82話 けもみみいっぱい
「なるほど、つまり仲間が触手を使って上に飛ばしたのか」
「そうなんですよ~」
(万が一セラフィスの名前を言ってしまってたまたま目の前にいる人の信仰が敵対の神だとしたら私が殺されかねない)
「それで触手の色は何色だった?」
「うっ……黒色……だっけなぁ?」
私は隠し事をするのがとても苦手で声が震えてしまう。
「黒色か?」
「そうだっけ……?」
「仲間なのに触手の色知らないとか終わってるな。まったくあいつとんでもない奴を仲間にしたな」
その言葉に私は空気が抜けたように気が抜けた。
「ほへ?」
「見抜けていなかったようだね、あいつの変装は見破れたのにね」
その言葉に私は魔力で周りを観た。
「うおっ……」
(とっても魔力があふれている……圧力に私が押しつぶされそうだ……)
「やっとわかったようだね」
ギルドマスターの体が光り始め、本来の姿を私に見せた。
「うお……お?」
ギルドマスターの本当の姿、それはちんまりとした子供だった。
「ちっっっっ」
「ちっさって言ったら殺すわよ」
「でも……あなた凄いのね……」
「そうでしょ、どうして獣人族と共生していると思う?」
「……ほとんどの人間が来ないから?」
「いいや、もっとケモミミを見たいんだ」
その問いに私はこんなことを思ってしまった。
(この人……とんでもない人だ……)
「ちなみに私って神だけ人が嫌がることはしてないから大丈夫」
「大丈夫なのか……?」
「それであなたが捕まえた指名手配、あれ職権乱用で調べたい人物を捕まえてきてもらったんだ」
「職権乱用って……」
「それであなたが来たってことは誘拐事件について知っているのよね?」
「まぁ……そうだけど」
「話は吹っ飛ぶけど神の戦争、その発端は何だと思う?」
「何なの?」
「過激派がキメラを作ったことで人間たちが危険になった。それで三派閥が各々対応していくうちに亀裂が生じていってからの後の祭りだ」
「キメラが悪いのね」
「そうだ、あいつが居ればここに呼んできてほしい」
「分かった、ならセラフィスを呼んでくるよ」
「よろしく頼む」
私はギルドマスターに頼まれてセラフィスをギルドに連れてくることにした。
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