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破魔ノ剣(1)

 上下の世界を繋ぐエレベータは、高速で私達を別の世界へと連れて行く。外の景色は一切見えず、気づいた時には既に世界は切り替わる。エレベータから出た場所には、プリミドールと同じような構造のターミナルがあった。感覚的には、エレベータに入ってそのまま扉を開けて出てきたような気がしたが、実際には別の世界なのだから不思議なものだ。

 周囲を眺めると、ターミナルの利用客はプリミドールより少ない様子だった。ミュレイは腕に抱えた饅頭が大量に入った紙袋を揺らしながらヨロヨロと歩いている。多分腕力が低下しているのだろう……。こういう言い方もなんだけど、それ手放してウサクに持たせればいいのでは。


「さぁ~て、さっさと向かうかのう……。遊楽都市“ローティス”へ」


「遊楽都市……ローティス?」


「プリミドールをはじめとした、上位界層の人間が遊ぶ為に作られた下層の楽園……という謳い文句の都市じゃ」


 なんでも、このエル・ギルスという世界には上位界層の人間が遊ぶ為の施設がいっぱいあるらしい。街が丸ごと、そうした人々を迎え入れるレジャー施設になっているんだとか。

 しかし、そんな派手な世界にしては駅に人の姿は少ないし、たまにすれ違う人もなんだかやつれているような気がする。そんな疑問を抱えつつ、列車を乗り継ぎ私達のエル・ギルスでの旅が始まったのである。

 再び列車で同じく気まずい空気が流れる事数時間――。その間、私は少しだけ目を閉じる事にした。思えば昨晩はロクに眠れなかったし、身体は旅できちんと疲れていたのだろう。直ぐに眠りにつく事が出来たのだが――それがよくなかった。

 随分と昔の夢を見てしまった。それは、まだ私が彼と共に居た時間の夢……。彼は、内気で社交性のない私をいつも楽しませてくれた。よく、私の手を引いてあちこちに連れ出してくれた。電車にも、よく二人で乗ったものだ。忘れられない、大切な思い出……。

 夕焼けの中、冬の世界を二人で眺めていた。彼はその日見た映画の文句ばかりを言っていたけれど、そういう口ぶりにしては随分と楽しそうに見えた。私は眼鏡を外し――眩い世界の光に目を細めていた。

 彼はふと、唐突に私の首に自分が巻いていた紅いマフラーを巻いてくれた。寒そうだからと……女性の優しくするのは当たり前だと無邪気に笑う彼の横顔が、未だに忘れられずに居る……。

 そう、それは既に終わってしまった物語の夢……。彼は死に、もうこの世界の何処にも居ない。私が……彼を殺してしまったのだから。もしも、もう一度……もう一度だけ出会えたのならば……彼に謝る事が出来るだろうか――。

 夢は唐突に終わりを告げた。気づけば外は夜の闇に染まり、列車は駅に停車している。遊楽都市ローティスに到着したのだと悟り、私は立ち上がった。

 四人で一緒に列車を出て、真っ先に見えたのは夜の闇の中に浮かぶ膨大な数のネオンと町中にかかっているわけのわからない音楽だった。その町は非常に両極端だった。身なりのいい男女が楽しそうに道の真ん中を歩いているかと思えば、道端ではみすぼらしい格好の人々が倒れていたりする。

 笑い声とはしゃぎ声が響き渡る世界は、私に嫌な事ばかりを思いださせた。首に巻いたマフラーを片手で引き上げ、静かに目を伏せる。ここに……ミュレイを救う方法があるのだろうか。


「さて、向かうとするかのう……。昴、大丈夫か?」


「え? うん、大丈夫だけど」


「…………“ほくと”、というのは……お主の男か?」


「え――?」


 その名前を聞いた時、時間が止まってしまうかと思った。何故ミュレイがその名前を知っているのか……。目を真ん丸くしていると、ミュレイは悪戯っぽく微笑み、それから私の小脇を突付いてきた。


