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閉鎖的空間の中で  作者: めい
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それからは看護師の前で便器にすわりみはられている排便、オムツで排尿する日々。そのかわり毎日1つづつ拘束が取れて行った。


右腕、左腕、右足、左足、、、、と言った具合だ。その度に小太りの医者が来て

「もうあばれないね?」

と、確認をとっていく。私は拘束が嫌で

「はい」

と、返事した。


すべての拘束が取れた日、私にもっと酷いことが待っていた。病室を移動するという。カーテンレールがある限りこの部屋には置いておけないというわけだ。私は何重にもわたる鍵付きの廊下を渡り、身体検査をうけかなり下の階の保護室に移った。


基本的に閉鎖病棟はナースステーションを通らないと入れないのであるが、そこには沢山のモニターが映っていた。なるほど。これでは自殺なんてできないわけだ。とぼとぼと歩くと、また拘束された。


赤いマットレスに両手両足の固定器具がついている。

(ふわふわマットレスだしこっちのがいいや)

と寝転んだ矢先、むきむきな看護師が4人ほどやって来て私を縛り付けた。あとからわかることだが、このフロアは急性期用で1番ヤバい病棟らしかった。


と、思ったのもつかの間、もっとやばい人がくるとおいだされてしまった。


その新しい部屋は地獄だった。拘束は外れたことぐらいしかいい事はなかった。

体育のマットに毛布はかわりないが、トイレについたてがない。和式で薄暗くカーテンは閉じられていて、まさに独房。しかもこの和式トイレ込でナースステーションに生中継されてるわけだ。あるのは時計だけ。


4畳程の部屋でご飯は地べたにおかれる。ダンボール机ってありがたかったんだなーとしみじみ思った。


やることはもちろんない。持ち込んで良いのはトイレ用のちり紙だけ。何枚鶴をおったかわからない。その中で響く時計の音。いやいや、ここにいる方がきがくるうよ。


ここまでやることがないと、私は隣のヤバいやつが気になってきた。彼女は、

「うぉらーおい!だせよこらぁ!!!!!」

と喚き回っている。よほどライオンみたいな人なのだろうか?そして興味は一周まわって

「ねかせてくれ」

に変わった。とにかくずっと叫んでるのだ。

檻だなここは、そう思った。

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