137話 いい土
私たちは車に戻るとみんなに伝えた。
「みんな、もうこの戦いは終わりだ」
「それでどうなったの?」
「戦争は終わり、アデラリードが信仰者にこの事を伝えるという」
「そうなのか、ならもうこの場所にいる理由は無いのね」
「そうだね、なら車を出すよ」
私は車を走らせた、すると上に何かが載った衝撃で車が揺れた。
「一体何事だぁ!?」
「ちょっと私上見てくる。
私は車の上を見に外に出た。
「ほらはよ動かさんかい」
アデラリードが車の上に乗っていた。
「あのね、どうしてあなたがそこにいるのよ」
「リンゴを作るために走り出すやろが、ほらはよはよ」
アデラリードにせかされた私は仕方なく車を走らせた。
「上にアデラリードが居座ってた」
「倒したんじゃあないの?」
「いやぁ、なんだかリンゴを作りたくてついてくるらしい」
「そんな理由で!?」
そして私たちはガタガタしている道を走りながら家に帰っていった。
「しかしこの揺れはアデラリードに耐えれるのか?」
「さぁ、どこかに落ちてるかもしれないしピタッとくっついてるかもしれない」
「でもさ、これで戦うことは無くなったってことだよね?」
「そう考えた方がいいかもな」
もう戦う必要はなくなったのだ。そう思うとよかったのかなと思っていたのだ。
「もうすぐしたら家だね~」
「そうだな、どんな感じに汚くなってるんだろうなぁ」
「汚くなってないと思うね」
そして家にたどり着くと各々家に入っていった。
「疲れたー」
私も家に入ろうとしたが目に入った光景、それはアデラリードが土を食べている様子だった。
「バッ!?!?」
「どうしたんだ?」
「どうして土を食べてるの!?」
「リンゴに対していい土かどうか確かめてた、それで今わかった、これいいね」
アデラリードはハムスターのように頬に土を詰め込んでそう言った。
「あのね、その顔を見てるとハムスターのように見えてくるから」
「ハム……?」
「そういえば向こうの生き物いないんだっけ」
そして私は家に入った、中は少しだけ埃が積もっているだけで掃除をすれば大丈夫な汚れだった。
(掃除をしたら綺麗になるね、よし)
そして私は自室に入り、布団に入った。
(さすがに疲れた、体中臭いし、全く戦いってのはいい事は無いのね)
セラフィスが部屋に入ってくると私に声をかけてきた。
「ねぇ、スイはこの後どうするの?」
「次の目的が見つかったし、ここに残ろうかな」
そう、私の次の目的は見つかったのだ、そのために今は風呂に入って眠りたいところだ。
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