135話 リンゴ姫
神殿に突撃した私たちはアデラリードがいないか周りを見た。
(ぱっと見アデラリードはいない、何処に居るんだ?)
すると一般客が来たかのようにアデラリードが現れた。
「あら、どうして中立派のあなたが?」
「そんな白々しく言われても私たちは知ってる、リンゴで一般人を怪物にしてただろ」
するとアデラリードは深く考え、結論を出した。
「そんな事を信者に命令した記憶は無いな」
するとセラフィスが触手でアデラリードに向かって穿った。
「そんなことないと思うけどさ、自分で天啓した事忘れた?」
「天啓って、一応信者に個人で伝えることは可能だがした覚えがないぞ」
だがすでに私は剣を持ってアデラリードに向かって走っていった。
「興味深い剣を持ってるな、一度それを見せてくれ」
アデラリードは光の剣を自らの手を作り出し、そして私の剣を受け止めた。
「これぞ、英雄のレプリカってところか」
するとアデラリードは私ごとぶっ飛ばした。
「おっと、こりゃ一筋縄じゃあ行かないね」
私は地面に降りると再び剣を構えた。
(正攻法では恐らく互角か劣勢、だとしたらどうする?)
マレがアデラリードを拘束しようとするがすぐに触手が引きちぎられた。
「ふん、こんな小癪な小細工は通じないのだよ」
私たちの後ろからマリーさんが飛んでくるとアデラリードは上にかわした。
(もしかして奴はマリーさんの持っている鎌の形状を受け流すのが苦手なのか?)
アデラリードはマリーさんを見ながら私たちを狙ってきていた。
「来るぞ!」
セラフィスが触手でアデラリードの足を貫いたがすぐに再生をした。
(もしかしてだけどこれ依り代を探さないといけないといけないか!)
するとセラフィスも同じ考えをしていたようだ。
「スイ!奴の依り代を探すんだ!きっとこの神殿の中にある!」
「分かった!」
私はアデラリードの射程に入らないように走って奥に向かっていった。
「まずい!」
アデラリードは依り代を壊されまいと私の後を追ってきていた。
(もちろん来るよね、だけど先に依り代を見つけるのは私だ!)
私は目の前に魔法陣を出し、加速していった。
(ここがアデラリードの寝室……とても汚い、だけど明らかに頑丈そうな箱がある。もしかしてあそこに依り代が?)
私は奴の箱に向かって魔法陣を通して殴った。そして箱は破裂して中の依り代があらわになった。
「これは……食べかけのリンゴ!?」
私はアデラリードがリンゴ好きと言う事が分かり、後ろでアデラリードが恥ずかしそうに顔を隠していた。
(あれ、奴から戦う意欲が無くなった……)
「それ、私の依り代、食べないで」
アデラリードが急に弱腰になったのだった。
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