62話 もろ見え
眠りの匂いを出す奴を探したがあたりにはいなかった。
「怪しい奴はいなかったな……」
「確かに怪しい人は居なかった。いたのはこの国の住民だけだ」
怪しい人は居なくて私たちはもはや腰が抜けた。
「でも気になるよね」
「だね、寝込みを襲う奴だったらたちが悪いけどね」
「……どうやって夜まで起きておくの?」
「確かに眠りの匂いで強制的に寝るよね、どうするの?」
「なら気付け薬を服用したらいいよ。眠りの匂いが匂ってきたらそれを噛めばいいからね」
「セラフィスとニコラはその気付け薬で起き上がったらいいんだけど、私とナナシ、あとマルセラは起きれないよ?」
「その時は無理やり起こす。だから必死に起きる努力をしろよ」
そして私たちは夜まで時間を潰し、夜になるとセラフィスとニコラは口に気付け薬のカプセルを入れた。
「さてと、眠りの匂いが来るまで待つか」
私たちはベッドの上に座って何気ない話をしていた。すると急に眠気が襲ってきた。
(あれ、急に眠気が……)
そして私はばたりとベッドに倒れ、続々とベットに倒れていった。
「……これで眠ったのよね?」
誰かが入ってくる音がすると服を脱ぐ音が聞こえてきた。
「さてと、精気を搾り取りますか~」
すると何かが起き上がる音がした。
「さぁてと、お仕置きの時間だ。ベイビー」
セラフィスがそう言いつつ、私たちを触手で叩いて起こしていった。
「ん?眠ってたの?」
「そうだ、それでこいつが眠りの匂いを出す奴らしいな」
「なによ……これって夢だわ!殴られても痛くないはず……」
「スイ、奴は殴られるのをご所望らしいな……」
私は奴に向かって歩き出した。
「私たちを眠りの匂いで眠らせてナニをしようとしてたのかなぁ……?まぁ、脱ぎたての衣類を見たらわかり切ったところだけど」
私は拳を固く握りしめ、思いっきり奴に敵意を向けた。
「私はか弱い美少女だよ……?怪我をしてるのに殴るの?」
「私も後味悪いのは嫌だ、だからセラフィスに教わった回復魔法をお前にかけてある」
そう、奴は右脇腹に擦り傷を負っていた。それを私は今治療した。
「あれ……治ってる」
「一旦治したら……後味悪くないよなぁ!!!」
「……ハッ!?!?」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
私は奴に拳を叩きこみ、奴は窓ガラスを割りながら建物の外にぶっ飛んでいった。
「清々しいな、ここまで来ると」
地面には奴の下着が落ちていてこれから起こることを想像できた。
「あいつってサキュバスだよな?」
「そうだ、恐らく私たちから精気を吸い取ろうとしてたんだろう。危ない所だったな」
「なら1日目の宿泊の時、眠りの匂いが感じ取れたのって……」
「恐らく下見だろう。どんな人がいるのかと」
私はサキュバスの下着を窓の外に投げた。
「ふん、淫乱な奴はこんな仕打ちがお似合いだ」
そう言って私たちは眠りについた。だけど私は眠りにはつけなかった。いつ襲ってくるのか分からないからだ。
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