5話 人間に化けてしまおう
数時間何もない平原を歩いていると森が見えてきた。
「森が見えてきたけど、街あるのかなぁ」
「あるかも、人の気配がするもん」
「セラフィスって人の気配を感じ取れるの?」
「うん、感じ取れないとさっきの信仰者の攻撃を避けれなかった」
するとセラフィスは体の形を変え、私と同じような背丈になった。
「街に入る時、触手丸出しだと怖がらせちゃうから人にならないとね」
「確かに驚かれるかもしれないね」
「それにこの姿の方がなれてるからね、この方が動きやすいんだよ」
セラフィスは飛び跳ねたりシャドーボクシングをして人間の姿に適応していることを私に見せつけていた。
(あっこの感情は、子供を見ているような気分だ)
そして森に入るとスライムが飛び跳ね、スケルトンが身の上話をしている姿が散見された。
「あれ、襲ってこないのね」
「あいつら人は襲わないんだよね……例外はあるけど」
「例外ってどういう事があるの?」
「人に操られている場合、無差別に攻撃してくるかも」
「人に操られるってことは催眠術があるって事だね」
「そうだね、チャームっていう魔法だけど、私は使いたくないね。ドSになっちゃうし」
そんな話をしていたら街の門が見えてきた。
「あれって街の門だよね?」
「そうだね、さてと……人間界の布団はどんなふかふかなんだろう」
私たちは門を通り抜けようとしたが衛兵に止められた。
「すまないが名前を言ってくれないか?」
「スイと……」
「セラフィスだね」
「今日来るリストにはないが……旅人か?」
「そうですね、それでたまたまスイを拾ったんですよ」
「そうか、だが信用に値するかが怪しい」
「どうして怪しいって言うんですか?」
「ここ最近、神が3派閥に分かれた事、知っているか?」
「知ってますね、ですがそれと関係があるんですか?」
「その影響かわからないが過激派がこの街の周辺に凶悪な魔物を解き放った、我々には手が負えなくてね、すまないが頼めるか?」
「いいですよ、それでこの周辺にいるんですよね?その凶悪な魔物は」
「そうだね」
そんな会話があり、私たちは一旦街の周辺話した。
「あいつ、絶対街に入れないという意思を感じた」
「そんなの分かるの?」
「過激派って言ってたでしょ?3派閥は代表的な派閥、だけど少数派だけど過激派ってのも生まれてるのも事実。めんどくさいねー」
「そんなにめんどくさいの?」
「あいつらバーサーカーでさ、何でも決闘でケリをつけようとしてるから私苦手」
(セラフィスにも苦手な人っているのね……)
「それに過激派が用意した駒でしょ?絶対強いよ~」
ここまで来たのになぜかセラフィスが弱音を吐いていた。
「どうしてそこまで弱音を吐くの?」
「いや弱音を吐かない方が難しいのよ、あいつらはゴーレムやら悪魔やらサキュバスを投入してくるから3派閥からのヘイトが凄いのよ」
「強そうな名前が並んでますけど……」
「ちなみにサキュバスは厄介だね、凄く拘束攻撃を繰り出してくるから」
「拘束……考えるだけでゾッとします」
「そうだろ、それに種族がサキュバスだ、この後は察してくれ」
そしてセラフィスはあたりに何かいないかと見て回っていったが魔物がいる気配がなかった。
「いないですね」
「これで居ないと思う?」
「居るって言うんですか?」
「この付近の魔物がいない、つまり強い魔物が狩りつくしているわけだ」
「狩りつくしてるって……物凄く強い!?」
「ああ、というかお出ましのようだね」
セラフィスはいつものの姿に戻り、触手を上空に向けて突き刺した。
「ハズレか」
だが上には何かがいるような気配がしていた。
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