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第十二章「作文」

木曜日──。

積木は朝から張り切っていた。

今日は一時限から国語があるのだ。

恐らく、コノ前加奈が言っていた作文の

説明をするのだろう。



「おはよう、積木!」

何時ものように、裕美架が笑顔で挨拶をしてくる。

「おはよー!裕美架!」

いつもは溜息がでそうになるのだが、積木は今日だけは

おはよう、糞野郎、と心の中で元気に挨拶した。



「起立、礼。」

日直の挨拶とともに、積木が心から待っていた

国語が始まった。

郁美、信二、啓祐の三人はやる気なさそうに話している。

郁美は特に酷く、トランプでもやる?と冗談で

信二と啓祐に笑いながら言った。(実際やらなかったが)

小野寺先生は聴こえているはずなのに、無視をする。

前、一回だけ聞いてなきゃわからないぞ、と特に名前を

指摘せずに軽く注意したが、あれきり一回も注意をしていない。

授業を聞きたいやつだけ聞き、聞きたくないやつは聞かないでよし、なのだろう。

そこがまた積木には格好良く感じた。

やっぱね、授業聞かないで話している一部の馬鹿野郎に注意しても

聞かないんだから、無視をして内申点を下げてればいいのよ。

積木は礼をしながら思った。


「はい、今日は夏休みの課題の作文をやります。

この作文は一学期中にやって出しても良いので、

出したら夏休みの国語の課題はなくなるよ。」

やった、と一部の声が聞こえた。

「作文の成績は二学期のに入れるけど、

一学期中に出しておいたほうが言いと思うよ。

夏休み中作文の事を考えながら過ごしても楽しくないだろう?」

小野寺先生は自分の頭を指し、言った。

一部の生徒が頷く。

積木も頷きたかったが、恥かしくてできなかった。

「で、今回の作文は基本的にはなんでもありだが、

生徒全員、市のコンクールに応募をするんだ。

市で募集している作文コンクールの題は二つあって、

意見文ないし生活文がある。自分がどれに応募しようか選ぶのではなく、

皆が私に提出した作文を私がこの二つのどれにあたるか

を選び、市に送るよ…。」小野寺先生はゆっくりと説明した。

一部の人が隣の人に「何書く?」と聞いた。

「えー、まず、いきなり書くのではなく、構想表というのを書きます。

構想表、というのは作文を書く前のメモみたいなもので、

そのメモに沿って作文を書きだす。まぁ…いきなり

作文用紙を配って、はい、書きなさい──じゃ書けないからな。」

小野寺先生が皆に構想表を配る。

…早い。配るのが驚く程早い。ちゃんと列の生徒の数だけを

配り、一枚多いですとか少ないです、などというものはいない。

正確な人…。積木は小野寺先生が配るのをボーッと眺めた。



どれにしようか…積木は何を書くか迷った。

基本的には何でもいいのだが、

ただし、みんなの書くような幼稚なモノは嫌だ。

小野寺先生の注目を集めたい。大人っぽい、カッコイイモノにしよう。

目を引くようなヤツ…。


数分後、積木は何を題材にするか決めた。

『善、悪、偽善』…。よし、これを題材にしよう。

うん、なかなかいいじゃないか。

積木は自己満足した。

それから、何を書くか、つまり作文の材料なるものを

書くところに目を向けた。

材料はすぐに決まった。前、積木が考えたことをそのまま

材料とし、書いた。

材料1善と悪の違い

材料2善と偽善の違い

材料3善のない正義は可能?

材料4偽善じゃない善って…?

材料5善、悪、偽善は同じ?

積木はそう書くと少し躊躇ってから小野寺先生の所に行った。

(積木が来る前に二、三人着ていた。)


小野寺先生は暫く積木の構想表を見ていた。

凄く緊張する……。積木は心臓が高鳴るのがわかった。

「うん、面白そうだね…、ただ、材料1と2の具体例を

入れたほうがいいね。じゃないと論文になるから…。」

小野寺先生は積木のほう見ると軽く微笑を顔に表し、言った。

「…はい。」

ヤバイ……凄く緊張する…。

小野寺先生は材料1に具体例と繋がり字で書き、まるで囲み、

積木に作文用紙を四枚渡した。

積木は緊張のまま自分の席に戻った。


十二章目ですw

これからもまだまだ続くと

思いますので宜しくお願いします。

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