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もうどうにでもなれだぜ!

 落ちていく――。遥かなる天空より、死と同義の大地へとまっさかさまに。

 伸ばした指先がするりと抜けて、温もりの余韻と共に遠ざかって行く。何故こんな事になった――? 理由は思い出せない。だが、あいつの悲しそうな顔だけが瞳に熱く焼きついていた。

 見上げる空は皮肉なまでに蒼く、全てが静寂の中にあった。落ちていく――。認識と自我の境界、俺ははっきりと“死”の足音を聞いた。

 死ぬ――。そう思った時、時計の針が巻き戻るような、そんな奇妙な音を聞いた。だが世界は元には戻らない。重力の法則から逃れる事も出来ず俺はただあるべき力に従い落ちていく。

 どんどんあいつが遠ざかっていく。何かを叫んでいるのが見える。だが何を言っているのかもうわからない。判断出来なくなる。認識がズレていく。俺は――死ぬのか?

 一瞬の静寂の後、まるで早送りのように空が遠ざかっていく。身体はアスファルトへと叩きつけられ、グロテスクにひしゃげるのだろう。血反吐を吐き出し、見るも無残に儚く散るのだ。人の身体の強度の限界を超え、俺は当然の理と共に死へと落ちていく。

 あいつは、どんな風に俺を見送るのだろう? 俺が死ぬ瞬間を見て、どんな風に生きていくのだろう? 出来る事ならばせめて……俺を見ないで欲しい。死ぬ瞬間くらい、お前は解き放たれていていいというのに。

 落ちていく――。遥かなる天空より、死と同義の大地へとまっさかさまに。


 断末魔の声さえ上げる余裕もなく、俺の五臓六腑は潰れて爆ぜた――――。




 “煩い”――。そう大声を上げたい気持ちを抑え、ロゼ・クラウンは小さく舌打ちした。それは今の彼に出来る精一杯の抵抗であった。

 砂上を駆け抜ける一両の列車があった。年季の入った外見からもその中身を想像するのは容易である。狭苦しい車内には左右の壁際に長椅子が置かれ、そこにずらりと様々な人々が座らされている。

 彼らは一様に手錠を嵌められ、まるで地獄へ向かって進んでいるかのように項垂れた様子である。実際、彼らにとってこの列車は地獄への引導を渡す物であり、その表情は決して間違いではない。

 ロゼは視線だけで周囲を眺め、それから隣に座った人物へと目を向けた。やはり、この緊張感のある車内の中でこいつだけなのだ。ぐうすかと、いびきをかきながら眠っているのは……。

 罪人を地獄へと運ぶ砂上列車の中、誰もが辛気臭い顔をしているというのに、この人物だけはぐうぐうと眠り続けている。それも出発からここまで数時間、ずっと眠りっぱなしなのである。

 一体どんな神経の持ち主なのか……。ロゼが溜息を漏らしたくなるのも無理はなかった。彼にはそれなりの理由がある。今、必死に思考のパネルをあちこちへと回転させている最中なのである。しかしこの人物のいびきのせいで、思考がまとまる気配はない。

 奇妙な人物だった。体格からして男だろうか。全身を白い布で多い、顔もやはり白い仮面で覆われている。一見すると何処かの呪い屋のように見えない事もないが、それにしたってあまりにも奇妙だ。


「ぐぉおお……っ」


「…………」


 ロゼは何も言わず、目を閉じる事にした。ロゼも周囲の罪人の例外ではなく、手錠を嵌められこのまま行けば数時間後には地獄の門を開く事になる。ここで思考をまとめなければ、それを避ける事は不可能となるだろう。


「やってやる。やってやるさ……」


 言い聞かせるように口の中で何度か呟いた。車内での私語は禁止され、常時ではないとは言え武装した騎士が車両を行き来しているのだ。久しぶりに発した言葉は小さく、しかしロゼに時間の感覚と思考を取り戻すのに十分な効果を発揮した。

 もう何時間も黙りこくってただ揺られているだけで、思考がすっかり麻痺してしまっている。出発の時は騒いでいた罪人たちも、まるで催眠術でもかけられたかのように今は一様に口を紡いでいる。冷静に思考を纏め、ロゼは組んだ指先を何度も組み替え呟いた。

 座ったまま前屈みになり、零れた汗が木製の床へと散っていく。出発前、ロゼには確固たる自信があった。この地獄行きの列車から脱出するという、確固たる自信である。だが今それは揺らぎつつあった。何時間もこんな所に缶詰にされていれば気が滅入るのも当然だろう。計画は上手く行くだろうか……何度も段取りを頭の中で組みなおす。構築しては崩し、また最初から……。まるで三途の河原にでもいるかのような気分だった。

