126話 シャリシャリのリンゴ
一旦私たちは宿に帰り、どうやってあの屋台の人の隠していることをどうにかして知ろうとしていた。
「セラフィス、なんか耳に触手を突っ込んで思考とか読めないの?」
「そんなグロテスクなことできるわけないでしょ、まぁやってみたい気持ちはあるけど」
(やってみたいんだ……)
するとニコラがこう言いだした。
「ここに居ても危険なだけだし戻らない?」
「戻るか、あの家に?」
私たちは最初の街の近くにある家に戻るか戻らないかと話し合っていた。
「一旦戻ってもいいんだけどさ、一旦あいつと話してもいい?」
セラフィスはジェルヴェーズに声をかけた。
「ジェルヴェーズ、聞こえるか?セラフィスだ」
「ああ、聞こえるぞ、どうしたんだ?」
「一旦この国を離れてもいいか?」
「どうしてなんだ?」
「ちょっと家に戻りたくてね、いいかい?」
「ちょうど情報が入ってきたんだけどなぁ……いいの?」
「その情報、なんだ?」
「首から化け物が生えてくるっていう現象あっただろう?その件についてだ」
その情報とはあの首から生えてくるものだというが……
「リンゴを食べてしまうと生えてくるらしい」
「えっ、私とセラフィス食べちゃったけど」
「そうなのか?ならどうして頭が爆発してないんだ?」
するとセラフィスが触手をうにょうにょさせながらこう言った。
「もしかしてだけど私の祝福で効果を無効化したのかな?」
「とっても興味深いな、それでなんだが調査をしてほしいんだ」
「いやさっき調べようとしたけど警官に止められたんだよね」
(確かに警官に止められてた、これ以上調べることは難しいのか?)
「そうか少しだけ調べてみるがそっちでもできる限り調べてくれ」
「わかったよ」
こうしてこの国の残留は決まったのだがなぜかマレがセラフィスの触手を撫でまわしていた。
「私もこんなぶっといもの、欲しいなぁ~」
「そういえばマレってサキュバスだっけ、こういうのを召喚する魔法とかあるの?」
マレはサキュバスで全く私たちを襲おうとしない変な奴だ。するとニコラがこういった。
「まぁ触手を使っていろいろなことをする魔法はあるね、拘束したり穴に落としたりと」
「へぇ、いろいろな魔法あるのね」
「マレが習得したら間違いなく私たちに使うだろうし教えたくはないけど」
するとマレはニコラに近寄ってこう言った。
「それ、教えて!」
「だーめ、だって覚えたら私含めみんなに使うでしょ?」
「使わないって約束するからさ」
「……なら教える、明日からな」
「じゃ今日のところは自由行動でいいよね?」
「そうだね、私はスイを連れて歩きたいけどね」
(なんだかセラフィス私の事好きになってるように見えるんだよな……)
私はセラフィスの好意を受け流しつつ、散歩に付き合うのであった。
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