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嫌なお泊り会 ②

注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。


ご了承下さい。

「トルコ料理風みたいなものですけど、うまくできて良かったです」

「やっぱり材料が無かった?」

「そうですねぇ……。羊肉って常在するものじゃないですよねぇ……」


 日本人の食卓にはそこまで並ばない気がする。羊肉って。


「どうですか? 美味しいですか?」

「満足通りこして大満足」

「なら良かったです」


 ……トルコ料理ってちょっと辛い。私が甘党っていうのもあるけど。


「……こんなにゆっくりして大丈夫なの?」

「問題はないと思いますよ。多分」

「多分かぁ……多分……。……嫌なお泊り会だなぁ……」


 ……えーと……NTRだと勘違いした幽霊がとり憑いてる女の子が私を狙ってる……かぁ……。けど何だかあの子……怖いんだよなぁ……。


 お風呂一人で入れるかな……。けど真希ちゃんと一緒に入るのはこう……何というか……それだけは超えてはいけない一線な気がする。


 と言うかもし男子だったらとんでもない事件が起こる。


 ……けど、気になる。ぶっちゃけ一緒にお風呂でも入れば、性別がはっきりする。一緒に入る理由も充分にある。


 ただ、うーん……。……もし男子だった時のことを考えると……。大惨事フカヒレ……。……フカヒレ? 何いってんだ私。


 諸々の議論が私の中で渦まいていたが、真希ちゃんが先にお風呂に入ってしまった。


 ……さて、と。どうする私。覗くか? 覗くのなら、まだ大惨事ではないはずだ。ただの惨事になるだけだ。


 それよりも下着を確認した方が確実で、バレないだろうか?


 ただ、何をやるにしても懸念点が一つある。真希ちゃんは、勘が良い。それも普通の勘じゃない。もう見えてるでしょってくらいに勘が良い。


 廊下の向こうから歩いてくる人を当て、背後に回ればすぐに気付かれる。先生が時々やる、あの教室内をぐるぐる回るやつ(通称巡回警備体制)も事前に察知して見られるとマズイものをすぐに隠す。


 とにかく勘、と言うか多分背中とかにもう一個か二個くらい目がないと分からないくらいには、周りを見ている。


 ワンチャンバレる。バレたら友情が終わる。


 あの優しい顔で「最低……」とか罵られたらもう立ち直れる気がしないッッ!! 「そんな人だとは思いませんでした」「もう近付かないで下さい」「うわっ……」「死んで下さい」とか言われたら、首吊って死にたくなるッッッ!!


 葛藤、葛藤で良いのかこれはッ!? 私は今、葛藤しているのかッ!? 友情を捨て真実を見つめるか、真実から目をそらし友のままいるのかッ!! その葛藤の最中だと、言うのかァッ!?


 あぁ……私は……どうすれば良いんだッッァァッッッ!!


 ……真希ちゃんとは、もう少し仲良くしたい。それが本音だ。だがそれはそれとして真希ちゃんの性別を知りたいのも本音だ。


 ……何で、こんなに知りたいんだろ。……それは私が人間だからだ。うん、そうに決まっている。


 悶々と周りに見えそうなくらいに考えていると、真希ちゃんがお風呂から上がってしまった。


 しっかし、パジャマ可愛いなこの子……。白いもこもこで暖かそうなもので、赤いハート柄の模様が可愛らしい。こちとら普段着体操服だぞ? もう女の子よりも女の子で良いんじゃない?


「……どうしました?」

「……へ? 何が?」

「何だか浮かない顔をしてたので」

「ああ……いや、別に……何でもない」


 真希ちゃんはきょとんと首を傾げた。あざとい何この子ッ! 恐ろしいッ!!


「何かあったらすぐに叫んで下さいね? もしかしたら入って来るかもしれないので」

「あぁ……うん……。分かった……」


 ……何だかスゴく疲れた……。


 脱衣所に入ると、やはり目に入る真希ちゃんが脱いだ服と、下着。下着だけなら……まあ、女性用って言っても問題はないだろう。


 やはり女の子か? いや……いやぁ? 男子の下着事情なんて知らないしなぁ……断定できない……。


 風呂場には、先程まで真希ちゃんが入っていたから湯気が少しだけ残っている。それに……ちょっとだけ甘い匂いがする。


 それこそめちゃんこ良い匂いがする女子みたいな匂いだ。あれ何で甘い匂いがするのだろうか。女子だけが発する匂い物質でもあるのだろうか。


 ……おっと、危ない危ない。真希ちゃんの匂いは麻薬か何かだろうか。


 シャワーを浴びている中で、背後から何だか不気味な気配を感じる。なんて言うんだっけこういうの。思い出せない。


 こういう時は、心の中で幽霊にシャドーボクシングをしかける。長年培ってきた私なりの対処法だ。


 幽霊は、怖くない。いや、怖くないと言えば嘘になるが、そこまで怖くない。更に言うなら、物理攻撃が効くなら何の問題はない。


 だから洋画のホラーは得意だ。あいつら最後は絶対ブッ殺されるから。だけど和風ホラーは本当に苦手だ。あいつら死なねぇし。


 チェーンソーでブッ殺せるならそれで良い。あいつら良く分からん札使ってようやく封じ込められるし、何か不穏な感じで終わるし。まあ、洋画も最後は不穏な感じで終わるものもあるにはあるけど……。


 とにかく、諸々の理由から、幽霊なら怖くない。怖いのは物理攻撃が効かない幽霊。OK?