 上手く行かなければそれで終わり……。嫌な予感を拭い去るかのようにロゼはきつく目を瞑った。ここまで来た以上、やるしかないのだ。開始時間まで残り僅か……。予定通りに全て事が進めば良いのだが。


「ふわぁ~あ……。あー、良く寝た……」


 その時である。隣に座っていた男が大きく伸びをしながら目を覚ましたのである。仮面をつけている所為で欠伸をしたのかどうかもわからなかったが、男は伸ばした腕が手錠で拘束されている事に気づき、小首をかしげた。それから周囲をぐるりと見渡し……あろう事かロゼの肩を叩いてきたのである。


「なあ。あんた、ここどこだ?」


「……はぁ?」


「だから、ここはどこだ……? あれ、なんだこの格好……? 意味不明なんだが」


「…………意味不明はこっちのセリフだっつの」


 苦々しく思いつつも結局はそう返してしまうロゼ。幸い今は見張りの騎士もいないのだ、多少喋ったところで小声ならばバレはしない。男は自分の状況がよく飲み込めていないのか、突然徐に立ち上がり、歩き始めた。


「お、おいっ!? 何やってんだ! 死にたいのか!?」


「死ぬ? 俺が?」


「馬鹿か! 見張りに見つかったらお前、その場で殺されるぞ! 頼むから僕の予定を狂わせないでくれよ!」


「…………なんだか良く判らんが、座ってりゃいいのか?」


「ああ、そうしてくれ……っ」


 男は素直にロゼの言葉を聞き入れ、元の位置に収まった。そうして暫く黙り込んだ後、再びロゼの肩を叩く。


「なあ、本気でこれがどういう状況なのかわからん。なんで俺はお面をつけてるんだ? こりゃどこに向かう列車だ?」


「お前……いい加減にしろよ。わからないわけがないだろ……? 罪人を“アンダーグラウンド”に輸送する列車の中だよ。って事は、なんだか知らないけどお前も何かやったんだろ?」


「いや、俺は清く正しく生きている……いや、まてよ? あれか……? あれなのか……?」


 男は項垂れ、暫く考え込んでいた。ここでこの男が騒ぎでも起せば、計画に支障が出るかもしれない――。ロゼはそれを思うと気が気ではなかった。実際、乗員が一人騒いだところで計画はどうこうなるはずもないのだが、神経質なロゼには悪い方向にしか想像が働かなかった。

 そうして再び、当たり前の沈黙が戻ってくる。最早ここは異界の中だったのかもしれない。男が立ち上がったり座ったり話したりしていようが、周囲の乗客は目もくれない。まるで死者を冥府へ運んでいるかのようだ。生きているのは自分だけ……そんな悪い妄想に取り付かれるロゼ。そんな時であった。大きな異変、予定を狂わす出来事が起こったのは――。


「何だ……っ!?」


 大きく列車が揺らぎ、乗員たちが席から振り落とされる。今まで時が止まっていたかのような静寂だけがあった車内に悲鳴と戸惑いの声が上がった。ロゼもその中の一人である。当然、予定の時間まではまだ早すぎる――。

 見張りの騎士が慌しく目の前を走り抜けていくのが見えた。ロゼは慌てて振り返り、外から光を取り込むためだけについている小さな丸い窓へとへばりついた。そうしてロゼは息を呑む――。砂上では、大いなる不運が列車に並走していたのである。


「よりによって、“魔物クリム”……!? こんなところで……!?」


 砂上の世界――そこは、“砂海”と呼ばれている。第六階層、“オケアノス”の七割を占める巨大な砂の海である。読んで字の如く、それらは細かい砂状の粒子によって構成されており、絶えず“上の世界”から零れ、この海に満ち満ちていく。

 船や列車を使わねばその上を進む事はままならず、生身の人間ならばゆっくりと砂の圧力の中に沈んでいくだけの死の世界――。そんな砂の中を生き生きと泳ぐ怪物の姿があった。

 砂の魔獣――。オケアノスに救う魔物である。蛇のようにうねる長い胴体に、魚のような頭部を持った異形……。砂にまぎれる黄色に似た色の鱗が光を弾き、何度か波間で輝いている。

 最悪だった。最悪と言う以外に表現する方法が思い浮かばなかった。冷や汗を流し、あとずさるロゼ……。次の瞬間、異形は一瞬で列車へと間合いを詰め、その巨大な胴体を強かに打ちつけたのである。二度目の衝撃――。続けて二度目の悲鳴が上がった。

 列車は本来の進路を外れ、見当違いの方角へと進行を続ける。その時点でロゼの計画は破綻を開始していた。車内に突っ伏し、焦るロゼ……。振り返った視線の先、直ぐ背後の車両は衝撃で切り離され、砂の海の中に取り残されていた。

