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閉鎖的空間の中で  作者: めい
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彼女の死

4人の兄弟と両親でくらしてきた。あぁ、後悔することばかりだな。そんな風に重い身体を首だけで支えながら思っていた。


私は長女、そして次女、三女、長男の、4人兄弟の長女。でも、三女の妹には、もう会えない。何故なら死んだから。13階から彼女は飛び降りた。2人の幼子を残して。


離婚して1人で育てていた彼女。離婚した理由には私もかかわっている。キスまでとはいえ、彼女の旦那さんと関係を持ったことがあった。バレないとかバレるとかそんなんじゃなく、私は男の人にチヤホヤされるのがすきだったのだ。当時結婚していた私も不貞であるし、正直彼以外にも関係を持った人が何人もいた。


最終的には彼女の旦那さんの酒乱が離婚の原因だったけど、彼女は子供と3人で生きていくことになった。そのあとすぐ彼氏ができた彼女は、その彼の帰ってくる前にオーバードース(薬の過剰摂取)を繰り返すようになり、最後は空を飛んだ。


運動神経の悪い彼女がどうやって柵を超えたのか未だにわからないけれど。私は間接的に彼女を殺した。それには間違いない。そのつぐないはするべきだった。


そして私にも子供が2人いる。いまだに解離性同一性障害だと信じてくれている。いつかこの小説をよんだらきっと許してはくれないだろう。


ならばもう持ちきれなかった。罪の重さを。


ギリギリと布が首にくい込む。これは私のうそが招いた報いだ。耐える。くるしい。じたばたと足をばたばたさせた。


その時慌てて2人の看護師が部屋にはいってきた。私の身体をグイッと上に持ち上げて、締めあげられていた体がふわっと浮いた。

(ああ、こんなふうにたすけるのか)

冷静な頭でそんな事を思った。確かに効率はいいし、ひっぱるよりいいな。


私の意識はぼーっとして、運ばれてきたベットにねかされた。

(なんでこんなにいいベットなのだろう?)

と思ったところで意識はとだえた。


私は1度でも死んだ余韻に幸せをかんじていた。


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