 ……つまり、さっきから窓の方から全力で叩いている音は、全くと言って良いほど怖くない。怖くない。気のせいだ。


 いーや、現実なはずがない。そんなわけがない。


 それなら真希ちゃんの方を覗きそうだし、わざわざ私を狙わずに……。……狙い、私かぁ……。


 ちょっと見てみる? ちょっとだけ見てみる? いや……コワッ!! コッッッッッワッッッッッッ!!


 無理! 絶対無理! 見たら、私死ぬッ! そこら辺のホラー映画だと私死ぬッ!! 襲われて最初の被害者になるッ! 洋画だと陽キャかイケメンか美人だけどッ!! 和風だと特に関係なく皆平等に、殺されるッ!!


 でも気になるなぁ! 見たいなぁ! 人間だから見たいなぁ!!


 好奇心に負けて、私は窓の方を向いた。シャンプーで頭を洗っているから片目は閉じているが、はっきりと見える。


 何度も拳を叩き付け、般若の形相で私を睨む顔がそこにはあった。目は開きすぎて充血しており、その目をぐるぐると回して小刻みに震えていた。


 ……さて、と。


「ギャァァァァァァァァァァァ!!!」


 一切合切の可愛さを捨て、生物本来の悲鳴をこれでもかと叫び散らした。ここまで来ると近所迷惑に違いない。だが先に近所迷惑をしているのはあっちだ。これくらい許されないと理不尽だ。許されないのならそれは現代日本の法律の不備であり、私が法律を変えてやる。


 直後に風呂場の扉が勢い良く開かれた。


「大丈夫ですか涼夏ちゃん!」

「でーたァァァァァァァ!!」

「喉枯れますよ!? って本当にいる!! コワッ!!」

「ギャァァァァァァァァァァ!!」

「一回! 落ち着いて下さい!! もういませんから!!」


 もう一度窓の方を見ると、確かに姿が消えている。何事もなかったと言いはっている窓の向こうの景色が見える。


「……恐れをなして逃げた?」

「と言うよりは、私が来て逃げましたね」

「へー……。……で、いつ出るの?」

「……あ、ごめんなさいっ!!」


 真希ちゃんは両手で顔を隠しながら風呂場から逃げていった。


 ……あの反応は……どっちだ……? 男か女か……どっちだ……!? どちらもありえる。


 あんなことがあったからか、私は手短にお風呂を終わらせ着替えてリビングに戻った。


 そこでは、真希ちゃんが土下座で待機していた。まーきれいな土下座、惚れ惚れするくらいにはキレイな土下座。


 三つ指ついてこのままでんぐり返しができそうなくらいにはキレイな土下座。


「本当に……申し訳ありません……勝手に入って……」

「気にしてないから良いけど……。……じゃあ罰として、ちょっと犬のモノマネして」

「……はい……五常真希、犬のモノマネします……」


 真希ちゃんは仰向けになって肘と膝を曲げた。舌をぺろりと出し、少々頬を赤らめている。


 なるほど、四つん這いで「わん」とでも言うのかと思ったが、割と本格的で自分の強みを分かっている。まさか平伏のポーズだとは恐れいった。


 そのまま真希ちゃんは顔を赤くさせながら「くぅぅーん……」と呻いた。


 ……本当に、今日ほど、私が女として産まれて良かったと思う日はないだろう。付いてたら大変なことになってた。


 ……僅かに理性が吹き飛んでいたのか、私は真希ちゃんの腹を撫でた。ほどよく柔らかく、しかし確かな筋肉を感じる良いお肉。


 真希ちゃんは恥ずかしいのか、それともくすぐったいのか、更に顔をまっかにさせて私から視線を逸らした。


 ……これ、ワンチャンイケるのでは? ちゅーとか。成り行きでイケるのでは……!?


 ……しかし、もし手を出してしまったら、私はまあ……真希ちゃんの伯父さんに殺される。あの人怖いんだよなぁ……何だか優しい雰囲気も見えるけど……。


 普通に考えてあんなおかしな人がマトモなわけがないんだ。色々名刺持ってたし、黒塗りの高級車で来たらしいし! 絶対ヤクザだってあの人! ヤクザなら片方の目がないのにも納得できるし!!


 絶対喧嘩を売ったらいけない人でしょ。だから何もしない。こうしないと、ちょーっと、危険が危ない。


「……あの……いつまで……」

「……もう少し」

「……わん」

「もう一回言って」

「……わん」


 ……大型犬……。……身長私よりもデカいし、大型犬みたいなものか。


 無心に真希ちゃんの腹を撫で続けると、流石の真希ちゃんも声を漏らし始めた。……もう少しくすぐってやるか……。


「……あのー……まだですか……?」

「……犬は人の言葉を喋ると思う?」

「……わん」

「……それで、私はこれからどうすれば良いの? あの調子だと家に入りそうだけど」

「わん、わわん。わおーんわん」


 つまり「私がいるから大丈夫ですよ」ってことか。


 少し心配だが、まあ信じてみよう。今は真希ちゃんだけが頼りだし。


 ……それにしても、真希ちゃんの唇は綺麗だ。

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


NTR許すマジ


いいねや評価をお願いします……自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……

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