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6話 リミッター

セラフィスは上を警戒していたが私は拳を握っていた。

「どこにいるんだ?透明になってるわけでもなさそうだし、いい加減姿を現せ」

目で見る限りはいないように感じるが気配で何となくわかった。

「セラフィス、この気配って私たちを襲おうとしてるよね」

「そうだね、どこにいるかが分かればいいんだが……私はサーチ系の魔法覚えてないんだよな」

その時、私の目がとらえたのは青色のオーラが木の上から見えた。

「あそこの木の上から青色のオーラが見えるけど、あれって?」

「青色のオーラ?見えないがどうした?」

(セラフィスにはあの青いオーラが見えていないのか?)

私は白の魔法陣を展開し、青いオーラに向けて発射した。

「ほげっ」

「ほら、何かいたでしょ?」

「透過の魔法か、見抜くなんてもしかして魔力感知を?」

「魔力感知?」

「この感じ知らなさそうだな……人ってのは魔力を放出して生きているんだ、そして制御出来ているほど強い魔法使いってことだ」

「セラフィスからは魔力なんて感じなかったけど」

「そりゃ神だよ?」

「神だから何なのよ」

「そりゃ……あれだよあれ、全知全能の神ってことだ」

「ん?ちのうなし?」

「バカタレ、ってほら撃ち落とした奴がこっちに来たぞ」

「殺す殺す殺す殺す殺す」

どうやら私が撃ち落とした人は殺すと言いながら私たちに近づいてきた。

「なにか怨嗟を吐きながらこっちに来てるんですけど!?」

「いいから横に飛べ!」

その時、地面が隆起し、私はその隆起に巻き込まれた。

(セラフィスと同じ触手使いなのか!?)

「こりゃ面倒な相手だな……例によってサキュバスだしあーもう、めんどくせー」

「なら私が行くよ」

「やめとけやめとけ、どうせスイは勝てないんだよ」

「どうしてそんなことを言うの?」

「だって転生したてで赤ちゃんのような弱さだ、あいつに突っ込んで行ったら死ぬぞ」

「いいじゃんか、セラフィスは全知全能だから」

この時の私はとある狙いでこう言っていた。

「だがどうやってあいつをしとめるんだ?」

「重い一撃を叩きこむ」

「そうか……なら私の祝福を受け取れ」

そう言うとセラフィスは私の手に触れ、手の甲にキスをした。

「じゃ、行ってらっしゃい」

「ああ、だが後でその祝福ってのを聞かせろよ」

そして私はサキュバスの目の前に立った。

「おい!お前の相手は私だ!」

「殺す」

サキュバスは触手を伸ばしてきたが私は魔法陣を展開したが色が白ではなく緑の魔法陣が展開された。

(この色の意味はいったいなんだ?)

私は2枚展開し、サキュバスの手前に飛ばし、そして拳を振った。

「ドラァ!」

魔法陣越しで私のパンチの衝撃がサキュバスに伝わったがそれと同時に私の腕に激痛が走った。

(今の衝撃は一体なんだ!?)

腕を見ると指が紫色に変色していた。

(紫色に変色してる……それにさっきよりもパワーがあった、それに起因しているのか?)

「ありがと、最後は私が仕留める」

その時、私はセラフィスの前方に白とは違う、そして緑とは違う魔法陣を展開した。

(これは青色……!?)

セラフィスは魔法陣越しで触手を矢のように飛ばし、サキュバスの心臓を一突きした。

「今の……パワーが増幅したような……」

「まさかだけど、私の……能力?」

「わからない、だけどあのサキュバスは絶命する」

サキュバスはゆっくりと倒れ、そしてセラフィスはごくごくとサキュバスの体液を吸っていた。

「もしかして、セラフィスって人を食うの?」

「そんな信仰の対象を食ったり煮たりしないよ、偶に襲っちゃうかもしれないけど」

「ならどうしてサキュバスの血肉を食べてるの?」

「自身のパワーアップのため、子は食べて育つでしょ?」

「そうだけど……グチュグチュって生々しい音を出しながら食べるのね」

「仕方ないじゃない、だって生の血肉だよ?」

「でも生肉を食べるの?」

「神の供え物って生肉だよ?それと血と酒、あと少々の金」

「わがままだね~」

「でもそれぐらいしないと気品が保てないんだよね」

「だから信仰者が居なくなってるんじゃないの?」

「そうかもしれないね、でもその供え物があってこそのパワーだよ」

「うーん、そこの線引きがややこしいのね」

「神になっても悩む場所はそこだね」

「でも酒って飲めるの?」

「いや、酒は飲めない。でも供えられてる以上飲まないといけない」

「酔ったセラフィスも見たいかも」

「いいよ?でも街の中に入ってからね」

「なら酒を用意する金を稼がないとね」

「そうじゃん、明日の宿もなければ食事もない、いや私神だから食べ物は困らないけどスイは困るのね、だって人間だもん」

「そうだよ、というか今まで私を何だと思ってた?」

「知らない人って」

「うーん、ごめんよ、私人間で」

「いやいいよ」

そして私とセラフィスは村の衛兵に報告した。

「凶悪な魔物の正体はサキュバスだよね、退治したよ」

「そうか、なら街に入ることを許可する、だが下手な真似をしてみろ、即斬首だ」

「うおっ、物騒だな」

するとたまたま通りかかった人がこの話を聞いていた。

「凶悪な魔物のクエスト受けてたんだけどな……それってサキュバスか?」

「そうですね……もしかしてやっちゃいました?」

「そうか……」

その冒険者は何処か寂しそうにしていた。

「まぁ代理でクリアしてくれたって事ならクエストクリア報酬の6割は上げるよ」

その声に反論したのはセラフィスだった。

「いや、8割」

「どうしてなんだ?」

「あなたは何もしていない、私たちはそのサキュバスを倒した。異論はないよね?」

「だがそのクエストを受けたのは俺だ」

その時、セラフィスの体から黒い触手がちょろっと見えていた。

「こいつ……邪神か!?」

どうやら衛兵が触手に気が付いた。

「おっと、気分が高ぶりすぎたか、私の名前はワーダニル・グラスティア・イラスティア」

「ちょっと待ってくれ、それって神の名前じゃあないか?」

「こいつ神の名前を騙ってやがるぞ!」

「本人なんだけどなぁ~」

「なら本名全部、そして文字数を答えろ」

「ワーダニル・グラスティア・イラスティア・オラクル・テンタクルスター・セラフィス、文字数は34文字」

「おおっ、全部覚えていてかつ文字数も」

「それぐらい、覚えてる」

(ねぇ、さっきまで分からなかったのに解ってた風に騙るのやめな?)

そして街の中に入って行くと街の人々の活気ある声が聞こえてきた。

「さて、金を稼ぐとなると何処に行こうか」

「分からない、路上でパンを貰う?」

「それもありなんだけど、まず私の腕の治療、お願い」

「ん?治療はもうとっくに終わってる」

私は腕を見た、すると紫になっていた部分が治っていた。

「これが私の祝福、負傷した部位、または欠損した部位があると徐々に治っていくっていうやつ、それに回復魔法をかけたから治ってるんだ、普通なら1時間に負傷した部位の10%が徐々に治っていくっていうのだけど」

「へぇ~」

その話をしていると子供にぶつかった。

「あびゃ」

「おっと、ごめんよ」

その時、セラフィスの顔が歪んだ。


最後まで見てくれてありがとうございます。

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