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少しだけ悩み、小さくお辞儀をしてから歩き出す。




「花崎さん、お疲れ様。」




歩き出した私の隣を、藤澤さんが並んで歩き出した。




「お疲れ様です。」




私も藤澤さんに挨拶をする。

少し歩いてから、「では、私はこっちなので。」と、出口の所で藤澤さんに伝える。




少し歩き始めた時・・・




また藤澤さんが私の隣に並んだ・・・




「送っていくよ・・・。」



「反対方向ですし、結構です。」



「結構遅いし・・・・・・そうじゃなくて・・・俺が、送りたいから、送らせて。」




そう言われ、隣に並ぶ藤澤さんを見上げると悲しそうな顔で笑っている。




「それなら・・・よろしくお願いします。」




初めて、藤澤さんに・・・初めて、男の人に、家まで送ってもらうことになった。




駅から歩いて15分、お互い何も喋らない。

その間、少し前に女の子達に言われた言葉を思い出し、嬉しい気持ちが込み上げてきた・・・。

そんなことを考えていたら、あっという間に私が住むアパートの前に到着した。




「ありがとうございました。」



「うん・・・。」




お礼を伝えお辞儀をし、顔を上げた時・・・










ポツ──────────ッ








と、顔に雨の雫が降ってきた。








藤澤さんを見ると、藤澤さんにもそれがあったようで・・・

お互い、顔を見合わせた・・・。




「早く、帰った方がいいですね。」



「・・・分かった。

じゃあ、また明日・・・。」





藤澤さんがゆっくりと背中を向け・・・





一歩・・・





一歩・・・









その、瞬間・・・










ザ─────────・・・・・








と、強い雨が降ってきた・・・。








それでも、ゆっくりと歩き続ける藤澤さんの背中を見て・・・







「うち、寄っていきますか?」






と、少しだけいつもより大きな声で言った・・・。














「結構濡れましたね?」



私の部屋の中に入った藤澤さんにタオルを渡したものの、そのタオルを呆然と眺めるだけで受け取らなかった藤澤さん・・・

その藤澤さんの頭やワイシャツなどを私が拭いていく。



その間も、藤澤さんは俯き何も言わない。

一通り拭き、藤澤さんの肩にタオルを掛ける。



藤澤さんを見上げても、私に視線を合わせることはない。



しばらく向かい合ったまま、数分間無言に・・・




「何か、ありましたか?」




私が聞くと、藤澤さんが小さくピクリと動いた。

そして、また無言に・・・




数分間そのままでいた時、藤澤さんの口がゆっくりと開いた・・・




「花崎さんは・・・?今日、何かあった?」




「私ですか?」




「うん・・・歩いてる時、少し笑ってたから。」




「私は今日・・・嬉しいことがありましたね。」





女の子達から貰った言葉を思い出し、少しだけ笑った。

そんな私を、顔を上げた藤澤さんが見詰める・・・






「胸・・・確認させて?」





生気のない表情で、その目には希望の欠片もなく・・・静かに揺れるような熱もない。






「花崎さんの胸、確認させて・・・?」






私は、藤澤さんの顔に両手をゆっくりと伸ばす・・・。






「いいですよ。」






驚いたような藤澤さんに、私は伝える。






「その代わり、もう、絶対に下を向かないで。

それだけは、約束して。」






両手を藤澤さんの頬に添え、ちゃんと、伝えた。
















「・・・っ・・」



私のベッドに座り足を開いた藤澤さんの間に立ち、ブラウスの上からソッと膨らみを触れられる。




両手で胸の横のカップに少し触れた後、その手を下のカップの方に移動させていく・・・




そして・・・

ゆっくりと、胸の谷間へ・・・




「・・・なんで、盛れるブラなの?」




「・・・ンッ」




両手で強く胸を握られた・・・

私を見上げる藤澤さんの顔は、怒っているのに悲しそうな顔でもある・・・




「こんなに盛って、どうするつもりだった・・・?」




そんな、全く意味の分からない質問をされ、私は返事が出来ない。

私をしばらく見詰めた後、藤澤さんはまた顔を下に向けてしまう・・・




その顔にゆっくりと両手を伸ばし、ソッと頬に触れる・・・





その時・・・





「・・・ブラウス、脱がしていい?」





驚き、固まる・・・。

ゆっくりと顔を上げた藤澤さんは、生気のない表情で、その目には希望の欠片もなく・・・静かに揺れるような熱もない。




「ブラウス、脱がしていい?」




また聞かれ、私は何も言えないまま藤澤さんを見下ろす・・・




「ソレは・・・脱がさないから・・・。」




呼吸が・・・自然と上がる・・・




そんな私に気付いた藤澤さんの目に、ほんの少しだけ希望の光が見える・・・




「ソレは、脱がさないで・・・確認するから・・・」