 ただ落ちていくだけの砂の世界に取り残され、小さくなっていく車両……。そこにも当然、この車両と同じように狭い中に押し込まれた沢山の罪人がいたのだろう。そして次に沈んでいくのは自分かもしれない……ロゼは意を決して立ち上がった。


「くそっ! なんでこんな事に……っ!」


 歯を食いしばり立ち上がる。ロゼは突然その両手に力を込めると、あっさりと手錠は外れて床に転がった。手首を締め付けていた冷たく硬い金属の感触から解き放たれ、ロゼは車両を後にしようと歩き出した……その時である。


「ちょっと待てよ」


 背後から腕をつかまれ、一瞬見張りの騎士がやってきたのかと呼吸が止まる。しかし背後に立っていたのは例の白い布を被った男であった。


「鍵外せるんだろ? 俺のも外してくれよ」


「見てたのか……。放せよ、お前の鍵を外してやる理由がない」


「外してくれないなら邪魔するぜ? お前、この列車から脱出したいんだろ?」


 仮面で顔は見えなかったが、男がにたりと笑ったのが容易に想像出来た。まあ別に、外してやってはいけない理由も無い。自分の鍵を外してしまった時点で見つかれば殺されるのは間違いないのだ。ある意味、囮として使えるかもしれない――。ロゼは少々思案した後、男の手錠に手を伸ばした。

 ロゼの腕、服で隠された部分が淡く輝き、次の瞬間鍵が外れて男は自由となった。ロゼと同じようなリアクションを取り、それから男はロゼの隣に立った。相変わらずパニック状態が続いている車内において、二人だけが妙に冷静である。


「で? 何か手があるんだろ? 一口かませろよ」


「…………手なんて呼べる程大したもんじゃないよ。ただ、動力が付いてる車両は先頭のやつだけだ。そこから後ろの車両にいる限り、切り離されたら即アウト……」


「喋ってる暇があったら前に進んだ方がいいって事か」


 二人は頷きあい、同時に走り出した。ロゼは慎重に進もうと連結部で一度停止したのだが、男はロゼとは違いそのまま次の車両へと突っ込んでいく。

 次の車両にも見張りはいなかった。騎士も罪人の監視どころではないのだろう。このままではこの列車そのものが砂の仲間入りをしてしまうのだから。

 男は次々に列車を進み、二人は先頭車両の近くにまで移動してきた。その時、連結部分で様子見していたロゼに不幸が降りかかった。三度の魔物の体当たり……それにより、連結部分が目の前で解除されてしまったのである。

 慌てて飛び移ろうとするロゼの目の前、割り込むように魔物の胴体がうねりながら通過していく。その瞬間頭の中が真っ白になった。飛び移れない――それはつまり、死を意味している。死ぬ――。それをハッキリと自覚した瞬間、ロゼの身体はふわりと浮かんでいた。

 目の前にあったのはあの男の奇妙な仮面である。男は列車から限界まで身を乗り出し、虚空へと伸びていたロゼの手を掴んでいたのである。片足を砂の上に滑らせ、片手で列車を掴み男はロゼを引っ張り寄せる。砂に触れていたブーツが焦げつき、男は小さく悲鳴を上げてロゼと共に車両の中へと倒れこんだ。

 危機一髪であった。目の前で、つい先ほどまで一緒だった罪人たちが砂に流されていく……。肩で息をするロゼの隣、男はブーツの底を気にしていた。


「あ、ありがとう……危なかった……助かったよ。で、でもどうやって……?」


「あ? ああ、あの化け物の背中に片足付いて、お前片手で持ち上げて……化け物が通り過ぎたら砂の上を滑って、引っ張り寄せただけだ」


 言ってしまえば別段難しい事はしていないのだが、それをあの瞬間出来てしまうのが異常である。男は先ほどから、どこか感覚的にズレているかのようだった。慎重さに欠ける――いや、欠如しているのは迷いや恐怖なのかもしれない。

 あまり考えている暇は無い。男も焦げたブーツの事を気にするのは止めたようだった。二人は同時に立ち上がり、それから先頭の車両を見据える。そこでロゼは違和感を覚えた。その正体を確かめる為に駆け寄る。そして、思わず眉を潜めた。


「クソッ! 全然進路が修正されないと思ってたら……! 騎士は全員もう脱出艇で逃げ出した後か!」


「脱出艇?」


「先頭車両についてるんだよ……。もしかしたらそれが使えるかと思ってたけど、もぬけの空だ……!」


 操縦士を失った列車はただ闇雲に直進を続けるだけである。このままではどこに辿り着くやもわからない……。慌てて操縦室に飛び込むロゼ。その背後、男は腕を組んで周囲を眺めていた。


