第八章「職員室にて」
「積木、お願い!一緒に職員室についてきて!」
加奈は学校が終わり、一緒に帰ろうと誘った積木に
そうお願いしてきた。
「いいけど…なんで?さては…、悪いことでも。」
積木はわざと真面目な顔をして言った。
「そう…実は校長先生も○ーブ2○をつければ
いいのに、って言ったとき、丁度クラスに入ってきてさ…、
なわけないじゃんっ!小野寺先生にプリント提出しなきゃ
なんないんだよね…ホラっ作文の!」加奈は慌てながらも
ちゃんとノリにノって言った。
「小野寺先生に?作文って…書くの?」積木は疑問に
思いながら訊いた。
「えっ、一組はまだ貰ってないの?
夏休みうちら作文書くじゃん。アレを今くれるの。
今提出すれば、夏休みの国語の課題がなくなるんだよ!」
加奈は元気に言った。
「え〜まじ?早くほしい〜!で、作文提出しに行くの?」
「なわけないじゃん、早すぎだよ。今日説明されたばっかだよ。
作文の構成のためのプリントがあるの。ホラ、何について書くかとか、
何を書きたいかメモるヤツ。アレを今日の国語の時間くれたの。
アレが終わってOKがでたら原稿用紙もらえるんだよ。」
加奈はそう説明した。
へぇ〜、夏休みの課題が終わる、か。
積木は早く作文を終わらせたくなった。
「失礼しまーす。」積木と加奈はノックをして職員室へ入った。
小野寺先生はドアを開けたすぐ近くの机にいた。
アソコが小野寺先生の机か…、前ちゃんの隣なんだ…。
そんな事を思いながらも、積木は加奈の後に続いた。
「先生、構想表、書き終わりました。」
加奈は構想表を先生に渡しながら言った。
眼鏡をはずしていた小野寺先生は、加奈が来ると
眼鏡をかけて用紙をみた。
「うーん、題名を少し工夫したほうがいいね。
ホラ、「私のクラス」、だけじゃなく、もっと
工夫してかっこいい題名にしよう、例えば
「一致団結」というふうに。構成用紙に
ソノ言葉があるからね…。」
小野寺先生は題名を書く欄に工夫と繋がり字で書いて、まるで囲んだ。
「うん。」加奈は頷いた。
「うんって…、ハイでしょ。」積木は呆れて言った。
加奈はいつもそうだ。いつも中途半端な口調で答える。
頭より口が早く動くので、友達と目上の人への言葉をわけられないだろう。
前田先生にもそうだ。
「そうだろ、ハイだよ。」小野寺先生は
微笑して言った。加奈はハイ、と言いながら笑う。
積木は少し驚いた。小野寺先生も笑うんだ、と。
いつも引き攣ったような笑いをしているからだ。
微笑といえ、まともに笑うのははじめてみた。
積木はちょっとドキリとした。
「小野寺先生って、意外に話しやすいよね〜。」
加奈は職員室を後にしての帰り道に積み木にそう言った。
「そうだね。」積木も同意した。
意外な一面がみえたな…。
あの笑うときの顔、私ちょっと好きだな…。ちょっと
紳士的っていうか…。積木は正直そう思った。
少なくともクラスの皆の馬鹿笑いよりはいいよね…。
積木はそう思いながら、夕暮れの道を、
加奈と別れてから一人でそっと歩き、自宅へと向かった。
ハイ、更新ですw
なんかANCHORを優先するとか
なんとか言ってANCHORより多く
投稿しています…。
何れANCHORを抜かすかも?!