「寝言で何度も呼んでいたぞ? お主も隅に置けぬやつじゃのう♪」


「え……? えぇっ!?」


「なっはっは~! ほれ、先を急ぐぞ! この街は入り組んでおる、はぐれても知らんぞ」


 ミュレイは軽快に笑い飛ばし、先を進んでいく。なんだか……言動も子供っぽくなってきている気がするのだが、まあ元々こんな性格だったような気がしないでもない。

 それにしてもミュレイに聞かれたという事は、ウサクとゲオルクにも聞かれてしまったということだろうか。それは……かなり恥ずかしい。顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。もう……死にたい。

 ミュレイたちに追いつけるように、駆け足で移動を開始した。夜の闇に浮かぶ光の街、ローティス……。きっと、私は苦手な町だと思った。こんなに眩しかったら……小さな光はきっと消えてしまうから。


「そうでしょ……“北斗にいさん”――」




破魔ノ剣(1)




「…………。あの……ミュレイ? 本当に、ここが目的地なの?」


「うむ、そうじゃ」


 いや、そういわれても――。目の前にある巨大な建造物は、どう見てもおピンクなお店にしか見えない……。

 ローティスの中でも、特に歓楽街としての色が濃い町の北部、更にその中でも風俗街としか表現のしようがない、いかがわしいお店ばかりが並ぶエリアに私は立っていた。場違いすぎて色々な意味で逃げ出したかった。さっきからウサクが色っぽい格好のお姉さんに声をかけられまくり、物凄い勢いで憔悴しきっている……。

 目の前にある店は“バテンカイトス”という名前の……。何をするお店なのかはあまり考えたくないお店だった。外見的にはお城のようにも見えるが、周囲の店と比べればまだ落ち着いたように見えない事もなく黒塗りの城壁に、ピンクの看板がかかっている。

 なんだかもう、立っているのも辛い……。こう……色々な意味で辛い。さっきから男女二人組みとやたらすれ違う意味もあまり考えたくない。何でミュレイはこんな所に来てしまったのだろうか……。当のご本人様は十歳の肉体だというのにまるで戸惑っている様子はない……まあ、ミュレイだしなぁ。


「ここに来たって事は、やっぱりあいつか」


「うむ。他に、今の所わらわより術の扱いが上手い者が思いつかぬ」


「……ゲオルクとミュレイは、結構こういうところによく来るの?」


 と、質問して気づいたのだがなんだかこれは全く別の意図の質問に聞こえるような気がしてくる。いや、そういう意味じゃない。そういう意味じゃなくて……。

 一人であたふたしていると、ゲオルクが溜息を漏らしミュレイは楽しそうに笑っていた。くそう、絶対馬鹿にされている……。ウサクは――さっきからずっと念仏を唱えながらあらぬ方向へと視線を向けている。もう、ウサクは駄目だろうな……。


「ほれ、何をキョロキョロしておる? さっさと店に入るぞ」


「う!? は、入るのっ!? こんなえっちなお店に!?」


「えっちとはなんじゃ、えっちとは……。立派な店ではないか」


 全くそういう問題ではないというか私は未成年というかいやまあ来年には二十歳になるはずだったんだけど元々こういう場所には縁が無いというかあったとしてもそんなあっけらかんとはしていられないというか……。

 悩む私の手を引き、ミュレイはずんずん中に進んでしまう。城の扉を開くと、中は更に城の様相である。西洋風の落ち着いた内装といかにも高級そうな調度品が飾られ、床は一面赤いカーペットで覆われている。エントランスの頭上には巨大なシャンデリアが下がり、それを取り囲むように螺旋階段が上へと続いている……。

 この金のかけかた手の込みようは普通ではない気がする……。しかし、やっぱり店内もピンクな雰囲気だ。一刻も早く、ミュレイの呪いを解いてここから出て行きたい。


「いらっしゃいませ。当店は完全会員制となっておりますが……」


「久しぶりじゃのう。わらわじゃ、わらわ!」


 黒いドレスを着用した、以下にも淑女といった感じの受付嬢に駆け寄り、ミュレイはカウンター前で背伸びして彼女の顔を覗き込んだ。ひらひらと手を振っているが、受付は気づく気配がない。


