13話 キモムーブ
私とセラフィスはギルドハウスに帰ってきたがそこには大男がいた。
「おい、お前は弱いって聞いたが?」
「そりゃ生まれたての赤子のように弱いですよ」
(なんだこの大男、少しムカつくな)
「ほら、その女を置いて泣いて出ていけば命は助けてやろう」
その時、鉄球が床を転がってきた。
「フン」
さっきの男の人はもう一つの鉄球を大男に投げた、すると鉄球同士が光り始め、そして光の線が大男を貫いた。
「アバババババ」
「お前は女を襲うんじゃあねぇよ」
さっきの男の人は大男の顔面を踏み、グリグリと地面にこすりつけていた。
「あぁ、ここにちょうどいいマットがあるなぁ」
「あの……助けてくれて」
「礼はいい。人間として当然のことをやっただけだ」
「当然の事……ですか」
「ああ。こいつは札付きのワルだからな、いつかこうなると思ったが今とはな」
「さっきの光の線は一体?」
「鉄球に電流を持たせるペンタグラムってさっき言っただろ?それの派生技でプラズマラインって言うんだ」
「じゃさっきの戦いは」
「思いっきり手加減をしていた、本気でやると殺しかねないからな」
「そうだったんですね」
「こいつは1か月再起不能だろうな、医療室に運んどけー」
周りからはザワザワと声が聞こえていたが男の人は黙ってテーブルに座った。
「あっ、乱闘が起こったのか」
奥からギルドマスターがやってきて大男を木の棒でつついていた。
「うん、気絶してる。だけどこれをやったのは……まぁ予想は付くけど、 ウィットフォード!」
するとさっきの男の人が近寄ってきた。
「どうした?ギルマスさんよ」
「これあなたがやったんでしょ!?」
「そうだが何か問題が?」
「問題ありだ、今すぐ自分の手で医務室に連れてけ」
「分かったよベイベー」
そう言うとさっきの男の人がギルドマスターに投げキッスをした。
「だからキモイんだよ!」
「難儀ですなぁ」
「そうだね、スイと同意見だよ」
そしてクエストを受けたがなぜか等級が上がっていた。
「操り人形みたいな人、あれ操られてたらしいんだけどね、あれを討伐するっていう点を考慮するとAランククエストは無理なくこなせるって事かなって判断したからA+のクエストをやってもらうよ」
「一気に飛びすぎじゃないの?」
「いや……そこにいる神様がいるから成り立ってるわけなんだ」
「そうなんですね」
「まっ、ここのダンジョンの中にある場所を調べてきてよ」
「このダンジョンって物凄く離れてますけど?」
「そうなんだよね、馬車は持ってないの?」
「持てる金が無いんですよ」
「なら横の神様にせびったら?」
「私も金欠」
「ナァァァァ」
ギルドマスターは顎が物凄く外れた。
「これは困った困った」
ギルドマスターは悩みに悩みまくった結果、こう言ってくれた。
「なら私の馬車を一台レンタルしようか……少々待っててくれ」
するとギルドマスターはどこかに走り出し、掃除道具を持って外に出ていった。
「ギルドマスターってとても忙しいのね」
「うん、とても忙しそう」
そして馬の鳴く声やカチャカチャという金属音、そしてドアを蹴とばす音が鳴った。
「おっけ、準備できたよ」
「ありがとう、それで誰が馬の操縦をするんだ?」
「私出来ないよ」
「私も……あれ?」
その時、私とセラフィス、おまけにギルドマスターは気が付いた。このメンツに馬を操縦できる人がいないことに。
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