小さく扉を開けて中を覗いていた。


「何でそんなに慎重に……?」

「あの真希くんだよ!? 何かやらかしてるに違いない!」

「嫌な信頼のされかた!」


 やらかしたことなんて一度も無いでしょ!? まあ変なことはしたりするけど……!


「クリア。ゴーゴー!」


 亜美はそう言って前転を繰り返して化学室を進んだ。特殊部隊の真似だろうか? 青いしま模様のパンツが見えてるけど、言わないでおこ。


 その瞬間のことだった。この化学室には誰もいない。つまり、いるとするならば準備室。生徒立入禁止の場所ではある。


 そこから、強烈な光りの直後に手榴弾でも爆発したような爆音が耳を貫いた。


 亜美は驚きのあまり立ち上がり、瞳は「ぴにゃっ!?」と叫んで私の後ろに隠れた。


「……これは、警察かな?」


 珍しく亜美がまともなことを言ってる。


 すると、今度はかすかに人の話し声が聞こえた。準備室のほうからだ。あの爆発で無事だったのかどうかは、後で考えるとしよう。


 聞こえてくるのは、二人の言い争う声。一人は真希くん、もう一人は……えーと? 化学の先生の? 何だっけ?


 ああ、そうだそうだ。"()()()()"先生だ。普段は何喋ってるか分からないくらいに小さな声で授業を進め、基本的にやる気を感じない男性教員。


『もう辞めましょうこんなこと!』


 真希くんの声だ。


 私達は準備室の扉に耳を当て、その会話を盗み聞いた。


『うるさいうるさい! あたしはこれを完成させるんだ!』

『そんな物作って何になるんですか!』

『君だってもぉ共犯者だァ! 逃さんぞキィーヒッヒッヒィッ!!』

『こいつ……!! さっきの爆発で頭がおかしくなってる……!!』

『失礼な。あたしは最初からこんな性格だ』

『……あ、そこは冷静なんですね』


 ……これは……本当に何やってんだこいつら。


「た、大変だよ涼夏……!」

「いや何が」

「これ、真希くんは脅迫されて実験に巻き込まれてるんだ……!!」


 亜美は青い顔をしながらそう言った。


「……いや……んなバカな。だって真希くんチョー強いけど? あの心配になるくらいガリガリなシンカイ先生相手なら大丈夫だって」

「親とか兄弟を人質に……!」

「それは飛躍しすぎでしょ」


 まず真希くんに兄弟とか姉妹とかいるのだろうか。しかし引っかかるのは事実。何をしているのかも気になる。


 だけど……わざわざ爆発した場所に入るのもそれはそれで恐ろしいものだ。


 亜美は胸の中に手をつっこむと、両手でスタンガンと木刀を取り出した。もうそこには隠しきれないだろというツッコミはしない。


 ただ、これだけは言わせてもらう。


「物騒!」

「護身用!」

「護身用で本当にスタンガン持ち歩くやつがどこにいるんだ!!」

「いるさっ! ここになっ! それで? 涼夏はどんなのがほしい? 大体出せるよ?」

「いや……いらないでしょ」

「もしかしたらがあるでしょ」

「……じゃあもう木刀で良いから……」

「それは在庫切れ」

「……何があるの?」

「色々あるよ。ルービックキューブ型爆弾に――」

「初っ端から物騒な物が……」

「あとあと、金砕棒。2mくらいある。それにバタフライナイフ」

「もっと違法じゃなさそうなのない?」

「じゃあやっぱり模造刀? 竹で出来てるから合法適法違法性なし」


 まあ……それで良いか。


 渡されたのは、やけに出来が良い模造刀。刃の表現とか、本物にしか……いや、これ本当の本当な本物じゃないか? やけに重いぞ? 大丈夫かこれ?