「むむ……! この姿では判らんか……。しょうがないのう、どっかに会員証があったと思うのじゃが……」


「……もしや、ミュレイ様で?」


「おぉ、そうじゃそうじゃ! わらわがミュレイじゃ♪」


「これはまた、随分と愛らしいお姿に……」


 何故か普通に話が進んでいるのが逆におかしい気がした。ミュレイはなにやら受け付けさんと話をしていたので、手持ち無沙汰だった私は背後を振り返ってみた。

 相変わらず、ゲオルクは腕を組んで黙り込んでいる。彼の顔には大きな傷があり、それが更に強面を強調している……。一方ウサクは目を回しているかのような状態でひたすらに念仏を唱え続けている。可愛そうに……。


「お~い、話がついたぞ! こっちじゃ~」


 ミュレイが受付嬢と一緒に手を振っている。私達はそれに続き、共に螺旋階段を上っていった。このしょうか……お店は、七階建ての建造物らしい。階段を上る途中、ちょっと聞きたくなかったカンジの声とかも聞こえてきてドキドキ物だったが、何とか最上階まで上る事が出来た。

 最上階といえば偉い人がいそうなものだが、ミュレイは何も言わずに両開きの扉を勢いよく開け放った。ノックくらすればいいのに――なんて事を思いながら中を覗き込んで私は絶句する。そこは、部屋ではなかった――。

 いや、元々は部屋だったのだろうが、崩れてきた本やら怪しい機材やらで滅茶苦茶に散らかっており、その散らかった学術書のベッドの上に寝転がるようにして一人の女性が本を読んでいたのである。黒いスーツを身に纏った、端正な顔立ちの女性だった。以下にもクールと言った感じの鋭い視線がこちらを捉え、しかしミュレイはあっけらかんと手を振った。


「久しぶりじゃのう、メル」


「…………。ミュレイ?」


「おぉ!? 一発で判ってくれたのはお主が初めてじゃ! 流石我が友じゃな」


「……また実験失敗?」


「そうではない、ちゃんとした理由があるのじゃ……っと、紹介しよう。ウサクと昴は初対面じゃろう? 彼女は、この娼館の経営者にして魔術師でもある、メリーベル・テオドランドじゃ」


「厳密には魔術師ではなく錬金術師」


 ぴしゃりとそう訂正し、メリーベルは本を閉じると同時に立ち上がった。ヒールの音を鳴らしながら近づいてくる彼女の体躯は非常にスレンダーで、目つきや口調も相まって若干病的にさえ見える。いかにも伸ばしっぱなしですといわんばかりの長い前髪の合間、綺麗な瞳が私を見ていた。

 その目と視線が合った刹那、私の脳裏に何かが蘇ってきた。私と彼女は初対面……確かにそのはずだ。こんな所に来るのは初めてだし、もう二度と来たいとも思わない。だが――何故だろう? 私は彼女の姿に見覚えがある気がした。

 そうだ、忘れてしまった現実世界での記憶……。殆どの事は覚えているのに、何故かこっちに来る前後の記憶が私の中では混線したままだった。片手で頭を押さえ、考えた。何か……何かが引っかかるような気がする。そうだ、確かあの日、大学の花壇の前で――。


「――それで? どうして小さくなったの?」


 メリーベルの声で私の思考は中断された。するとすっかり頭の中に蘇りかけていた記憶は消え去ってしまう。やはり、気のせいだったのだろうか……。


「うむ、それがまた少々厄介でな……。話すと少し長くなるのじゃが」


 ミュレイはそうして今まで起きた事を語り始めた。その間、メリーベルはまるで顔色を変える事無く、コクコクとひたすらに頷いていた。ちゃんと話を聞いているのかどうか不安だったが、多分聞いているんだろう……。

