2話 人が創る神
目の前の知らない子は私の腹に顔をうずめていたが急に顔を見てきた。
(うお……何だこれ……)
目の色は白目と黒目、そして黒目の中に黄色の色があるように見えた。
「違う」
そう言うと私の四肢を拘束してある触手を解き、そしてその場を立ち去ろうとした。
「ちょっと待って」
私は無意識に知らない子に待ってと言った。この世界は何なのかが分からないから本能が縋りつくように言ったのかが分からない。
「……どうしたの?」
私の声に知らない子は足を止め、怪しい顔つきでわたしを見ていた。だがその顔は何処かどす黒いオーラが見え隠れしていた。
(うおっ……声を出しにくいな……でも呼び止めたから何か言わないと)
私は勇気を振り絞り、声を出した。
「この世界って一体何なの?」
「……知らない」
すると知らない子は土を触り、空気に触れた。
「ここに来たの初めてだから、何も知らないんだ」
「何も知らないの……か?」
「ずっと言ってるじゃんか、知らないって」
すると私の近くに触手を突き刺し、私の目の前に来た。
「……この世界の事は何も知らないのか?」
「知らないって言ってるのに」
すると私の四肢を再び触手で拘束してきた。
「その触手……いったいなんだよぉ」
「……本当に私のことを知らないの?」
知らない子はそう質問してきた。
「あなたの存在やこの世界、何も知らないんだよ!」
私は声高らかに言った、すると触手はシュルっと四肢の拘束を解き、私はしりもちをついた。
「本当に私の事知らないのね?」
「知り合いにそんな人いないし異形の人なんて知らないよ」
「異形か……それは残念」
すると私の体にぴったりとくっついた。
「……すき」
「ずっと好きって言ってるけど、私を傷つけたいのかはたまた癒したいのかどっち?」
「……どっちも」
すると触手が私の体にまとわりついていた。
「私はね、神様なの」
「神様ね……ん?」
その一言だけで私の脳内を焼き切るのには簡単だった。急に神様という単語が出てきた私は見事に脳内がショートした。
「あれぇ?神様と言う事はここは黄泉の国かぁ」
「黄泉の国?わからない」
すると知らない子は私に言い聞かせるようにこんなことを話し始めた。
「私ね、神様だけどね~今保守派と革命派、そして独立派に分かれてる、でも私は嫌」
「……つまり神同士対立してるの?」
「そう、でも私はどれにも属さないって決めたの。でもそれでも狙ってくる神やら信仰者がいるの」
「信仰があってこその神なの?」
「そう、信仰が無ければ神は消える」
すると私にこんなお願いをし始めた。
「だから、私の信仰者になってくれない?」
「……メリットがないように見えるんだけど……今の信仰者は?」
「1人だけ」
「一人だけって……誰?」
「内緒、でも青い羽が生えてる人」
「青い羽か……つまり異世界?」
「異世界?どういうこと?」
知らない子はポカーンとしているが私は一人で盛り上がっていた。
「異世界ってことは魔法を使えるってことなのね!メラ!」
そう言っても私は魔法の中身を知らず、ただ単に魔法名を言っているだけだった。
「それで、信仰者になるの?」
「……ならないけど友達ってことでいい?私友達いないから」
「トモダチ?」
「時に助けあって、時にふざけあうのが友達なの」
「……何それたのしそ!」
知らない子は目をキラキラとさせ、私にもたれかかっていた。
「なら友達になっちゃう?」
「トモダチ!契約!」
「友達は契約じゃないんだけどなぁ……まぁいいや」
私と知らない子は私と友達になり、この世界の事を旅をすることに知っていくのだ。
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