127話 魔王のお家騒動の噂
「スイ、マオさんの隠し事について知ってる?」
「どういう隠し事なの?」
セラフィスがマオさんの事について話し始めた。
「ちょっとマリーさんが言ってたことなんだけどね、ここ数か月マオの姿見てなかったって言うんだ、それでマオさんが久しぶりにマリーさんの前に姿を現しても何も言わなかったらしいんだ」
「へぇ~そうなんだ」
「それでね、マリーさん曰くマオさんのお腹が膨らんでたんだよね」
「もしかして……食べ過ぎて太った?」
セラフィスは少しずっこけ、訂正した。
「いや違うと思う、多分だけど子供を授かってたと思うってマリーさんが」
(……というか魔王が普通の人間と子供を作るのか?)
私は未だ魔王という上位の存在のイメージがブレブレすぎていてどういう事をするのかが想像できなかった。
「多分だけどもうマオさんの子供が生まれてて今は多分お父さんに育てられてると思う」
「マオさんを惚れさせる人なんていたのね」
マオさんは明らかに人を好きにならなさそうなのにどうして好きになれたのか不思議だ。
「でもさ、どうしてマオさんは私たちに話さないんだろう」
「この戦いに巻き込みたくないからだと思うけど……」
「子供にこの戦いが耐えれるかと思うと無理だとは思うね」
「吸いの言うとおりだね」
セラフィスがそう言うと私の肩を触手でなぞった。
「でもさ、子供っていいよね、無邪気だし何を考えてるか分からないんだ。だから私は好きだ」
無意識に歩いていたが目の前には公園があり、子供たちが楽しく遊んでいた。
「セラフィスってなんだかんだ子供が好きよね」
「うん、子供ってなんだか見てると危うさがありつつも楽しそうに笑ってるんだよ」
そう聞くと確かに無邪気に笑っていた。
「セラフィスの言う通り、笑ってるね」
「うん、私はこの笑顔を守るために戦ってるんだ、スイもそうだよね?」
「ああ、そうだな」
こうして私とセラフィスの間で共通の目標ができ、絆を強固なものとしたのだった。
最後まで見てくれてありがとうございます。
少しでも続きが気になる、それか面白ければブックマーク・評価・いいね・感想とレビューをお願いします!
評価が自分のモチベーションになってハッスルハッスルするのでよろしくお願いします!