 その間私は暇だったのでその辺に転がっている本を手にとって見る事にした。やたら難しそうなタイトルに、こちら側の世界の言語で記された文章……。しかし、何故かこっちに着てから文字は不思議と読めるようになっていた。あまり今まで深く意識はしていなかったが、これも結構不思議な現象だ。


「異世界跳躍に必要とされる特殊な環境と条件、その人為的構築についての理論……?」


 駄目だ、何の事なのかさっぱりわからない……。若干自分にも関係のありそうな単語が混じっているようにも見えるが……。

 そしてやはり、気まずい……。そもそも初対面の人間と仲良く話せるような性格じゃないのは判りきっているんだが、それにしたって気まずい。ゲオルクはだんまりを続けているし、ウサクはさっきから落ち着きなく貧乏ゆすりを続けているし、唯一ストレスなく会話可能なミュレイはメリーベルにとられてしまっている。

 何でもいいから早く話が終わって欲しい……そう祈り続けていると、どうやらようやく二人の会話が終了した様子だった。メリーベルは一人で机の上に放置してあったクッキーを齧りながら何やら本を読みふけっている。一体どういう結果になったんだろうか……。


「皆の者聞いてくれ。今後の方針なんじゃが……」


 ぞろぞろと集まってくる男二人と私。そして次の瞬間、ミュレイはけろりとした様子で告げるのであった。


「わらわは、暫くバテンカイトスに泊まる事にする」


「はいぃ?」


 無論、こんな所にいたいわけもないのだが……。なんでも、詳しい事はミュレイの身体を調べてみないとわからないらしい。というわけで、数日の検査入院――入院ではないので検査お泊り……という事になったのである。

 私達にも部屋が割り当てられたのだが、どう考えてもアレな部屋でベッドは何故か回るし、部屋の内装は派手だし、正直落ち着いて眠れる気がしなかった。しかしまあ兎に角、これで私の旅はとりあえずの停止……ということになる。


「はぁ~……っ」


 ベッドの上に身体を投げ出し、回転のスイッチを切る。天井にもなんか、鏡とかあって……すごく寝心地が悪い。ベッドもふかふかというか、若干硬めで実用的というか……うーん。いや、何が実用的なのかはあえて明言しないけど。


「ミュレイ、こんな所によく通って何してたんだろ……」


 あんまりそこは考えたくなかった……。まあ、あのミュレイの性格から推測するに何をやってても全然おかしな事はないような気がしてしまうのだが。いや、何をやってるっていうのはべつに何ってわけじゃなくて。さっきから思考が纏まらない。


「それにしても……メリーベル・テオドランド……か」


 携帯電話を取り出し、メモ帳にその名前を記しておく。何となく、今後必要になってくるような気がしたからである。折角暇なのだから、私は今日までの出来事、そしてこの世界の事をざっと書き記しておく事にした。

 正直、地名や人名やら、世界のルールなんかがしっかり把握出来ているのか怪しいところがある。まあ、行き成りこんな所に投げ出されて全部覚えろと言われても無理なわけだが。

 それにしてもどうして携帯電話の電池が切れないのだろうか。ずっと電池はマックスのままだ。カチカチとキーを叩く作業が暫く続き、それも終了してしまうと一気に部屋に沈黙が訪れた。隣の部屋からは女性の声が聞こえてくるし、もう踏んだり蹴ったりである。布団の中にもぐりこみ、もう何でもいいから眠ってしまう事にした。ミュレイの検査が終わるまでの辛抱だと自分に何度も言い聞かせながら……。




 しかし、私の願いはあっけなく砕かれる事となった――。

 ミュレイの身体の検査は数日に渡って行われた。ミュレイの身体に何が起きているのか、そして原因が何であり、どうすればそれを元に戻せるのか……。どうやらミュレイが考えていた以上に事態は深刻だったらしく、呪いも強い物だったらしい。

 その間私はすることも無かったので、部屋から一歩も出ないで引き篭もっていようかと思ったのだが……そうもいかなかった。部屋にいる私を引っ張り出したミュレイは、そのまま私をバテンカイトスの地下に連れ込んだのである。いや、別にいかがわしい事があったわけではない。バテンカイトス地下の倉庫スペースの一画を借り、私が行っていたのは剣術の訓練であった。

