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8話


「……ふぁあ。うーん、よく寝たな」


よほど疲れていたのか、ぐっすり寝られた。

このベッド、めっちゃふかふかで気持ちいいんだよね。

おかげで調子は絶好調である。


「とりあえず泉で顔でも洗ってくるか」


ダンジョンの外に出て数歩のところに泉がある。

顔を洗い、とりあえずの朝の水一杯を飲むが


「腹減った……」


昨日、昼飯を食べてから何も口にしていない。

やはり水だけではお腹がすいてしまう。


「食糧シートは……多分ダメだろうな」


昨日、スライムにアルラウネとモンスターしか出てこなかったからな。

そのことを考えるとまともな食糧が出てくれる可能性は皆無だろう。


「やっぱ外に取りに行くしかないかなぁ」


場所は万能辞書に聞けば何とかなるだろう。

ただ、問題なのは


「……ダンジョンを留守にしなきゃいけないんだよな」


いや、確かにスライムとアルラウネはいるんだよ?

でもさ、一体ずつしかいない上に能力が



ステータス


ブルードスライム


種族:魔物


LV.1


体力:80/80

魔力:20/20


攻撃力:80

防御力:90

素早さ:60

知力:10

精神:10

幸運:100


スキル

凝血 LV.1


称号



【凝血】

体内の血液を固めることによって防御力が上昇する。




アルラウネ


種族:魔物


LV.1


体力:280/280

魔力:320/320


攻撃力:240

防御力:180

素早さ:120

知力:60

精神:90

幸運:100


スキル

吸精 LV.1

風魔法 LV.1


称号



【吸精】

対象の精を吸うことによって体力が回復する。




ステータス


成人男性の平均


種族:人族


LV.1


体力:300/300

魔力:100/100


攻撃力:100

防御力:100

素早さ:100

知力:100

精神:100

幸運:100


スキル


称号




ちょっと不味いよね。

平均的な男性でこれだからある程度レベルがある冒険者に攻められると……。

うん、詰む。


「かといってこのまま何も食べないと俺が死ぬしなぁ」


うーん、どうしよう。




――――考え中―――




「よし、できた!」


何をやったかって?

単純だよ。


一体一体の戦力が不安だなぁ。

     ↓

なら数の暴力で押し切ればいい!


というわけで増やしました!



ステータス


針井 弘 18歳 男


種族:見た目は人間


ジョブ:ダンジョンマスターもどき


LV.1


体力:10300/10300

魔力:180/10180


攻撃力:2420

防御力:2090

素早さ:1970

知力:2240

精神:2050

幸運:80


スキル

魔眼 LV.1

隠蔽 LV.1

吸血 LV.1

全耐性 LV.1

能力強化 LV.1

気配察知 LV.1

魔力感知 LV.1


称号

ボックス



ダンジョン


LV.1


ブルードスライム×14

アルラウネ×8




食糧シートでもう無理ですと言われるまで召喚した。

おかげで魔力はすっからかん。

その代りモンスターが22体にまで増えた。

これで安心して外に食糧を取りに行ける。


「んじゃ、スライムにアルラウネ達。侵入者の撃退よろしくね」


スライムはぴょんぴょんと跳ね、アルラウネは蔓を振って答えた……答えてるんだと思う。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「うっわ、もうだいぶ日が高い」


朝は薄暗かったのにもう日が高くなってた。

意外と時間がかかるもんなんだな……。


「えっと、万能辞書によると『検索結果:泉の向こうに行きましょう』か」


……。

正直頼りないが、取りあえず食べ物があるってことが分かればいい。


万能辞書をボックスの中にしまい、泉の奥の森を歩いていく。


エンカウントすることなく進んでいくと、何となく空気が他とはちょっと違う場所にいるような感じがする。

何というか、こう、空気の密度が濃くなったような。

見た目だけは普通に森なんだけどな。


「不思議な感じだな。……おっ、あった!果物っぽいのあるじゃん!」


ヤシの木のように果物がついた木がある。

しかも一本だけでなく何本も。


「ラッキー!場所もそんなに離れてないし、これはありがたい」


実は高さ3mくらいの場所に成っているが、今の素の能力で十分手が届く。

俺、本当に人間やめたんだなと改めて感じる。


でもとりあえず食いたい。

もう、お腹が限界だったんだよ。


「どれどれ、ではいっただきまーす……おおっ!結構






不味い」


口にした瞬間から後味まで苦みのコントラスト。

大きさも食感もパイナップルみたいなだけに残念すぎる。


「でもまあ毒は無いみたいだし、食糧が無い今ぜいたくは言えないからな」


ありがたく食べることとしよう。

あと良薬は口に苦しっていうしね。

これは体に良い食べ物なんだよ、多分。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ただいまー」


手に持てるだけのパイナップルもどきを抱えてダンジョンに戻る。

これでしばらくは食料に困らないはずだ。


「スライム、アルラウネ、侵入者は来た?」


スライムはピョンピョンと跳ね、アルラウネは蔓を振っている。

答えてくれてるんだとは思うんだけど、いかんせん動作の違いが分からん。


「えっとお知らせとかは……。うん、特に何もないね」


どうやら誰も来てないようだ。

よかったよかった。


「……そういえばスライム達って飯食べるのかな?」


ダンジョン内のモンスターは魔力があれば大丈夫だと思い込んでたけど、どうなんだろう?


試しにもどきの皮をむいて地面に置いてみる。

するとスライム達がわらわらと集まってきた食べ始めた。

ってことはと思い、アルラウネ1頭1頭にもどきをあげてみると、蔓を器用に使って食べている。


「へー、モンスターにとっては美味しいのかな?」


もどきがすごい勢いで無くなっていく。

あっという間に完食し、お腹がいっぱいになったのかスライム達は動かない。

アルラウネ達も目を閉じている。


とりあえずモンスターにとって美味しかったようでなによりだな。

俺もモンスター枠だが、皮だけは人間だから味覚も引き継いでるんだろうな。


中途半端というか器用に作られてるというか。


もう一生、人間のご飯が食べれないのは食べれないのは嫌だが、ただ今だけは魔物の舌だったらと思わずにはいられなかった。


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