30話 方針
あの後、私はベッドに座りながらこれからの事をセラフィスと話をしていた。
「さすがに私とセラフィス、二人だけだと刺客の襲撃に耐えれないと思うね」
「そうだな、だからこの戦争を終わらせるために過激派の奴を殺す」
「でも神は殺せないって」
「ああ普通なら殺せない。とはいっても依り代を破壊するのもよろしくない。だけど依り代を別の物に移すことは可能だ」
「依り代を移すってことが出来るのか!?」
「可能だけど少しめんどくさい。まず神の存在という物の圧力に耐えれる頑丈な器が必要。その頑丈な器ってのがめんどくさい」
「どうめんどくさいの?」
「私の力だとそこいらに転がっている石ころでも耐えれるほどの圧力なの、だけど数百人、数万人が信仰していると圧力も大きくなっちゃう」
「力が抑え込めれる依り代が必要なのね」
「その依り代選びが本当に骨が折れる。私の場合は聖剣に依り代を移しているんだけどね……手持無沙汰みたいなことになってるの。私の力より聖剣の方が強いっていう」
「そうなのね……」
「ちなみにその聖剣はかつて勇者が使っていた剣だよ」
「うえぇぇ!?!?」
私はその衝撃で腰を折りそうになっていた。
「そういう反応になるよね、あのルンダの知り合いに勇者の子孫がいるからその人から受け継いでいるらしいんだ。理由はこれに神秘的な力が宿っていてその子孫には手持無沙汰ってさ」
「なら神秘的な力は……」
「私だね、正直あいつは私を使わなかったからこんなに力を失ったんだけどね」
「……ちょっとまって、1から10説明しろとは言わないけどもっとかみ砕いて説明してくれないか?私にはさっぱりわからない」
「昔に勇者が魔王を討伐した、いやしていたはずだが最近になって魔王が復活しちゃってね、それと同時に私は無意識のうちに剣に宿っちゃった。そして年月が経って勇者の子孫がルンダに剣を渡したって。わかった?」
「ばなな」
「よし分かったな」
私はとてつもなく意味が分からない話を聞かされてばななとしか言えない体になってしまった。
「はっ、分かったぞ」
「何が分かったんだ」
「セラフィス、良い作戦を思いついたんだけどさ……セラフィスの依り代に過激派っていう奴の依り代にしてセラフィスは何かを依り代にしたら?」
「いやできない。どうしてかは私の腕、見て見ればわかる」
私はセラフィスの腕を見た。
「あれっ……どうしたのよこの鎖は」
「これは聖剣と私をつなぐ鎖だ。数十年あの依り代にいたせいで聖剣が私を気に入ったのか拘束プレイをしてくるんだ」
「それってとてもえっちなやつ?」
「違う!だけど数時間経てばこの鎖は消える」
「でもどうして鎖が見えるようになったんだろうね」
「それは聖剣と私との距離が近くなったからだろう、船見ただろう?あの中に聖剣があるんだ」
「そうなんだ……」
「まぁ話は少しだけ戻すが2人で過激派の奴を倒すのは容易ではない。なので旅に出るしかない」
「でも徒歩だよ?」
「そこは何とか馬車を買うしかない。そして私自身も馬の操縦技術を学ばないとね。だって全知全能の神にならないと」
「おー」
私はセラフィスの事を普通のロリっ子だと感じていたが神だったと改めて感じた。
「あっ!今私の事を普通の村娘って思った!」
「ただのロリっ子だと思ってました~」
「まぁ……体はロリだけどね」
「じゃ、一旦街に行こうか。話はそれからなのかな」
「そうだね、じゃ行こっか」
こうして私とセラフィスは遠い遠い旅路に出るのだ……
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