私は、目を1度閉じ・・・




ゆっくりと、開けた・・・




「いいですよ。」




その、瞬間・・・




ブラウスと下に着ていたキャミソールを勢い良く脱がされ・・・





強い力で抱き締められたかと思ったら・・・




私の唇に藤澤さんの唇を思いっきり付けてきて・・・




そんな中、藤澤さんの苦しそうな目を・・・でも、そんな中にも少しだけ希望の光を込める目を見る・・・




私は静かに目を閉じ・・・




唇を開き・・・




藤澤さんを、受け入れた・・・。




長いキスの後、抱き抱えられベッドの上に静かに寝かされた・・・




私の上に跨がり、息を上げた藤澤さんが自分のワイシャツのボタンを外そうとしていく・・・

でも、その手は大きく震えていて、1つのボタンも外せないでいる・・・




私はゆっくりと起き上がり、震える藤澤さんの手に自分の手を添える・・・




それでも、震えが止まらない手を、藤澤さんが強い力で握り締めた。




「俺・・・カッコ悪いな・・・」




乾いたような声で、藤澤さんが呟く。




藤澤さんに脱がされたブラウスを、また藤澤さんに渡された。




「ごめん・・・帰る・・・。

本当に、ごめん・・・。」




パッと私から顔を逸らし、ベッドから立ち上がった・・・




その手を、私は掴む。




私もベッドから立ち上がり、藤澤さんの前に立つ。

見上げた藤澤さんの綺麗に整った目からは、静かに涙が流れている・・・




その涙を、私の手でソッと拭った・・・。





そして・・・





立ち尽くす藤澤さんの、濡れているワイシャツのボタンを、1つずつ、1つずつ、外していく・・・。





ワイシャツとシャツをゆっくりと脱がしていくと、細い体に筋肉がしっかりとついている・・・




その身体に、優しくキスをする・・・




それに、藤澤さんの身体が小さく動いた。




私は静かにしゃがみ、藤澤さんのスーツのベルトを外し、ズボンと一緒に下ろしていく・・・




藤澤さんのパンツにも手を掛けた時、藤澤さんの震える手が私の手を止めた・・・




「やめますか・・・?」




藤澤さんを見上げながら聞くと、また今にも泣いてしまいそうな藤澤さんの顔が・・・




「電気、消しますか・・・?」




聞いた私に、藤澤さんは小さく首を振る。




私は視線を逸らしながら、ソッと藤澤さんのパンツを下ろし、自分もすぐに立ち上がった。




スカート、ストッキングをサッと脱ぎ、ショーツも脱いでいく。




そして、藤澤さんに向き合った・・・




泣きそうな顔のまま、それでもその目には・・・




希望の光が、増している・・・。




私は少しだけ笑い、藤澤さんの手を握り・・・




ゆっくりと、私のベッドへと導いた・・・。







「・・・っ・・っ!!」




私のベッドに仰向けになっている藤澤さんの細い体の筋肉に、優しくキスをしていく。

その度、藤澤さんの身体が何度も大きく動き、短い息が漏れていく・・・





「花崎さん・・・っ、ごめん・・・俺もう、無理かも・・・」





そんな声が聞こえ、私は最後に藤澤さんのソコに優しく何度かキスをする・・・





膝で立ち上がり、ゆっくりと藤澤さんに跨がる・・・





藤澤さんのソコに手を添え、藤澤さんを見下ろす・・・





苦しそうな顔で、でも、その目には確かに希望の光がある・・・





そんな顔で私を見上げ藤澤さんに、少しだけ笑いかけ・・・





私の腰を、ゆっくりと、沈めていった・・・。














私の部屋の中に、2人の吐息の音が混じり合う・・・




藤澤さんを見下ろしながら何度も腰を動かし、動かし、動かし続ける・・・




少し藤澤さんの上に身体を傾けた私の胸に、藤澤さんがゆっくりと両手を伸ばした・・・




その手は、まだ震えていて・・・




私は藤澤さんの両手を取り、自分の胸・・・ブラジャーの上に持っていく・・・。




そのまま、苦しい顔で目を閉じては何度も開け、私を見詰める藤澤さんを見下ろし腰を動かす・・・





「・・・あっ・・・花崎さん・・・っ!!」





藤澤さんの焦った声を聞き、私は藤澤さんのソコを私の中から手放す・・・





少しだけ藤澤さんのソコを見た後・・・何度か手で触れ、終わった・・・。





2人とも無言の中、私は藤澤さんの身体をティッシュで拭っていく。

拭い終わり藤澤さんを見ると、藤澤さんが身体を起こした・・・。

そして、私を優しく抱き締め・・・優しくキスをして・・・





「もう少し・・・もう少しだけ、一緒にいて・・・いい?」





私の首筋に顔を埋め、そう聞かれる。





「いいですよ。」





そう答えると、苦しいくらい強く抱き締められた。

藤澤さんの細い・・・でも筋肉もしっかりついている身体に、私も少しだけ手を回した・・・。





開けたままのカーテンの窓からは、雨の音が聞こえていた・・・。

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