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7話


急いで電源ボタンを押す。


『検索ワードを入力してください』


うっわ、これで調べれるんじゃん。

もしかして今まで説明が少なかったのって、これで調べろってことだったのかな?

もったいないことしたな。


「えっと、“食糧シートの使い方”っと」


『検索結果:魔力を注ごう』


「……」


そんだけかああああああ!

え?何?うん、もうあれだよね。

完全に俺のことイジメてるよね?


はぁ、何か悟りを開きそう。


「聞き方を変えれば出るよね?“食糧シートに魔力を注ぐ方法”」


『検索結果:食糧シートの中央に手を置こう』


「あ、手で触れないといけなかったのか」


魔力を注ぐっていうから、てっきり手をかざすのかと思ってた。

やっぱ先入観って失敗のもとだなあ。


「でも手を置いてどうするn……うぉっ!」


食糧シートに手を置くといきなり画面が出てきた。


『魔力を注ぎますか? YES/NO』


「もちろん、YESで」


その瞬間、自分の中から何かが抜けていくような気がした。

これが魔力なのかな?


ピロンッ


……多分またどうでもいいお知らせなんだろうな。

それより今は飯!


そう思い、出てきた食糧に目を向けると


「……」


真っ赤なぶよぶよしたものがいた。


……ちょっと考えてみよう。

俺は今、飯が食べたいから食糧シートに魔力を注いだ。

なのに何か赤い、どう考えても有名なあれがでてきた。


うん、おかしい。


あ、さっきピロンッて音がしたのはこのせいか!?

そう思い、急いでお知らせを見る。


『針井 弘は魔力感知を手に入れました。

ブルードスライムが召喚されました』


前半は良い。

むしろポイントが無い今はありがたい。


問題は後半。

は?スライム?意味が分からん。

俺は飯が食いたいんだよ!

スライムなんか食えるか。

てかブルードって血だろ?

マジでありえねえ。


……もしかしてあれか?

半吸血鬼だから食糧も血のスライムになるってことか?


「確かにそう考えるとスライムが美味しそうに見えて……」


きません。

絶対に来ません。


だって色がグロいんだよ?

深紅系ならまだ我慢できるよ?

でも赤に黒が混じった色だよ?

無理無理無理、絶対無理。

しかも何かなめくじみたいに動いてるんだけど。


うぅ、可愛くない。

スライムってプニプニして可愛いのが定番でしょ!

何でこんなところだけリアルなんだよ。

まあ逆に可愛くても食べれないとは思うけど。


もう一回だけやってみよう。

もしかしたらまともな食べ物が出てくるかもしれないし。


『魔力を注ぎますか? YES/NO』


「YES!」


頼む、まともなの来てくれ。


ピロンッ


という音と共に出てきたのは


「……食糧ではないのは確かだな」


大きな花冠の中に生えた女性だった。

大事なところは長い髪や花で隠されている。

でもそれがエロい。


さっきのスライムからいくと、何でこのモンスターが召喚されたか想像できてしまうが、とりあえずお知らせを見る。


『アルラウネを召喚しました』


あー、やっぱそんな系統のモンスターか。

確か人を誘惑し、その精をウフフな事またはバリバリと食らうんだっけ?

しかもアルラウネのつける果実は媚薬の効果があるんだよな。


アルラウネは食欲じゃなくて、性欲の意味で食べろって言いたいんだろうな。

でもな、


「俺は腹が減ってんだよおおおおおおおおおお」


もう何なの?マジで。

これ、お兄さんが作ったんだよね?

なら普通、人が使うように設計しないの!?

何で魔族に対応してるんですか。


「……まさか壊れてないよな?」


今、すっごく嫌な考えがよぎった。

転生した時の負荷で機械に支障とかでて無いよね?


急いで万能辞書を開き検索する。


「“転生時の負荷はどう影響した?”」


『検索結果:変化して対応したよ。僕の予想の斜め上に行っちゃったけど』


マジかあぁあああああああ!

嫌な予感が的中してしまった。

てかやっぱ転生の時の影響出てんのかよ。

……そりゃそうか。

俺だって人間の皮かぶったモンスターになったくらいだもんな。

機械がぶっとんでたってしょうがないか。


「てか検索結果の僕って誰だよ」


『検索結果:僕は僕だよ』


「ブフォッ、何も検索してないのにいきなり答えんな。てか自我持ってる!?」


『検索結果:驚くことかな?それよりもう容量が無くなりそう』


「いや、普通おかしいから!まあ、あのお兄さんだから仕方ないけど……。てか電池無くなるのはやっ!」


全部の検索時間合わせても30秒もたってないよ!?

しかもちゃんとこまめに閉じてたからね。


『検索結果:充電は勝手にするね。それでも容量的に一日30秒しか使えないと思うけど』


言いたいこと言い終えたのか、画面が真っ暗になってしまった。


「……何だったんだ?」


まだ頭の理解が追いついてないが、とりあえず話し相手ができたようだ。

一日30秒限定だけだけど、それでも嬉しい。


「とりあえず分かったことは、


・簡易ハウスとか食糧シートが名前にそぐわないのは転生時の影響。


・最初お兄さんがくれた時はちゃんとまともなのだったっぽい。


・万能辞書には自我がある。でも話せるのは一日30秒


ってところか?」


うーん、もっと色んなこと聞きたかったのにな。

この世界のことまだよく分かってないし、他にも……ってあぁああああああ!


「食糧どうしよう……」


もう暗いので外に取りに行くこともできない。

よって夜ごはんはお預けとなりました。


……お腹すいた。


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