 すると、瞳は木刀を構えて、準備室のドアノブに触れた。そのままこちらを向くと、大きく声を出した。


「突入する! 目的は五常真希の救出である! 気を引き締めていけ!!」

「「サーイエッサー!!」」

「私はサーじゃない!」


 あ、確かに。


 瞳はドアノブをひねり、私たちよりも前に素早く駆けた。


「真希くん!! ぶ……じ……?」


 瞳の声に覇気が感じられなくなった。呆気にとられているというか、何というか。


 私たちも中を覗くと、そこには、少々理解に苦しむ光景が広がっていた。


 くだんのシンカイ先生が、麻縄でぐるぐる巻きにされゴミのように転がっており、その隣には、麻縄を持ってカッターを構えて息を切らしている真希くんがいた。


「「「うわぁぁぁぁぁぁ!!??」」」

「……ああ、皆、どうしたの? こんなところで」


 カッターの刃をきりきりと音を出しながら引いている真希くんの姿は、目撃者の口を黙らせようとする連続殺人者のそれに似ている。


 こんなこと思うのは失礼だろうか。


「ま、真希くん! そんなことは辞めて! 自首しよう自首!」


 亜美はそう叫んだ。すると、真希くんは素頓狂な表情を浮かべ、ようやく自分に向けられた勘違いに気付いたらしい。


「違う! そうじゃない! 暴れたから先生を縛っただけ! これはそのためのカッター!!」

「何も違わないよ!!」

「ちーがーうー!! さっきまでもう一回爆発を起こそうとしてたから!」


 すると、シンカイ先生が歯をガタガタと揺らし始めた。首をぐるんぐるんと回し、こちらに視線を向けたかと思えば、その眼球に力を込めて恐ろしいほどに充血させた。


「みーたーなぁぁぁ?」

「そんな怖い顔しないでくださいよ先生」

「五常真希! まずはこれを解け! あたしの縄を解け!」

「……もうしません?」

「ああ、約束しよう!」

「……じゃあ、じっとしてくださいね」


 真希くんは先生の縄をカッターで切ると、先生はいきなり立ち上がり、すぐに白衣についたホコリを手で払った。


「……それで? 何でこんなことに?」


 私がそう聞くと、真希くんはため息をつきながら答えた。


「ちょっと……長くなるよ?」


 語られた内容は以下の通り――。


 ――僕はいつも通り、学校を半分昼寝しながら歩いていました。


 その日はやけに夕暮れがキレイで、眠気も忘れてつい眺めていると、化学室のほうから大きな爆発音が聞こえた。


 それはもう、すぐに向かったよ。だって心配だからね。ちょくちょくそういう音は聞こえてたけど。


 そして、中に入ってみると、準備室のほうから悲鳴まで聞こえてきました。シンカイ先生の声、すぐに入りましたよ。


 シンカイ先生が、青い顔をして倒れてました。あの腰まで伸びてる不潔な長髪もちりちりに。


 すぐに蘇生させて、水を飲ませたら、すぐに元気になって、僕の腕を掴んで血走った目で声を出しました。


「見たなキサマァ!!」


 ……幽霊よりも怖かった……――。


「――……ちょっと待って」


 私は真希くんの言葉をさえぎった。


「つまり?」

「学校に見つかったらヤバいのでお金もらって手伝ってる」

「……アルバイト?」

「まあそんな感じ」

「……学校でバレたらヤバい実験をするんじゃねぇ!!」


 そう叫んでシンカイ先生を怒鳴りつけたが、先生はすでに机の上に並べられる実験器具とにらめっこをしている。


「叫ぶな愚者よ。手元が狂ってしまえば大変だぞ。あたしの邪魔はしないでくれ」

「よく教員免許取れましたね先生!?」

「大学教授になっても良かったが、それはそれでメンドウクサイ。あたしはここでのびのびと多感な時期の愚者共を趣味でそそのかしながら、やがて研究を完了させるのだ。フーハッハッハッハッ!!」


 シンカイ先生はガスバーナーを点け、そこから青い完全燃焼の火をビーカーに近づけた。


「……参考程度に、何を研究してらっしゃるので?」

「……知りたいか?」


 シンカイ先生は不気味な笑みを浮かべた。


「良いだろう良いだろう。科学者とは愚者に啓蒙を広めることも使命だ。今の研究はな、遺伝的疾患が治る爆発だ」

「それ爆発必要あるのか!?」

「キサマ! これが成功すれば遺伝的疾患患者が泣いて喜ぶんだぞ!? 立派な研究を愚弄するつもりか!?」

「だから! 爆発はいらねぇだろって言ってんだよ!!」

「爆発は絶対条件だ! 君は唐揚げを食べる時にレモンの果汁をかけないのか!? 爆発はレモンの果汁だ!!」

「勝手にかけられたら迷惑だろ!! レモンも! 爆発も! バイナップルも!!」

「好きに言え! 勝手に言え! どうせ愚者には分かるまい!」


 すると、炙っているビーカーの中身が赤く輝いた。


「おっと、爆発するな」


 シンカイ先生は、その一言を残して爆発に巻き込まれた。


 爆発オチなんて最低!

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


ごめんなさい、教頭先生はもう少し後かも。


いいねや評価をお願いします……自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……

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