「さっぱりだな。俺には動かせない」


「僕が何とか動かしてみる……!」


「出来るのか?」


「ていうかやんなきゃ殺されるっ!! あんなデカブツ見たことないよ……! 早く、何とか進路を戻さなきゃ……」


「そうか。じゃあ列車の操縦はお前に任せる。俺はあっちを何とかする」


 何とかするって、何をどうやって――? ロゼがそう問いかけようと振り返った時であった。男は自らの身体を覆っていた布を掴み、一息にそれを払い退ける。

 現れたのは筋肉質な男の両腕であった。細身の体躯、しかし引き締まった肉体……。黒い髪が揺れ、何よりもその腕の刺青に目を奪われた。

 それはただの刺青ではない。所有者に力を与える、“紋章スコア”と呼ばれる物であった。だが、男の腕全体を覆うようなその巨大な紋章は普通の紋章などではない。ロゼには判る。ロゼも紋章を扱う人間なのだ。今までそれなりに種類は拝見してきた。

 だが、それはなんだ? 余りにも巨大で、余りにも無骨な紋章……。それが輝き、男の掌の中で剣を形作る。紋章と同じく無骨で黒く、巨大な剣……。それを肩に背負い、男は面を取り払った。

 異様な雰囲気の男であった。少なくとも、オケアノスで見る人種ではない……。思わず呆けるロゼの背後、男はゆっくりと靴を鳴らして歩く。そうして振り返り、笑みを作っていった。


「化け物は俺に任せろ」


「任せろって……」


「俺は強い。だから俺に任せろ。なぁに、化け物退治は初めてってわけでもないんだ。つってもまだ、三回目だけどな――!」


 剣を担いで男は車両から助走を付け、砂の海に跳んでいく。空中で剣を両手で構え、まっさかさま――。砂の上をうねる大蛇の腹へと着地し、鱗の上を火花を上げながら滑っていく。

 硬く、よく滑る鱗……それそのものが刃のように触れる物を切り刻んでいく。その小さな突起に擦れ、男の鋼の靴底が削れていた。踏ん張りを利かせ停止し、同時に剣を腹へと突き立てる。あんなにも硬く頑丈だった鱗が砕け、肉に食い込み血を舞い上げる。紅い噴水を前に男は笑みを作り、唇を舐めて走り出す。

 腹へと付きたてた剣を引きずり、一気に前へ――! 化け物の悲鳴があがった。腹の上の異物は胴体を掻っ捌きながら急所である頭部へと突っ込んでくる……。大蛇は雄叫びと共に列車に体当たりを食らわせる。男の体が衝撃で吹っ飛び、しかし突き刺した剣を軸に腹の上へと舞い戻る。うねる大蛇は今度は砂海の中へ――。男も当然、それに巻き込まれ砂中へ沈んでいく。


「お、おいっ!?」


 ロゼは窓の向こうを眺め思わず声を上げた。蛇は遠くへと移動しつつ、何度も地上と砂の中を蛇行している。進路は元に戻りつつあるが、男の安否には繋がらない。あれだけ何度も執拗に砂の中に引きずり込まれては、いくらなんでも振り落とされてしまうだろう。

 しかし予想に反して蛇はどんどん元気を失っていった。腹の上から男の影は消えたが、今度は激痛にのた打ち回るかのように激しく頭を上下させている。それが真っ直ぐに列車目掛けて突っ込んでくるのが見えた時、ロゼは今度こそ死を覚悟した。

 蛇の頭が列車に激突しそうになった瞬間、何故か突然その首は跳ね落とされていた。やや遅れ、列車の上に何かが飛び移ったような音が聞こえる。ロゼは窓から顔を出し、天井を見上げた。そこには切り落とされた魔物の頭に剣を突き刺し、全身返り血だらけで佇む男の姿があった。

 熱砂の風を浴び、男は気持ちよさそうに空を見上げている。ロゼは空いた口がふさがらなかった。なんだか良く判らないが、砂の中で何かがあり、結果として魔物の首は列車の上に転がっている……。


「よお、進路はなんとかなりそうか?」


「お前……何? 何なんだ?」


「俺? 俺か……。さぁな、俺もそれが知りたいんだよ。でもま、名前だけは知ってるぜ?」


 男は深く息を吸い、身体を伸ばし、それから唇を動かした。静かに唯一、己の中に残った名を紡ぐ――。




剣創のロクエンティア




 良く晴れた空の下、男は高層ビルを見上げていた。自身の体がどんな形になってしまったのかはあまり考えたくはなかった。

 あんなに高くから落ちたのか――他人事のようにそんな事を考える。道往く人々の晒し者になり、中身を晒し、ああ、まるで滑稽なエンディング――。

 意識が薄れていく。全てが暗闇に落ちていく中、誰かの叫び声が聞こえた気がした。それが全ての始まりにして全ての終わり。そう、物語のプロローグ――。

 男にとって二度目のチャレンジが今、この束縛された世界の中で始まろうとしていた……。

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