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しょうもないの極み  作者: シノザキ
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此処で会ったが百年目

忠告!

以下の文にはお食事中の方及び一部耐性の無い方への不適切な言葉が含まれている可能性があります。

「ぎゃあア゛ア゛ア゛ア゛ア゛?!」


まぁ、こんなものですよね、現実の女性の絶叫なんて。


ある穏やかな日の、洗濯物がよく乾きそうな昼下がりの事です。我が家に不穏な空気が流れました。


そう、ここから、予想もできない壮絶な闘いが幕を開けたのです。


何やら慌てた様子の母。いつも通り瞑想をしている父。現実の事を忘れ、音漏れの激しいヘッドセットに全集中している弟。そして昼寝中の猫。


私?あぁ、私はこの時、母にパシリという名の買出しに行かされていました。


いやそんな事はどうでもいいから、事件の内容を教えろ?はい勿論。元からそのつもりでしたよ。


おそらく最も端的に言わせていただくなら

『奴が出た』

でしょう。勘のいい皆様なら、もう既に事の運びが見えてしまったのではないでしょうか。


ご安心下さい。我が家が一般的な対処法をするわけがないので。


緊急家族会議を行う


これは我が家のシステムのうち、最も優先度の高い号令です。これが誰か1人からでも出された場合、例え学校の課題中(提出期限が明日)であったとしても、リビングに集まらなくてはならないのです。


私も報告を受けて買出しを中止し、急ぎ狭苦しいリビングへ駆けつけました。


私が手を洗いうがいをしてリビングへ滑り込むや否や、母が神妙な顔つきで一言言い放ちました。

「これより、緊急ゴキブリ(以下Gと記載)駆除班を結成する。」

一呼吸置いて、弟が手を挙げました。

「チームは」

「よく聞いてくれた。今回は...殺虫班、娘・父

後処理班、母・弟で行く!反論は認めない!」


「戦の狼煙は既に上がってるってか...!」


いつもは私の発言に突っ込む父も、この時ばかりは真剣な表情を浮かべていました。


「娘よ。新聞発行者の努力の結晶を」「はい父さん」

こうして殺虫班一同は、聖剣と言っても過言ではない武器を手に入れました。

多くの人の努力を、あの小さな悪のために振るう事を決意したのです。


「姉さん達が帰らなかったら、骨は拾っとくよ」

この一言が、生命をかけた戦いを、より確かなものにしました。

次回『落ち着け、奴はまだここに居る』

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