 私が足手まといだから、ミュレイはこんな事になってしまったのである。せめて足手まといにならないくらいに強くなりたい……そんな風に考えたのは数日前の事だ。しかし、私は早くもその言葉を後悔しつつあった……。


「どうした、もうへばったのか?」


「……うぅ~」


 恨めしげに見上げた所で、剣術の先生は――ゲオルクは手加減などしてくれない。剣術に明るくないというウサクを除けば、暇なのはゲオルクくらいのものである。ミュレイに頼まれ、ゲオルクも嫌とはいえなかったのだろう。こうして私の特訓に付き合ってくれている。

 かくして特訓が始まったわけだが……ゲオルクはやはりというか当然というか、私に対しても容赦というものが全く無い。厳しい基礎トレーニングから実戦形式の稽古まで、色々とやってみて思う事はただ物凄くツラいという事だけだった。

 私は部屋の中に引き篭もって本とか読んでるのが当たり前の根暗な女なのだ。世に多く存在するリア充さんたちがどんなもんかは知らないが、少なくとも私は遊ぶ体力すらないのだ。マジ軍隊の訓練なんてついていけるはずがない……。


「全く、本当に根性も向上心も無いやつだな」


 呆れた様子で肩をすくめるゲオルク。しかし、そんな事を言われても……疲れるものは疲れるし、痛いものは痛いのである。いかに木刀だからといって、叩かれて痛くないわけがない。

 私の動きに問題があれば、ゲオルクはバシバシ木刀で叩いてくる。全身に数え切れないほどの痣が出来ているのだが、そんなものはほっとけば治るといってゲオルクはまるで取り合ってくれなかった。

 ともあれ、強くならねばならないのは事実……。このままでは足を引っ張るばかりで、ミュレイを困らせる事になる。ミュレイはあんなにも、私の悪い所も含めて全てを受け入れてくれている……。だったら、それに応えなければならない義務が私にはあるのだ。

 立ち上がり、木刀を強く握り締める。やりたくて、やってるわけじゃない。こっちにだって、来たくて来たわけじゃない。この世界に、私が居る意味なんてない……。でも、何もしなくていいわけじゃないから。それを、言い訳にしてはいけないから。


「もう一度……!」


 剣を構え、ゲオルクを睨む。ゲオルクは軽く肩を回し、それから挑発するかのように指先をくいくいっと引いて見せた。根性や気合でなんとかなるなんて思っていない。でも――それでもないよりはましだから。

 大声で喚きながら、私は走り出した。勿論その直後、私が振り下ろした木刀はあっけなく弾かれ宙を舞うことになったのだが――。

~はじけろ! ロクエンティア劇場~


*体調が戻りません*


うさ子「ねえねえ、昴ちゃん昴ちゃん」


昴「え……? うん、行き成り色々な意味で突っ込みたいけど、何かな?」


うさ子「リア充って、なあに?」


昴「…………」


ホクト「そういやお前、たまにネットスラングとか使うよな。流石引き篭もり」


昴「う、うるさいよ……。いいじゃないか、別に……。それに、大学には行ってたんだから私は引き篭りじゃない……」


うさ子「そういえば、昴ちゃんって主人公さんなの? ヒロインさんなの?」


昴「え……? 主人公じゃないの……?」


うさ子「だってぇ、昴ちゃん視点になると、全然戦闘シーンがないんだもん~」


ホクト「戦闘がないと、作者が書くの飽きるだろうが」


昴「それって私のせいなのかな……」


うさ子「昴ちゃんが~、ヒロインさんだったらぁ、それはそれでいっかなぁって」


シェルシ「あの……それ、困るんですけど……」


ホクト「いたのか空気姫」


昴「そんな空気嫁みたいに言わなくても……」


シェルシ&うさ子「「 空気嫁? 」」


昴「あう……っ」

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